著者
澁谷 光敬 平島 賢一 田野 聡 髙岡 克宜 池脇 圭司 鶯 春夫
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.467-470, 2020 (Released:2020-06-20)
参考文献数
10

〔目的〕Tilt tableを使用した傾斜角度変化が腹筋群に与える影響を明らかにすることとした.〔対象と方法〕対象は健常成人男性5名で,筋活動計測は非利き足側の腹筋群(外腹斜筋,内腹斜筋),下肢筋(中殿筋,大腿直筋,大腿二頭筋)の5筋とした.Tilt tableの傾斜角度を40°から80°まで10°ずつ変化させ,各傾斜角度での受動的立位保持10秒間の筋活動を3秒間測定し,積分値を算出し比較検討した.〔結果〕内腹斜筋では40°に対し60°以上で有意に高値を,また,50°に対し60°で有意に高値を示した.その他の筋では傾斜角度変化における有意差は認められなかった.〔結語〕Tilt tableの傾斜角度を60°以上にすることは内腹斜筋を選択的に活動させる一手段となる可能性が示唆された.
著者
平島 賢一 樋口 由美 柳澤 幸夫 鶯 春夫 澁谷 光敬
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.59-66, 2022-01-15 (Released:2022-01-28)
参考文献数
34

目的 近年,高齢ドライバーの免許証自主返納者は増加しているが,自動車は地方都市における住民の主な移動手段としての役割を担っており,免許証返納後の身体機能や生活に対する影響は大きいと考える。そこで本研究では,徳島県内の高齢ドライバーを対象に,免許証自主返納が活動性低下を招き,運動機能および認知・精神機能の低下を惹起するという仮説を予備的検証することとした。方法 対象者は,免許証の返納日まで日常的に週2回以上の運転を継続していた高齢者17人(平均年齢80.2歳,返納群)と,運転を継続している高齢者23人(76.9歳,運転継続群)とした。調査測定はベースラインと3か月後に実施し,活動性の評価は活動量計による3か月間の実測とLife Space Assessment(LSA)を用いた。運動機能と認知・精神機能の評価は,握力,Timed Up and Go testおよびMini-Mental State Examination(MMSE),Geriatric Depression Scale(GDS)を用いた。返納群には免許証返納に関するアンケート調査も実施した。統計解析は評価時期と2群に対して二元配置分散分析を実施した。結果 活動性の指標としたLSAの合計得点は有意な交互作用(P<0.01)を認め,返納群では3か月後に有意に低下した。一方,活動量計による歩数は有意な変化を示さなかった。運動機能および認知・精神機能のいずれの指標にも有意な交互作用を認めなかったが,MMSEとGDSで群の有意な主効果を認め,返納群が運転継続群に比して不良な成績であった。結論 徳島県在住の高齢ドライバーにおける免許証返納3か月後の変化は,日常生活における行動範囲の狭小化を認めた。運動機能および認知・精神機能の低下は観察されなかった。免許証を返納した高齢者は,自動車に代わる移動手段の速やかな確保が必要であると思われた。
著者
黒田 奈良美 鶯 春夫 平島 賢一 田野 聡 水田 隼 木村 七恵 森下 照大 松浦 康 吉村 昇世
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A3P3089, 2009 (Released:2009-04-25)

【目的】 痛みは主観的な知覚であり,注意や環境,心理状態等の因子に加え,痛みに対する耐性や経験,性格等もその要因として考えられ,痛み刺激に対する認識の個人差に影響していることが予想される.そこで今回,健常成人の痛み閾値を評価し,閾値に対する個人差と,性格因子との関連性ついて検討した.【対象及び方法】 対象は本研究を説明し,同意が得られた健常成人36名(性別:男性18名,女性18名,平均年齢:22.8±4.4歳)である.方法は,閉眼・椅子座位にて,痛覚針(重り1~6gまで)を用い,非利き手の内側上顆~橈骨茎状突起を結んだ線上の中点を刺激部位とし,痛覚針を垂直に2度押し当てた.刺激は1gから漸増的に与え,痛いと感じた時点で申告するよう指示し,痛いと感じた重さから1つ前の重さに戻り,再び同様に施行し,痛みを感じた重さが一致した時に最終的な痛み閾値と決定した.再び痛みを感じた重さが異なった場合には上記過程を繰り返し閾値を決定した.性格検査は新版STAIを用いて不安傾向の検査を行い,状態不安尺度と特性不安尺度の得点を求めた.統計処理にはt検定を用い有意水準は5%以下とした.【結果】 痛み閾値は個人差がみられ,最頻値は6g(9名),中央値は5gとなった.男女別に比較すると,男性では最頻値は6g以上(5名),中央値は5.5gとなった.女性では最頻値は6g(5名),中央値は5gとなった.閾値の決定に至るまでの回数は男女とも半数以上が3回以内で決定しているが,13回要した者も存在した.なお,最初に痛みを感じた重さと最終的に異なる重さが閾値となった者は16名であった.性格との関連性については,新版STAIの結果と痛み閾値の5g以下群(20名),6g以上群(16名)の2群に分け,状態不安,特性不安に有意差があるか検討したが,ともに有意差はみられなかった.また初回と最終で痛み閾値に変化のあった群(16名)と変化のみられなかった群(20名)を分け,同様に検討を行ったが,同じく有意差はみられなかった.【考察】 「感覚」が「知覚」へ変化する過程に性格的因子や現在感じている心理的不安が影響するか否かを検討したが,本実験の結果から関連はみられなかった.しかし本実験から,痛み閾値には個人差が大きいことや閾値を決定する際にも検査開始時と終了時で閾値が変化する者がいることから,痛みの知覚は複雑なものであり,注意や記憶・経験,学習等により判断(思考)の変化が生じていることが考えられた.痛みをVAS(Visual analogue scale)やNRS(Numeric rating scale)を用いて評価する際にも,痛みの増減を点数化するということは難解な作業であり,点数変化を即治療効果の判定に用いることに対しては注意が必要と思われた.今後は対象者を拡げるとともに,他の因子の影響も考慮して検討を加えたい.
著者
平島 賢一 樋口 由美 柳澤 幸夫 鶯 春夫 澁谷 光敬
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.21-030, (Released:2021-11-10)
参考文献数
34

目的 近年,高齢ドライバーの免許証自主返納者は増加しているが,自動車は地方都市における住民の主な移動手段としての役割を担っており,免許証返納後の身体機能や生活に対する影響は大きいと考える。そこで本研究では,徳島県内の高齢ドライバーを対象に,免許証自主返納が活動性低下を招き,運動機能および認知・精神機能の低下を惹起するという仮説を予備的検証することとした。方法 対象者は,免許証の返納日まで日常的に週2回以上の運転を継続していた高齢者17人(平均年齢80.2歳,返納群)と,運転を継続している高齢者23人(76.9歳,運転継続群)とした。調査測定はベースラインと3か月後に実施し,活動性の評価は活動量計による3か月間の実測とLife Space Assessment(LSA)を用いた。運動機能と認知・精神機能の評価は,握力,Timed Up and Go testおよびMini-Mental State Examination(MMSE),Geriatric Depression Scale(GDS)を用いた。返納群には免許証返納に関するアンケート調査も実施した。統計解析は評価時期と2群に対して二元配置分散分析を実施した。結果 活動性の指標としたLSAの合計得点は有意な交互作用(P<0.01)を認め,返納群では3か月後に有意に低下した。一方,活動量計による歩数は有意な変化を示さなかった。運動機能および認知・精神機能のいずれの指標にも有意な交互作用を認めなかったが,MMSEとGDSで群の有意な主効果を認め,返納群が運転継続群に比して不良な成績であった。結論 徳島県在住の高齢ドライバーにおける免許証返納3か月後の変化は,日常生活における行動範囲の狭小化を認めた。運動機能および認知・精神機能の低下は観察されなかった。免許証を返納した高齢者は,自動車に代わる移動手段の速やかな確保が必要であると思われた。
著者
近藤 敏朗 清家 矩彦 鶯 春夫 岡 陽子 唐川 美千代 平島 賢一 別部 隆司 嶋田 悦尚
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0247, 2004 (Released:2004-04-23)

【はじめに】 今回、姿勢性腰痛症の患者を対象として、腰椎前彎の増強因子となる短縮筋に着目し、どのような筋の短縮が腰椎前彎に影響しているのかを検討したので、若干の考察を加え報告する。【対象及び方法】 当院外来患者のうち、1)腰痛症と診断され、股関節・膝関節疾患の既往歴がなく神経症状を訴えていない者、2)大井らによる腰仙角測定法で、30°以上の腰椎前彎の増強がみられる者、3)Kraus-Weberテスト変法大阪市大方式で体幹筋力が40点以上である者12名を対象とした。性別は男性4名、女性8名、年齢は46.6±10.1歳であった。 方法は、指床間距離(以下、FFD)、SLR、トーマステスト、尻上り現象を測定した。それぞれの異常値は、FFDは0cm未満、SLRは90°未満、トーマステストは陽性を異常、伸張時痛がみられる場合を制限、尻上り現象は陽性を異常、踵が臀部につかない場合を制限とした。【結果】 異常が認められた者は、FFD:6名、SLR:5名、トーマステスト:異常0名、制限5名の計5名、尻上り現象:異常5名、制限6名の計11名となった。特に、トーマステストが制限なしの場合でも、尻上り現象ではほとんどの患者に異常が認められた。この結果より、主に短縮が認められた筋は大腿直筋であると考えられた。 また、腰仙角が40°未満の者でFFD、SLR、トーマステストの項目に問題がない場合でも、尻上り現象に異常又は制限がみられる者は4名中全員であったが、腰仙角が40°以上の者では、ほとんどの項目に異常又は制限が認められた。今回の対象者では、トーマステストは正常でも尻上り現象は異常というような者やFFDが異常でもSLRは正常といったような者がみられた。このことより、腰仙角が40°未満の患者ではハムストリングスや腸腰筋等の短縮よりも、大腿直筋や腰背筋群の短縮が腰椎前彎により影響していることが示唆された。【考察】 今回の結果より、ハムストリングスや腸腰筋等の短縮よりも、大腿直筋や腰背筋群の短縮が腰椎前彎により影響していることが示唆された。また、今回の対象者はKraus-Weberテスト変法大阪市大方式により体幹の筋力低下を除外しているため、体幹の筋力低下がなくても腰椎前彎の増強は起こることが考えられた。 ゆえに、腰仙角が40°以上で短縮筋が多くみられるような場合を除き、ハムストリングス・腸腰筋のストレッチングよりも、大腿直筋・腰背筋群のストレッチングを重点的に行う治療体操が適していると考えられる。なお、今回の研究では、実際の治療効果を判定することが出来なかったため、今後の課題としては、実際の治療により腰椎前彎ならびに腰痛症が改善されたかを追及していくことと考えている。
著者
高岡 克宜 鶯 春夫 岡 陽子 唐川 美千代 平島 賢一 別部 隆司 嶋田 悦尚 橋本 安駿 橋本 マユミ 大庭 敏晴
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.F0898-F0898, 2006

【はじめに】<BR> 現在、理学療法分野では腰痛軽減を図る上で様々な物理療法や徒手療法が行われている。当院においては徒手療法を中心に治療を行っているが関節周囲軟部組織の伸張や関節モビライゼーション効果を目的に腰椎間歇牽引器(以下;従来型)を用いて牽引療法も施行している。今回、自重牽引器である浮腰式アクティブ運動療法腰痛治療器プロテック(以下;プロテック)を施行する機会を得たので従来型と比較し、その効果を検討した。<BR>【対象および方法】<BR> 平成17年6月現在の当院職員71名に対し腰痛に関するアンケート調査を行い、腰痛を有しているが整形外科疾患を有していないため治療を行っていない者15名(性別:男性5名、女性10名、平均年齢42.7±13.1歳)を対象とした。なお、対象者に安静時痛や夜間時痛を有する者はなかった。<BR> 方法は対象者を無作為にプロテック群7名、従来型群8名の2群に分け、プロテック群は開始14分間を股・膝関節90°屈曲位、残り1分間を股関節90°屈曲・膝関節完全伸展位で牽引を施行した。違和感が出現した場合は膝関節完全伸展位での牽引を止め、痛みが出現した場合は中止した。従来型群はORTHOTRAC OL-2000(OG技研)を腰椎介達動力牽引の治療肢位で使用し牽引力は体重の1/3、牽引持続時間10秒、休止時間5秒で、15分間施行した。両群とも週2回の頻度で6週間施行した。評価として日本整形外科学会腰痛疾患治療成績判定基準(以下;日整会判定基準)、指床間距離(以下;FFD)、Visual analog scale(以下;VAS)を牽引前、3週間後、6週間後に行い最後にアンケート調査を行った。なお、対象者には本研究に関して十分な説明と同意を得た。<BR>【結果】<BR> 牽引前と6週間後の結果を比較すると、プロテック群の日整会判定基準の平均値は24.0±2.2点から26.5±1.1点、VASは4.8±2.4から2.0±1.5、FFDは2.2±12.0 cmから2.2±11.5cmであった。従来型群の日整会判定基準の平均値は24.0±3.8点から26.8±2.1点、VASは3.6±2.6から1.0±1.3、FFDは3.0±13.9 cm から5.6±14.0cmであった。上記の結果より、両群共に改善が認められたがFFDにおいては従来型群のみに改善を認めた。また、アンケート結果では肯定的回答が両群で4名ずつ得られた。なお、プロテック群では初回牽引後に1名、従来型群では2週間以内に3名、腰痛が出現し牽引を中止した。<BR>【考察】<BR> 両群共に腰痛軽減効果が認められた反面、疼痛が出現し悪化した者も認められた。また、本研究においては症例数が少なかったため統計学的にも両群の差を認めることが出来なかった。今後は牽引肢位や牽引力、骨盤傾斜角度等の検討を行うとともに、症例数を増やし両群の適応を再検討する必要性が示唆された。
著者
樋口 由美 北川 智美 岩田 晃 小栢 進也 今岡 真和 藤堂 恵美子 平島 賢一 石原 みさ子 淵岡 聡
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101447-48101447, 2013

【はじめに、目的】中等度以上の身体活動を継続することは、心血管病、大腸ガン等の発症率低下のみならず、生命予後の延伸にも寄与することが知られている。しかし一方で、デスクワーク、テレビ視聴等の座ってすごす時間(座業時間)が長いと、同程度の身体活動を習慣にしていても、座業時間が短い人々に比べて死亡率の上昇が報告されるようになった。ただし、中壮年以上のコホート研究で報告されており、座業が高齢者に与える影響については不明な部分が多い。 本研究は、中等度以上の身体活動を習慣にしている高齢者の座業時間と、運動機能および生活機能との関連を検討することを目的とした。【方法】大阪府南部に位置するH市で、介護予防事業の拠点施設を定期的に利用する者を対象に研究参加ボランティアを募集した。応募した60歳以上の男女127名に対し、平均的な1週間の身体活動量を質問票にて調査した。質問票は、国際標準化身体活動質問票IPAQ(短縮版)を用いた。調査の結果、中等度(4METs)以上の身体活動を習慣にしている者97名(女性71名、平均年齢73.9歳、61-90歳)を分析対象者とした。同じく質問票より1日当たりの座業時間を調査した。座業時間とは、座って行う作業、テレビ視聴、おしゃべり等の合計時間であり、睡眠時間は含まない。運動機能は、5m通常歩行時間とTimed up & go test(以下TUG)を測定した。5m通常歩行時間は、11m歩行路の中央5mの所要時間を計測した。TUGは原典と同じく通常歩行の速さで計測した。生活機能は、老研式活動能力指標(13点満点、高いほど良好)にて調査した。座業時間と運動機能および生活機能の関連を分析するため、1日の座位時間が6時間以上の群と6時間未満の群に2群化し、年齢を共変量とした共分散分析を用いて男女別に解析した。なお、基準とした6時間は先行研究を参考とした。統計学的有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】対象者には研究の趣旨を説明し書面にて同意を得た。なお、本研究科研究倫理委員会の承認済みである。【結果】分析対象者の1日の座業時間は平均4時間19分であり、男性の平均は4時間52分、女性は4時間7分と女性の方が座業時間の短い傾向を示した。座業時間による2群化は、男性では6時間未満(n = 19)、6時間以上(n = 7)、女性は6時間未満(n = 50)、6時間以上(n = 21)であった。なお、座業時間2群間でBMIに男女ともに有意差を認めなかった(男性:6時間未満22.0、6時間以上21.8 女性:21.5、21.3)。運動機能に対する共分散分析の結果、男性の座業時間6時間未満群は、5m歩行時間の平均値が3.8秒、6時間以上群が4.0秒であった。女性では6時間未満群3.4秒、6時間以上群3.8秒と座業時間の延長に伴い有意に歩行時間が遅延した。TUGでは、男性の6時間未満群が8.1秒、6時間以上群8.8秒、女性も各々7.0秒、7.5秒であったものの、年齢調整後の分析結果では有意差を認めなかった。生活機能に対する共分散分析では、男女ともに座位時間と老研式活動能力指標との間に統計学的関連を認めなかった(男性:6時間未満11.5点、6時間以上12.1点 女性:12.3点、12.0点)。【考察】中等度以上の身体活動を習慣とする高齢者において、1日の座業時間が6時間以上の女性は、年齢調整後も有意に歩行速度が低下していた。従来、中等度以上の身体活動を日常生活に取り入れることは、健康状態や生命予後に良好な影響を与えることが明らかであるが、座って過ごす時間の延長は、高齢期においても身体活動がもたらす好作用を阻害する可能性が示唆された。なお、男性でも同傾向を認めたが有意差に至らなかったことは、対象者数の少なさが要因の一つと考えられる。一方、生活機能が高い本研究対象者では、座業時間の影響は確認されなかった。【理学療法学研究としての意義】地域高齢者に対する予防的アプローチにおいて、中等度以上の身体活動を推奨すると同時に、座って過ごす生活時間(座業時間)にも留意することで介護予防さらに生命予後の改善が期待されること。