著者
竹内 皓紀 川﨑 聡大 中川 雅文 川田 拓
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.79-86, 2019-05-28 (Released:2021-03-15)

クロノタイプが課題遂行に及ぼす影響を明らかにするため,大学生224 名を対象に日本語版朝型-夜型質問紙 (日本語版MEQ) を用いてクロノタイプを測定し,さらに夜型傾向者 15 名・朝型傾向者15 名に対して朝・夕の2 つの時間帯においてそれぞれstroop 課題を実施 した.本研究ではクロノタイプ不一致条件下における課題適応段階および疲労蓄積段階での課題遂行を観測するため,朝課題遂行条件下での夜型傾向者の課題初頭における行動的 (課題遂行状況) , 心理的 (主観的ワークロード) ,生理的 (自律神経反応・f-NIRS) 指標を測定した.また課題経過に伴う各指標の変動についても計測を行った.結果,クロノタイプ不一致条件下における行動・心理指標の変動においては有意差が認められなかったが,自律神経活動で一部仮説を支持する結果が得られた.また課題初頭では行動指標ならびに生理指標(f-NIRS) において急速な代償的適応過程を示唆する知見が認められた.
著者
川﨑 聡大 奥村 智人 中西 誠 川田 拓 水田 めくみ 若宮 英司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.161-164, 2020

<p>包括的領域別読み能力検査を用いて読みや語彙,統語といった読解に関与する言語モジュールを包含した読解モデルの構築を試み,多母集団同時解析によるモデルの交差妥当化を行った.その結果,一般化可能な読解モデルとして緩やかな線形構造をもった相互干渉モデルが示された.今後の学習の苦手さに対する介入やICT の活用の方針立案や効果測定において重要な知見を得た.また特徴的な結果として語彙力が「語彙の量」と「意味の活用」の二つの観点でそれぞれ読解力に異なる影響を与えていることが明らかとなり,読解力向上のための語彙指導を考える上で有意義な知見を得た.</p>
著者
佐藤 靖泰 長濱 澄 川田 拓 宇田 悠 長田 のぞみ 阿部 太輔 髙橋 ひかる 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.4, pp.46-51, 2022-11-28 (Released:2022-11-28)

宮城県内の2つの小学校の一部の学年を対象に,教材配信やデータ分析可視化機能を持つLEAFシステムを導入し,教科等を限定せず活用した.教師や児童がシステムの利用に慣れた時点で,教師対象に半構造化インタビューを実施した.結果,児童が持つ疑問や願いに沿って適時的に授業展開を変化できる可能性や,使用するシステムに適した教材を作成することを通して教材研究が深まる可能性などが示唆された.
著者
水野 淳太 後藤 淳 大竹 清敬 川田 拓也 鳥澤 健太郎 クロエツェー ジュリアン 田仲 正弘 橋本 力 奥村 明俊
雑誌
情報処理学会論文誌コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21865728)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.106-120, 2016-05-24

我々は,災害時にTwitterに投稿される膨大な情報を効率良く検索するために対災害SNS情報分析システムDISAANAを開発し,スマートフォンおよびPCで誰もが利用可能なWebアプリケーションとして試験公開している.本稿では,まず先行システムについて説明し,その問題点についてまとめる.次に,それらの問題をDISAANAがどのように解消するかを説明する.特に,不適切な回答候補の抽出を回避するために導入したモダリティ解析について詳述する.評価実験では,東日本大震災時のツイートに対して,人手で構築した192問の質問とその回答からなる評価セットを用いて本システムの評価を行った.評価の結果,先行システムに比べてF値が7ポイント改善した.エラー分析結果に基づいて,今後の改善方針について考察する.さらに,自治体で実施したDISAANAの有用性検証実験の結果についても報告する.
著者
水野 淳太 後藤 淳 大竹 清敬 川田 拓也 鳥澤 健太郎 クロエツェー ジュリアン 田仲 正弘 橋本 力 奥村 明俊
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21888604)
巻号頁・発行日
vol.2015-CDS-14, no.14, pp.1-13, 2015-09-24

我々は,災害時に Twitter に投稿される膨大な情報を効率よく検索するために対災害 SNS 情報分析システム DISAANA を開発し,誰もが利用可能な Web アプリケーションとして試験公開している.本論文では,これまでに行ってきたシステムの改善ならびに不適切な回答候補を抽出する事を回避するために新たに導入したモダリティ解析,ツイート属性判定,予報表現抽出について議論する.その上で,これまで東日本大震災関連の災害情報のみで行われてきた本システムの評価を,台風や大雪といった一般的な災害にまで拡張し評価を行う.その結果,さらなる改善の余地が残されているものの,実用可能な性能に達していることを確認できた.