著者
高田 直子 服部 洋兒 金子 恵一 平野 嘉彦 村松 園江 村松 常司
出版者
愛知教育大学保健管理センター
雑誌
Iris health (ISSN:13472801)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.21-30, 2005

We have conducted an investigation for clean behavior and daily life style among high school students. As research subjects, 621 high school students were randomly selected, and given a questionnaire containing life style patterns, reasons for cleaning body, hygiene-related knowledge and self-esteem. As a result, in factor analysis of clean behavior, five factors, common evasion, clean custom strict enforcement, body surface clean maintenance, oral hygiene consciousness and environmental clean maintenance were extracted. Moreover, in the factor analysis of the reason for keeping the body clean, five factors of stress release body surface clean, prevention of a disease, personal manners and a clean attitude were extracted. The clean behavior currently performed in everyday life is related with a body surface clean maintenance factor, such as underwear is changed every day and taking a bath every day, and the thing about common evasion of a PET bottle turns and a drinker does not do, not grasping the strap of a train, etc. was seldom performed. The reason for keeping the body clean had many which catch the body surface clean maintenance factor for feeling refreshed etc. in the affirmative, in order to remove bodily dirt. Even if there was hygiene-related knowledge, it did not necessarily appear in behavior, and the relation of clean behavior and a self-esteem was not found. It can be said that the subject of how to connect hygiene-related knowledge to desirable behavior was shown from investigation of this high school students.本研究では,高校生の[|常生活における清潔行動,身体を清潔に保つ理由,衛生に関する知識,生活習慣,セルフェスティームを調査した。その結果,清潔行動の因子分析では「共用回避」,「清潔習慣励行」,「体表清潔保持」,「口腔衛生意識」,「環境清潔保持」の5つの囚子を抽出した。また,身体を清潔に保つ理由についての囚子分析では「ストレス解放」,「体表清潔」,「疾病予防」,「対人マナー」,「清潔態度」の5つの囚子を抽出した。日常生活で多く行われている清潔行動は「毎日下着を替える」,「毎日お風呂に入る」などの体表清潔保持に関するものであり,「ペットボトルの回し飲みはしない」,「電車のつり革を握らない」などの共用回避に関するものはあまり行われていなかった。身体を清潔に保つ理由は「体の汚れを落とすため」,「さっぱりするため」などの体表清潔に関するものが多かった。今回の結果からは清潔に関する知識があってもそれが必ずしも清潔行動につながっておらず,清潔行動とセルフェスティームとの関連もみられなかった。今回の高校生の調査結果からは清潔知識をいかに好ましい清潔行動に結びつけるかの課題が示された。
著者
松浦 純 浅井 健二郎 平野 嘉彦 重藤 実 イヴァノヴィチ クリスティーネ 浅井 健二郎 西村 雅樹 藤井 啓司 松浦 純 冨重 純子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

この研究では、4年間で計9回の研究会を開催し、のべ63名から研究成果の報告を受け、討論を行った。トピックは次のようなものであった。・記憶と身体に関する研究・記憶のメディア、メディアと記憶に関する研究・集合的記憶と文化的アイデンティティーに関する研究・記憶と意識、記憶と無意識、記憶と忘却に関する研究・記憶と痛みに関する研究これらのトピックに関して、具体的な分析対象として取り上げられたのは、ヘルダーリン・ニーチェ・リルケ・カフカ・ベンヤミン・フロイト・レッシング・マン・ゲーテ・グリルパルツァーなどの作家・批評家たちである。これまでの研究から、広義の「記憶」にあたるドイツ語の類義語はさまざまあり、ドイツ文学に表現された記憶の系列は多岐にわたっていることが明らかになった。記憶とはもともと過去に由来するものだが、文学テクストにおける記憶は、過去・現在・未来という直線的な時間観念とは異なった時間を内包している。また記憶とは元来は個人の機能であるはずだが、その記憶を保ち続けることにより、記憶が集合的な歴史へと拡大されるシステムを持つことも明らかになった。特に「痛み」の記憶は、個人にとっても社会にとっても忘れがたいものであり、文学テクストにおいても痛みの聖化・神秘化・倒錯など、さまざまな表現形式が存在する。これまでに明らかになった上記のような研究成果をまとめ、さらに今後研究を進めることが必要だと思われる点を検討した。特に「痛み」という文化ファクターの視点からドイツ文学における表現形式を検討することは、この研究では十分にはできなかったので、今後の重要な課題として残ることになった。