5 0 0 0 OA 薬剤性高血糖

著者
山本 剛史 平野 勉
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.426-431, 2015 (Released:2016-01-23)
参考文献数
3
著者
小橋 京子 平野 勉
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.661-668, 2014 (Released:2015-08-04)
参考文献数
28

糖尿病治療の根幹は食事,運動療法であるが, 目標の血糖コントロールが達成されない場合には薬物療法が開始される.欧米ではビグアナイド(以下BG)薬が第1選択薬となっているが,日本では特に治療ガイドラインがないため第1選択薬は実地診療医に一任されている.このような現状の中,われわれは東京都内における医師を対象に,症例に則した糖尿病治療薬の処方動向を専門医,一般医に分けて調査した.2013年1月~6月にかけて,東京都内で勤務する医師に対して以下の1)~3)の項目についてアンケート調査を行った.1)現在の糖尿病診療の状態:診療人数と治療内容の割合,食事・運動療法中の2型糖尿病患者さんに対して薬物投与開始を考えるHbA1c(NGSP値)の目安について.2)患者の状況別治療方法の選択; 4症例に対しての第1,第2,第3選択薬について<症例1>56歳,女性,BMI 23.9kg/m2,HbA1c 7.2%<症例2>56歳男性,BMI 26.0 kg/m2,HbA1c 7.2%<症例3>56歳,男性,BMI 22.9kg/m2,HbA1c 8.5%<症例4>67歳男性,BMI 23.9kg/m2,HbA1c 8.5%.3)DPP-4阻害薬の処方状況について; DPP-4阻害薬処方後にHbA1c悪化症例に対する対処方法について.各質問項目について専門医,一般医に分けて解析した.回答した1086名の(回収率85.5%)医師の内訳は専門医290名,一般医796名であった.アンケート1)専門医でインスリン治療の使用率が高かった.薬物治療を開始するHbA1cの目安は専門医,一般医とも7%であった.アンケート2)BMI<25m2/kg未満の症例で血糖コントロールが比較的良好例に対する第1選択は専門医ではBG薬,一般医ではDPP-4阻害薬であった.少量のスルホニル尿素(以下SU)薬は,一般医,専門医とも第3選択薬であった.症例3,4のHbA1c 8%以上のコントロール不良糖尿病例に関しては専門医,一般医ともDPP-4阻害薬が第1選択薬であった.少量のSU薬に関しては,専門医では血糖コントロール不良例に対しても選択しない傾向が判明した.アンケート3)第1選択は「食事・運動療法を再徹底する」が最も多く,第2選択としては「BG薬を追加する」が多かった.専門医では非肥満例に関してもBG薬の処方が選択される傾向があり,少量のSU薬は血糖コントロール不良例に対しても選択順位が低下することが判明した.DPP-4阻害薬の処方選択順位は様々な症例に対して高まっており,その傾向は専門医より一般医に強く認められた.
著者
平野 勉
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.348-352, 2023-05-30 (Released:2023-05-30)
参考文献数
15

Prader-Willi症候群(PWS)は視床下部に先天異常があり過食から高度肥満をきたし高率に2型糖尿病を発症する.本症例は高度肥満(BMI 43.8 kg/m2)による拡張不全型心不全で入院を繰り返す血糖コントロール不良のPWSであった.今回セマグルチド0.25 mgの週1回皮下注射を開始したところ,早期から著明な体重減少とHbA1c低下を示した.投与前,投与後4か月では体重が108 kgから89 kgへ19 kg減少,HbA1cは8.2 %から5.7 %に2.5 %低下した.心不全の再発も認められなくなった.Glucagon-like peptide(GLP)-1receptor agonist(RA)は体重減少作用を有することからPWSに使用した報告は存在するが,少量のセマグルチドで著効を示した報告はなく,GLP-1RAによる心不全改善効果に関しても示唆を与える.
著者
平野 勉
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.5, pp.1029-1036, 2017-05-10 (Released:2018-05-10)
参考文献数
22

糖尿病治療の目標は,合併症の発症・進展を阻止し,健康な人と変わらない日常生活の質の維持と寿命の確保である.しかし,糖尿病治療薬(血糖低下薬)の中には心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)による死亡を増やしてしまうものもある.その中にあって,glucagon-like peptide(GLP)-1受容体作動薬とsodium glucose cotransporter 2(SGLT2)阻害薬には,CVDイベントや死亡を有意に低下させるものが報告され,大きな話題となっている.高血糖は血管内皮の傷害など,動脈硬化のプロセスを促進させるため,基本的に血糖低下薬は動脈硬化と,それに基づくCVDを抑制する.しかし,重症低血糖,体重の増加を伴うとむしろCVDを増加させてしまう.メトフォルミンや最近の糖尿病治療薬はこれらの懸念が少ない薬物である.高血圧や脂質異常症などに対する包括的なリスク管理がCVD予防には効果的であるが,糖尿病治療薬の特性を考慮して上手に使うこともさらなるCVD予防につながる.
著者
平野 勉
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.485-488, 2017-07-30 (Released:2017-07-30)
参考文献数
6
著者
伊藤 康樹 平野 勉 芳野 原
出版者
一般社団法人 日本臨床化学会
雑誌
臨床化学 (ISSN:03705633)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.240-247, 2005-09-15 (Released:2012-11-27)
参考文献数
9

我々はLow-density lipoprotein (LDL) の中でも動脈硬化惹起性の高いsmall, dense LDLの簡便な測定法を開発した。まず、ポリアニオンと二価陽イオンからなる分離剤を用いて通常サイズのLDLを含む比重d<1.044g/mlのリポ蛋白を凝集させ、small, dense LDLを分離し、次いで、 small, dense LDLコレステロールを測定する。本測定法はフィルター遠心チューブを用いることにより高カイロミクロン検体でも正確にsmall, dense LDLを分離、測定することができる。本測定法では再現性、直線性も良好で、共存物質に影響されない結果が得られた。既報の測定法である超遠心分離法、電気泳動法、NMR法、HPLC法との比較ではすべて良好な相関性を示し、中でも超遠心法と最も高い相関係数を示した (r=0.927)。本測定法は、簡便であり特別な測定機器も必要としないことから、small, dense LDL測定法として広く普及することが期待される。
著者
福井 智康 平野 勉
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.120-126, 2005-04-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
26
著者
森田 亮 森 雄作 李 相翔 平野 勉
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.490-498, 2009-12-28 (Released:2011-05-20)
参考文献数
34

Chronic kidney disease(CKD)の治療に,スタチンの腎保護作用が注目されている.スタチンは主作用の血清コレステロール低下と独立して腎保護的に働く多面的作用を有するが,各スタチン間の差は明らかではない点が多い.本邦で開発された強力なコレステロール低下作用を有するピタバスタチンの多面的作用としての腎保護作用を検討した.スタチンはラットではコレステロール低下を示さないため,コレステロール低下作用を介さない腎保護効果の検討が可能である.CKDモデルとして左腎臓2/3と右全腎臓を摘出して5/6腎臓摘出ラットを作成し,スタチン群(ピタバスタチン3mg/kg/day)と非スタチン群に割り振り12週間観察した.非スタチン群とスタチン群で食事摂取,体重,および血清脂質の差を認めなかったが,スタチン群は血清クレアチニン値(1.1±0.8 vs. 1.9±0.7mg/dl),尿蛋白量(175±45 vs. 273±35mg/ml・Cre),尿アルブミン量(968±95 vs. 1483±214μg/ml・Cre)が低値,クレアチニンクリアランス(23±7 vs. 13±4ml/min/g)が高値であった.残腎の組織学的所見ではスタチン群は糸球体硬化指数(2.5±0.4 vs. 3.2±0.4)と間質線維化度(24.3±3.8 vs. 34.8±5.8)の改善を認めた.Quantitative real-time PCR法による検討では非スタチン群で認められたtransforming growth factor-beta (TGF-β)とconnective tissue growth factor (CTGF)の過剰発現がスタチン群では抑制された(TGF-β:1.52±0.33 vs. 2.32±0.56,CTGF:1.32±0.34 vs. 2.16±0.52).組織学的所見と血清クレアチニン値,クレアチニンクリアランス,尿蛋白量,尿アルブミン量は有意な相関を示し(r=0.684~0.913クレアチニンクリアランスのみ負の相関),TGF-β,CTGF mRNAの間にも相関を認めた(r=0.469~0.690).5/6腎臓摘出ラットにおいてピタバスタチンは血清脂質の変動を伴わない腎保護作用を示し,TGF-βとCTGFの過剰発現是正を介した糸球体硬化と間質線維化の抑制による効果であることを示している.
著者
平野 勉
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.12, pp.2812-2818, 2007 (Released:2012-08-02)
参考文献数
26

多くの慢性腎臓病(CKD)には脂質異常症が続発するが,その成因にはアルブミン尿と腎機能低下の要因が複雑に関連する.CKDにおける脂質代謝異常が腎疾患を悪化させるリスクとなることのみならず冠動脈疾患のリスクであることが指摘されている.強力なLDLコレステロール低下薬であるスタチンは腎機能低下を抑制し,タンパク尿を軽減させることがメタ解析で示されている.強力なトリグリセリド低下とHDLコレステロール増加作用を有するフィブラートはタンパク尿を低下させる可能性があるが,腎機能低下症例では排泄が遅延するため慎重に投与すべきである.様々な脂質代謝改善薬の腎機能に対する影響をみたも小規模の臨床研究はあるが,脂質低下療法がどの程度タンパク尿を改善し,どの程度腎機能の保持に寄与するかについては大規模で長期的な介入試験の集積が必要である.
著者
宮崎 章 渡部 琢也 平野 勉 七里 眞義
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

高脂肪食を負荷したアポE欠損マウスに、強力な血管収縮作用をもつ血管作動性物質であるウロテンシンIIを持続皮下注すると、動脈硬化病変は8倍に増加した。ウロテンシンII投与マウスから得た腹腔マクロファージの酸化LDLによるコレステロールエステル蓄積(泡沫化)は、対照群の7倍に増加していた。同一の前駆体から派生する新規血管作動性物質として同定されたサリューシンα、βをアポE欠損マウスに持続皮下注すると、動脈硬化病変形成はサリューシンαにより54%抑制され、サリューシンβにより2.6倍促進した。腹腔マクロファージの泡沫化は、サリューシンα投与マウス由来の細胞で68%抑制され、サリューシンβ投与マウス由来の細胞で2.6倍に増加した。ウロテンシンIIやサリューシンは動脈硬化治療のあらたな標的分子として注目される。