著者
武元 則人 丸山 博文 川村 秀樹 小松 靖弘 油田 正樹 細谷 英吉
出版者
日本炎症・再生医学会
雑誌
炎症 (ISSN:03894290)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.137-140, 1989-03-10 (Released:2010-04-12)
参考文献数
8

The mitogenic activity of TJ-48 in murine lymphoid cells was examined to get a clue for the augmentation of antibody production by TJ-48.Mitogenic activity of TJ-48 was detected in spleen cells, lymphonodus cells but not in thymocytes. The effect was abolished by pretreatment with anti-Ig antibody but not affected by pretreatment with anti-Thy 1.2 antibody. Coculture of spleen cells with TJ-48 resulted in increased number of sIgM-, sIgG- or sIgD-positive cells according to FAGS analysis. The increase in mitosis by TJ-48 was abolished by the elimination of adherent cells and the readdition of adherent cells recovered the effect of TJ-48. These data indicate that TJ-48 is a B cell mitogen and the activity is T cell-independent and adherent cell-dependent. The mitogenic activity of TJ-48 may account for the augmentation of the immune response.
著者
川村 秀樹 谷岡 利朗 舩越 徹 石津 寛之 岡田 邦明 高橋 昌宏
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.1122-1125, 2011 (Released:2011-11-25)
参考文献数
8
被引用文献数
2

術前化学療法後に胃切除を施行し,乳糜腹水を発症した2例を経験した.症例1:66歳,男性.大動脈周囲リンパ節転移,右鎖骨上リンパ節転移を認めS-1+CDDPを2クール施行し画像上リンパ節転移は消失.幽門側胃切除,D2+化療効果判定のため16b2リンパ節を切除.術後1カ月から乳糜腹水が顕在化し,その後3カ月の保存的治療を行うも治癒せず手術を施行.術中,明らかな乳糜の漏出点は認めず,有効な外科治療は不能.その後2週間の保存的治療で軽快.症例2:64歳,男性.大動脈周囲リンパ節転移を認め術前化学療法としてS-1+CDDPを3クール施行し画像上リンパ節転移は消失.症例1と同様の手術を施行.術後1カ月から乳糜腹水を発症し2カ月の保存的治療で軽快.これまで大動脈周囲リンパ節転移陽性胃癌7例に術前化学療法を行ったが,その内2例に乳糜腹水が発症した.大動脈周囲リンパ節転移陽性胃癌に対する術前化学療法は術後乳糜腹水のリスクを高める可能性がある.
著者
柏倉 さゆり 本間 重紀 柴崎 晋 吉田 雅 川村 秀樹 武冨 紹信
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.89-93, 2016 (Released:2017-02-28)
参考文献数
16

背景:今回われわれは全周性狭窄をきたした直腸癌に梅種子が嵌頓したことによりイレウスを発症した1例を経験したので報告する.症例:63歳男性.便秘を主訴に前医受診.下部消化管内視鏡検査にて直腸Rsに全周性の2型病変(tub1)を認め,直腸癌の診断で手術目的に当科紹介となった.入院後3日目より嘔吐が出現し,CT検査にて病変部に種子様構造物を認め口側腸管の拡張も認めたため,植物種子による嵌頓イレウスと診断した.経肛門的イレウス管を挿入し減圧を図り,挿入7日目に待機的腹腔鏡下低位前方切除術,D3郭清を施行した.切除標本では腫瘍狭窄部位に直径2cm大の梅種子が嵌頓していた.術後は合併症なく経過し,術後10日目に退院した.なお,本人は梅種子を丸呑みする習慣や,近日中に飲み込んだ記憶はなかった.結語:狭窄高度な直腸癌の場合には植物種子がイレウスの誘因となることがあり,注意が必要と考えられた.
著者
谷岡 利朗 川村 秀樹 高橋 昌宏 山上 英樹 益子 博幸 石津 寛之 岡田 邦明 市原 真
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.708-714, 2012-07-01 (Released:2012-07-18)
参考文献数
36
被引用文献数
1

症例は52歳の女性で,4型胃癌で2005年10月に胃全摘術を施行後に術後補助療法としてS-1を投与した.2007年6月のCTで右水腎症を認め,後腹膜再発を疑いweekly paclitaxelを開始した.2クール後に水腎症は改善するも,2008年10月に右大腿の疼痛と筋の硬化が出現した.2009年3月のCTで両大腿動脈周囲に低濃度領域を認め,疼痛も両下腿へ拡大した.後腹膜再発の大腿動脈周囲への伸展とその随伴症状と診断した.両鼠径部への放射線照射後に同部位の低濃度領域は消失したが,下肢の疼痛と硬化は進行し,硬化範囲が背部へも拡がったため,同年11月にMRIを施行した.脊柱起立筋から下腿に筋変性を認めたため,変性疾患との鑑別のため筋生検を施行した.横紋筋はほとんど間質線維に置換され,その中に異型腺管をまばらに認め,胃癌筋転移と診断された.胃癌骨格筋転移の報告は少ないが,筋変性を伴った報告はなく,本症例は極めてまれな症例と思われる.