著者
石澤 太市 渡邊 智 谷野 伸吾 油田 正樹 宮本 謙一 尾島 俊之 早坂 信哉
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.227-237, 2012 (Released:2013-10-23)
参考文献数
30
被引用文献数
5

背景:入浴は、身体を清潔に保つための重要な行為であり、生活習慣の一つである。入浴に対する意識は、疲れを取る、リフレッシュ、健康のため、睡眠をよく取るため等であり、健康維持と捉えることができる。しかし、これまで家庭での入浴習慣と健康状態との関係はほとんど研究されていない。目的:本研究は家庭における日々の入浴と身体的・心理的健康状態との関係を明らかにすることを目的とした。方法:健康成人男女 198 名を対象として調査を行った。入浴習慣の調査項目は、被験者の性別・年齢、浴槽浴頻度、入浴剤使用頻度、浴槽浴時湯温、浴槽浴時間、浴槽浴時水位について調査した。健康状態の調査項目は、気分プロフィール検査である POMS(Profile of Mood States)を用い、主観的健康感および睡眠の質については VAS(Visual Analogue Scale)を用いて評価した。結果:浴槽浴頻度の高い群において、「緊張不安」および「抑うつ・落込み」が有意に低く、主観的健康感が有意に高かった。また、入浴剤使用頻度の高い群では、主観的健康感および睡眠の質が有意に高かった。全身浴群においては、「疲労感」が有意に低く、主観的健康感および睡眠の質が有意に高かった。結論:入浴習慣と身体・心理状況との関連が、健康成人男女を対象として行った研究により明らかになった。全身浴による浴槽浴頻度および入浴剤使用頻度が高い入浴習慣は、中壮年の身体的・心理的健康状態を高めたと考えられた。
著者
武元 則人 丸山 博文 川村 秀樹 小松 靖弘 油田 正樹 細谷 英吉
出版者
日本炎症・再生医学会
雑誌
炎症 (ISSN:03894290)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.137-140, 1989-03-10 (Released:2010-04-12)
参考文献数
8

The mitogenic activity of TJ-48 in murine lymphoid cells was examined to get a clue for the augmentation of antibody production by TJ-48.Mitogenic activity of TJ-48 was detected in spleen cells, lymphonodus cells but not in thymocytes. The effect was abolished by pretreatment with anti-Ig antibody but not affected by pretreatment with anti-Thy 1.2 antibody. Coculture of spleen cells with TJ-48 resulted in increased number of sIgM-, sIgG- or sIgD-positive cells according to FAGS analysis. The increase in mitosis by TJ-48 was abolished by the elimination of adherent cells and the readdition of adherent cells recovered the effect of TJ-48. These data indicate that TJ-48 is a B cell mitogen and the activity is T cell-independent and adherent cell-dependent. The mitogenic activity of TJ-48 may account for the augmentation of the immune response.
著者
石澤 太市 渡邊 智 谷野 伸吾 油田 正樹 宮本 謙一 尾島 俊之 早坂 信哉
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.227-237, 2012-08-31
参考文献数
30

背景:入浴は、身体を清潔に保つための重要な行為であり、生活習慣の一つである。入浴に対する意識は、疲れを取る、リフレッシュ、健康のため、睡眠をよく取るため等であり、健康維持と捉えることができる。しかし、これまで家庭での入浴習慣と健康状態との関係はほとんど研究されていない。<br>目的:本研究は家庭における日々の入浴と身体的・心理的健康状態との関係を明らかにすることを目的とした。<br>方法:健康成人男女 198 名を対象として調査を行った。入浴習慣の調査項目は、被験者の性別・年齢、浴槽浴頻度、入浴剤使用頻度、浴槽浴時湯温、浴槽浴時間、浴槽浴時水位について調査した。健康状態の調査項目は、気分プロフィール検査である POMS(Profile of Mood States)を用い、主観的健康感および睡眠の質については VAS(Visual Analogue Scale)を用いて評価した。<br>結果:浴槽浴頻度の高い群において、「緊張不安」および「抑うつ・落込み」が有意に低く、主観的健康感が有意に高かった。また、入浴剤使用頻度の高い群では、主観的健康感および睡眠の質が有意に高かった。全身浴群においては、「疲労感」が有意に低く、主観的健康感および睡眠の質が有意に高かった。<br>結論:入浴習慣と身体・心理状況との関連が、健康成人男女を対象として行った研究により明らかになった。全身浴による浴槽浴頻度および入浴剤使用頻度が高い入浴習慣は、中壮年の身体的・心理的健康状態を高めたと考えられた。
著者
赤瀬 智子 嶋田 努 原沢 友紀子 赤瀬 朋秀 池谷 幸信 田代 眞一 油田 正樹
出版者
ライフサイエンス出版
雑誌
薬理と治療 = Basic pharmacology and therapeutics (ISSN:03863603)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.39-48, 2008-01-01

「はじめに」近年先進国において増加しているMetS(内臓脂肪症候群)は動脈硬化性疾患(心筋梗塞や脳梗塞など)の危険性を高めるマルチプルリスクファクター症候群のことである. 動脈硬化性疾患は肥満症, 高血圧症, 高脂血症, 耐糖能異常, 高インスリン血症などの代謝性疾患が重なることによって発症頻度が増加するといわれている1). 日本では, MetSが強く疑われる者と予備群と考えられる者をあわせた割合は男女とも40歳以上でとくに多く, 40~74歳の男性2人に1人, 女性では5人に1人, 約1900万人がMetSおよびその予備軍であると推定され, 深刻な社会問題となっている2). 2005年4月に日本肥満学会, 日本動脈硬化学会, 日本糖尿病学会など8学会により, 日本におけるMetsの診断基準が定義された3). MetSの背景には, 食生活の欧米化により増加した肥満の存在がある. 肥満による内臓脂肪の増加がこの疾患に深く関与していることが明らかになっている4). In recent years the number of patients with metabolic syndrome (MetS) has been increasing in advanced countries, and the condition is now becoming a serious problem in Japan. In Sri Lanka, a perennial liana, Salacia reticulata (Kotala himbutu), has traditionally been used in Ayurveda (Ayurvedic medical care) for the treatment of diabetes (mellitus) and skin diseases. Some reports have recently shown that components of the plant's extracts have an inhibitory action against elevation of blood sugar, antiobesity actions, protective action on the liver, antioxidant actions, etc. In the present study, the effects of a mixture of Kotala himbutu aqueous extract and cyclodextrin (KH) were investigated on the various morbidities of MetS in animal models of MetS, TSOD mice. The animals were given, normal feed (MF) containing the powder of KH at concentrations 1% or 3%, for 8 weeks. Then, the body weight, amount of food intake and the serum insulin levels in the animals were measured. Determination of the serum biochemistry, X-ray computed tomography (CT) to determine the visceral and subcutaneous fat areas, measurement of blood pressure, the pain test and glucose tolerance test were also conducted. Significant inhibitions of weight gain and of visceral and subcutaneous fat accumulation were noted from the early stage of administration of KH. Serum biochemical examination revealed decreases in the blood sugar, T-Cho, LDL-Cho and HDL-Cho levels. The findings confirmed a significant beneficial effect of KH on impaired glucose tolerance, hypertension and peripheral neuropathy.