著者
川村 直子 北村 達也
出版者
一般社団法人 日本リハビリテーション工学協会
雑誌
リハビリテーション・エンジニアリング (ISSN:13423444)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.95-104, 2023-05-01 (Released:2023-05-25)
参考文献数
12

音声障害のリハビリテーションでは、言語聴覚士に指導された発声を患者が自宅でも適切かつ継続的に反復することが求められる。しかしながら、患者の自主的な発声訓練の継続を支援するシステムは構築されていない。そこで本研究では、先行研究で開発した発声訓練支援システムをIoTクラウドシステム化した。このシステムは音声障害領域で有効性が認められているチューブ発声の発声中の口唇部振動の変化を視覚的にフィードバックし、さらにクラウドサービス、LINEを連携させて自主訓練結果やリマインダーの通知を自動で行う。効果検証の結果、提案システムの視覚的フィードバックやLINEによる声かけ機能は自主訓練の適切性や継続性に有効であった。
著者
川村 直子 北村 達也 Naoko KAWAMURA Tatsuya KITAMURA
出版者
甲南大学
雑誌
甲南大学紀要. 知能情報学編 = Memoirs of Konan University. Intelligence & Informatics Series (ISSN:18830161)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.111-122, 2021-02-10

音声障害のリハビリテーション(音声リハビリ)で行う音声訓練において,発声時の顔面の皮膚振動感覚は効率の良い発声状態を表すとして重視されている.しかしながら,顔面の皮膚振動感覚はあくまで患者の主観に基づいた感覚であり,指導する言語聴覚士が患者の顔面の皮膚振動を把握することは現状では難しい.さらに,音声訓練中の顔面の皮膚振動について検証した報告は今のところ見受けられない.そこで,本研究では,音声リハビリ経験のある言語聴覚士を対象に,顔面の振動感覚を重視する3つの音声訓練法を用いて,スキャニング型レーザドップラ振動計により発声時の顔面の皮膚振動速度パターンを計測したので報告する.
著者
北村 達也 吐師 道子 能田 由紀子 川村 直子
出版者
甲南大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では,音声器官の形状や機能,基礎的な発話能力に病的な問題がないにもかかわらず,日常的に発話のしにくさを自覚する人々の実態を調査した.まず,15大学の学生約2,000名を対象にしてアンケート調査を実施し,調査対象の31%が普段の会話で発音がうまくいかないと感じていることを示した.次に,MRI装置などを用いて,発話のしにくさを自覚する人の音声器官の形状や機能に見られる特徴を調査した.さらに,ペンや割り箸などの細い棒を前歯で噛んだ状態で練習をする発話訓練法について調査し,この方法を用いることによって,下顎や舌の動きが大きくなり,1つ1つの音が明瞭に発声されるようになることを示した.
著者
川村 直子 城本 修 望月 隆一 岩城 忍 梅田 陽子
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.137-145, 2014 (Released:2014-05-28)
参考文献数
13
被引用文献数
2

【目的】Vocal Function Exercise(VFE)の各プログラムの訓練効果と,訓練効果に影響を及ぼす要因について検討した.【方法】音声障害患者18例をA,B 2群に分け発声訓練を開始した.A群:発声持続練習→音階上昇・下降練習.B群:音階上昇・下降練習→発声持続練習.そのうち訓練を遂行できた11例を検討対象とした.訓練前後の発声機能,音響分析,自覚的評価を従属変数とし,分散分析を行った.【結果と考察】発声持続練習を単独で集中的に2週間行った結果,最長発声持続時間(MPT)に直接的な効果が示唆された.訓練プログラムの内容(順序)あるいは病態にかかわらず,VFEを行えば2週後ないし4週後には,発声機能や自覚的評価において改善を示す可能性が示唆された.声域の拡大については,単独プログラムでの訓練効果は時間がかかる可能性が考えられ,原法どおり各プログラムを同時に実施することが有用であると考える.
著者
高橋 英輝 川村 直子 久納 孝彦
出版者
日本ばね学会
雑誌
ばね論文集 (ISSN:03856917)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.51, pp.35-43, 2006 (Released:2006-11-10)
参考文献数
14
被引用文献数
1

Coiled wave springs (CWS) are considered as multiple layered waved washers. They are light but powerful in limited spaces. In recent years, CWS have been applied to clutches of automobiles and expected to be applied to other uses. The formulas on the spring rates and stresses of CWS have been presented by an American spring maker of Smalley Steel Ring Company, Nishio, and Japan Spring Manufacturers Association (for short, JSMA). But none of them are practical, because the accuracy is not enough. Moreover the derivations of the formulas are not clear in the case of Smalley and JSMA. It has been observed that CWS show nonlinear spring characteristics in large deflection, however, the cause has not been made clear. In this research, spring rates and stresses for CWS are analyzed theoretically. A cause of the nonlinear spring characteristics is made clear, too. Then empirical formulas on the spring rates and stresses are derived by comparing the theoretical results with experiments and FEM analysis.