著者
工藤 郁子
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

本報告では、プロファイリングなどの自動処理に関する規律形成について検討する。個人のある側面を評価する目的で利用されるパーソナル・データの取扱いについて、社会的課題を分析し、提言案を公表した。この実践を通じて、レピュテーション・マネジメントの観点から、プロファイリングの自主的規律形成に積極的に取り組む企業や業界団体があることがわかった。
著者
江間 有沙 長倉 克枝 田中 和哉 藤田 卓仙 工藤 郁子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

「技術が発達することでどういう社会になるか」ではなく「どういう社会を作りたいか」を考えるとき、倫理的、法的、社会的課題(ELSI)は一つの切り口となる。また、AIやロボットが普及する分野・時期、雇用や働き方への影響なども重要な論点である。本報告では、異分野・異業種の人たちからなるワークショップでの議論をもとに、人と人工知能・ロボットを取り巻く社会における論点と課題を整理・紹介する。
著者
工藤 郁子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.3H2OS25b03, 2018-07-30

<p>今般社会問題となった、いわゆる「フェイクニュース」現象においては、インターネットに端を発する虚偽情報がソーシャルメディア等で拡散され、投票結果などに影響を及ぼすほど流通してしまったと指摘されている。現在、虚偽情報を流す主体は人間が中心であると見られるが、もし悪意の人間が疲れを知らない人工知能(AI)を使って「フェイクニュース」を量産・拡散するようになれば、真偽を検証する「ファクトチェック」が今以上に追いつかなくなり、民主主義の基盤が危うくなる懸念がある。 本報告では、「フェイクニュース」の流通過程を分析した上で、AIの利用可能性と課題について民主主義との関係から論じ、報道倫理との関係を考察する。最後に、AIと共存しながら、「個人の自律」や「人間の尊厳」をいかに守るのかについて議論する。</p>
著者
宍戸 常寿 工藤 郁子 クロサカ タツヤ 庄司 昌彦 山本 龍彦
出版者
総務省情報通信政策研究所
雑誌
情報通信政策研究 (ISSN:24336254)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.201-224, 2020-12-01 (Released:2021-01-07)

日本が目指すべき未来社会の形としてSociety5.0が提唱されてから数年が経ち、デジタル経済社会においてはサイバー空間とフィジカル空間の融合は深化している。そこでは、Society5.0の名の下にイメージされていた創造性の発揮や利便性の向上が見られる一方で、従来の個人情報保護政策や競争政策の枠では捉えきれないデジタル経済社会における「新たな課題」も出現してきている。このような「新たな課題」を適切に捉えるためには、現在起きている地殻変動を、単にサイバー空間の領域が拡張し、フィジカル空間を侵食しているものとイメージするのではなく、むしろ、サイバー空間における活動とフィジカル空間における活動が、データの流通を介して相互に深く影響を与え合うという関係性・循環性を適切に認識することが重要である。そのようなサイバー空間とフィジカル空間の活動がデータの流通を介して相互に深く影響を与え合う相互の関係性・循環性を含む総体としての「ネットワーク空間」における状況と課題について、大きく4つの議題(「ネットワーク空間の環境変化とその背景」、「環境変化に伴う社会経済的な課題」、「課題解決に向けて採るべき政策、目指すべき姿」、「新型コロナウイルス感染症拡大に係る問題意識」)に分け、それぞれについて話題を提起しつつ、有識者による議論を行った。
著者
工藤 郁子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3H2OS25b03, 2018 (Released:2018-07-30)

今般社会問題となった、いわゆる「フェイクニュース」現象においては、インターネットに端を発する虚偽情報がソーシャルメディア等で拡散され、投票結果などに影響を及ぼすほど流通してしまったと指摘されている。現在、虚偽情報を流す主体は人間が中心であると見られるが、もし悪意の人間が疲れを知らない人工知能(AI)を使って「フェイクニュース」を量産・拡散するようになれば、真偽を検証する「ファクトチェック」が今以上に追いつかなくなり、民主主義の基盤が危うくなる懸念がある。 本報告では、「フェイクニュース」の流通過程を分析した上で、AIの利用可能性と課題について民主主義との関係から論じ、報道倫理との関係を考察する。最後に、AIと共存しながら、「個人の自律」や「人間の尊厳」をいかに守るのかについて議論する。
著者
江間 有沙 長倉 克枝 工藤 郁子
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

技術の設計段階からその倫理的,法的,社会的な観点について考えていくためには,技術者にとっても倫理や価値の議論が自分事として考えられるような場や環境づくりが重要となる.そのため,技術に関する倫理や価値の「中身」の議論だけではなく,多様な人々を巻き込むという「プロセス」や,コミュニティ形成の方法についても実践と記録を残していくことが,重要である.筆者らは,これまでも「人工知能と社会について考える場作り」として,様々な分野・業種の専門家を対象とした企画を行ってきた.本稿では,IEEEが公開している報告書に関するワークショップを事例として,どのように異分野・異業種の専門家による企画を組織,運営しているかを紹介する.