著者
渦岡 良介 松浦 純生 小川 真由 丸山 友也 神田 祥五
出版者
徳島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

台風時などによる風倒木が発生した箇所では斜面崩壊が発生する場合がある。本研究では樹木の振動を受ける根系周辺地盤の緩みを力学特性の変化と考え、模型実験および現場実験により、この力学特性の変化のメカニズムと影響因子との関係を明らかにすることを目的とする。実験の結果、細粒分の多い緩い地盤で風荷重による振動によって根系周辺地盤の緩みが生じやすいことがわかった。
著者
月村 辰雄 中川 久定 葛西 康徳 川中子 義勝 中川 純男 佐々木 あや乃 多賀 茂 羽田 正 月村 辰雄 松浦 純
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
1999

本研究は,古典の受容に関してもっとも重要なファクターであると考えられる古典教育について,現代,世界の各地域でどのように意義づけられ,どのように教えられ,かつそれぞれの文明圏にどのような効果を及ぼしているのかを,内外の研究者を招いて共同討義によって明らかにし,その上でさらに考察を深めようとしたものである。本年度は4名の研究者を講演に招いた。その結果,近代の古典学の源流の一つともいえるベルリン大学における古典教育の具体像,近現代を通じて200年以上も古典研究のエリート層育成に力があったフランスのコンクール・ジェネラルというシステム,が明らかとなった。また,ホメロス以来の光輝ある古典の伝統と現代ギリシア語による一般大衆教育との鋭い対立という問題を抱えるギリシアの実情報告は,古典教育の持つマイナス面に対する意識を新たにさせた。(これは今後の検討課題である。)以上のより詳細な内容は,特定領域研究「古典学の再構築」研究成果報告書第7分冊,B03調整班報告書において発表される。
著者
松浦 純
出版者
日本学士院
雑誌
日本學士院紀要 (ISSN:03880036)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.21-53, 2021 (Released:2021-11-20)

Sola Scriptura, one of the “principles” of Protestantism, was first asserted clearly by Martin Luther in his Assertio omnium articulorum M. Lutheri per Bullam Leonis X. nouissimam damnatorum (1520), the reassertion of all the 41 articles collected from his writings since 1517 and condemned by the papal bull Exsurge Domine. The bull demanded that he revoke them within a set term, and menaced with excommunication, arrest and penal transport to Rome, along with his followers and protectors, in case of refusal. It was a plain act of power evoking the fire and faggot of the Bohemian reformer Jan Hus only a century earlier. As Bulla contra errores Lutheri et sequacium, however, it was at the same time an act of theological authority; from the very outset of the controversy Luther's opponents focused likewise on the issue of obedience allegedly due to the papal authority. In this context the Reformer states at the beginning: he is not ready to be compelled by the authority of a “Father however holy” unless he is approved by Scripture. — The principle that the ultimate authority for theological questions is the Holy Scripture alone, was originally asserted against the actual threatening by the papal authority and power. (View PDF for the rest of the abstract.)
著者
岡本 隆 浅野 志穂 松浦 純生 Jan Otto LARS
出版者
The Japan Landslide Society
雑誌
地すべり (ISSN:02852926)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.39-47_1, 1999-09-15 (Released:2011-02-25)
参考文献数
15

スカンジナビア半島やカナダに分布するクイッククレイは鋭敏比が8以上で構造的に非常に不安定である。そのためクイッククレイ堆積域では河川侵食や地盤の凍結・融解, 工事にともなう振動によって地すべりが頻発する。著者らはクイッククレイ堆積域での地すべりの挙動と間隙水圧, 気象要素の関係を把握するため, ノルウェーのクイッククレイ地すべり地に試験地を設定し, 地すべりの自動観測を1997年11月から開始した。観測は, 降水量, 融雪水量, 気温, 地温, 間隙水圧, 地すべり移動量についておこなっている。電源を設置した小屋が計器のフィールドの近くに建てられ, 観測データは小屋の中のデータロガーによって15分間隔で収集されている。本報告では, その観測システムについて報告するとともに, 1年間の観測から得られた若干の結果についても併せて報告する。スカンジナビア半島やカナダに分布するクイッククレイは鋭敏比が8以上で構造的に非常に不安定である。そのためクイッククレイ堆積域では河川侵食や地盤の凍結・融解, 工事にともなう振動によって地すべりが頻発する。著者らはクイッククレイ堆積域での地すべりの挙動と間隙水圧, 気象要素の関係を把握するため, ノルウェーのクイッククレイ地すべり地に試験地を設定し, 地すべりの自動観測を1997年11月から開始した。観測は, 降水量, 融雪水量, 気温, 地温, 間隙水圧, 地すべり移動量についておこなっている。電源を設置した小屋が計器のフィールドの近くに建てられ, 観測データは小屋の中のデータロガーによって15分間隔で収集されている。本報告では, その観測システムについて報告するとともに, 1年間の観測から得られた若干の結果についても併せて報告する。
著者
松浦 純生
出版者
日本森林学会
雑誌
森林科学 (ISSN:09171908)
巻号頁・発行日
vol.88, pp.21-25, 2020-02-01 (Released:2020-03-02)
参考文献数
9
著者
松浦 純樹 北澤 宏文 小林 孝典 市村 哲
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2009-GN-72, no.9, pp.1-6, 2009-05-14

現在,ワープロソフトを使用しての文章作成が主流である.しかし,従来技術による文字入力は入力内容をそのまま日本語変換するだけである.これでは表現の仕方が自分任せであるため,語彙が豊富な人でないと偏った言い回しになってしまう.そのため表現が偏り単調な文章になってしまう.そこで,本研究では日本語入力システム (IME) を利用して変換単語に使用されることの多い修飾語を Web 上の文章から取得,また単語の類語を表示することで表現の偏りの解消や発想支援を行うシステムを作成した.評価実験によりシステムの有用性と課題を知ることができた.
著者
松浦 純平 喜田 加奈子 上野 栄一
出版者
富山大学看護学会編集委員会
雑誌
富山大学看護学会誌 (ISSN:1882191X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.9-18, 2012-03

The purpose of this research to clarify the cause of delirium appearance of disease factors which is supposed by veteran nurses working at the surgery ward of head and neck.A total of five nurses was interviewed.The semi-structured interview that contains seven cross method was performed to examine the cause of delirium appearance of the disease factors. The interviews were translated transcripts using the content analysis of K. Krippendorff.As a result, the following categories were generalized by content analysis; "individual characteristic", "the long rest", "aged", "insomnia", "male" "solitude". Seven cross method showed that the strongest delirium appearance of the disease factors was seven factors as follows, "insomnia", "advanced age", "long operation", "anxiety before the operative". Seven cross method showed that the strongest delirium appearance of the disease factors was seven factors as follows, "insomnia", "individual characteristic", "aged", "long operation", "amount of bleeding during the operation", "the effect of sleeping drug" "anxiety before the operative". Categories included in both the content analysis and seven cross method showed four categories of "aged", "insomnia", "individual characteristic".It was suggested that it is very important to perform the nursing practice of the delirium after operation.本研究の目的は,頭頸部外科病棟に勤務する経験豊富な看護師が考える術後せん妄発症要因は何かを明らかにして,臨床での術後せん妄発症患者に対する看護実践への示唆を得ることである.対象は,A大学医学部附属病院頭頸部外科病棟に勤務する頭頸部外科勤務経験5年以上の看護師5名とした.術後せん妄発症要因について半構成的面接を実施,結果はK.Krippendorffの内容分析手法およびセブン・クロス法にて分析した.内容分析の結果から【性格特性】,【理解力不足】,【長期安静】,【高齢】,【不眠】,【男性】,【独居】の7つのカテゴリーが生成された.セブン・クロス法の結果から,優先順位が高い順に【不眠】,【性格特性】,【高齢】,【長時間手術】,【術中出血量】,【眠剤の影響】,【術前不安】の7つのカテゴリーが生成された.内容分析とセブン・クロス法の両方に含まれていたのは,【高齢】,【不眠】,【個人特性】の3つのカテゴリーであった.この結果から今後の術後せん妄看護についての示唆を得た.
著者
松浦 純 浅井 健二郎 平野 嘉彦 重藤 実 イヴァノヴィチ クリスティーネ 浅井 健二郎 西村 雅樹 藤井 啓司 松浦 純 冨重 純子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

この研究では、4年間で計9回の研究会を開催し、のべ63名から研究成果の報告を受け、討論を行った。トピックは次のようなものであった。・記憶と身体に関する研究・記憶のメディア、メディアと記憶に関する研究・集合的記憶と文化的アイデンティティーに関する研究・記憶と意識、記憶と無意識、記憶と忘却に関する研究・記憶と痛みに関する研究これらのトピックに関して、具体的な分析対象として取り上げられたのは、ヘルダーリン・ニーチェ・リルケ・カフカ・ベンヤミン・フロイト・レッシング・マン・ゲーテ・グリルパルツァーなどの作家・批評家たちである。これまでの研究から、広義の「記憶」にあたるドイツ語の類義語はさまざまあり、ドイツ文学に表現された記憶の系列は多岐にわたっていることが明らかになった。記憶とはもともと過去に由来するものだが、文学テクストにおける記憶は、過去・現在・未来という直線的な時間観念とは異なった時間を内包している。また記憶とは元来は個人の機能であるはずだが、その記憶を保ち続けることにより、記憶が集合的な歴史へと拡大されるシステムを持つことも明らかになった。特に「痛み」の記憶は、個人にとっても社会にとっても忘れがたいものであり、文学テクストにおいても痛みの聖化・神秘化・倒錯など、さまざまな表現形式が存在する。これまでに明らかになった上記のような研究成果をまとめ、さらに今後研究を進めることが必要だと思われる点を検討した。特に「痛み」という文化ファクターの視点からドイツ文学における表現形式を検討することは、この研究では十分にはできなかったので、今後の重要な課題として残ることになった。