著者
柳本 卓 市村 政樹
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
CANCER (ISSN:09181989)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.29-36, 2018-08-01 (Released:2018-08-31)
参考文献数
38

The three copepod species Clavella perfida (Lernaeopodidiae), Haemobaphes diceraus (Pennellidae), and Beringobdella rectangulata (Piscicolidae) parasitize the gills of the Alaska pollock, Gadus chalcogrammus (Gadidae). Parasite specimens were sampled from Alaska pollock collected from the Shiranuka and Shibetsu areas of Hokkaido, Japan and the eastern Bering Sea. We investigated whether each of the three parasitic copepod species are panmictic across sampling locations by comparing the nucleotide sequences of the mitochondrial COI gene. The occurrence of B. rectangulata was rare in this study (n=1 from Shibetsu only) and therefore excluded from the analysis. Our analyses revealed no genetic differences among the three sampled populations of C. perfida and H. diceraus. We conclude that these latter two parasitic copepods are widely distributed in the North Pacific and represent panmictic populations.
著者
市村 政樹 柳本 卓 小林 敬典 正岡 哲治 帰山 雅秀
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.834-844, 2011 (Released:2011-10-11)
参考文献数
29
被引用文献数
2 4

根室海峡周辺ではシロザケ Oncorhynchus keta とカラフトマス O. gorbusha の中間的な外部形態を有する「サケマス」と呼ばれる個体が採集される。「サケマス」を DNA 分析により交雑個体であるか検討した。両種の mtDNA と核 DNA の塩基配列から特定種の増幅産物が得られるようにプライマーを設計し,SSP (species specific primers)-PCR 分析により親種を特定した。分析の結果,「サケマス」11 個体中 6 個体が交雑個体であった。交雑個体の複数の外部形態は両種の混合型を示した。
著者
張 成年 今井 正 池田 実 槇 宗市郎 大貫 貴清 武藤 文人 野原 健司 古澤 千春 七里 浩志 渾川 直子 浦垣 直子 川村 顕子 市川 竜也 潮田 健太郎 樋口 正仁 手賀 太郎 児玉 晃治 伊藤 雅浩 市村 政樹 松崎 浩二 平澤 桂 戸倉 渓太 中畑 勝見 児玉 紗希江 箱山 洋 矢田 崇 丹羽 健太郎 長井 敏 柳本 卓 斎藤 和敬 中屋 光裕 丸山 智朗
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.84, no.4, pp.674-681, 2018-07-15 (Released:2018-08-31)
参考文献数
31
被引用文献数
3

スジエビには遺伝的に異なる2タイプ(AとB)が知られているが,簡便に判別できるマーカーがない。18S rDNAの塩基配列に基づき,これら2タイプを判別するマルチプレックスPCRアッセイを考案した。日本における本種の分布範囲を網羅する152地点で採集した422個体を分析したところ,各タイプ特有の断片を併せ持つ個体,すなわちヘテロ型は観察されず,AとBタイプは生殖隔離しているものと考えられた。両タイプとも全国的に分布するがAタイプは河川及び湖沼に分布する一方,Bタイプは河川のみで見られた。