著者
張 兵 丸池 信弘 仲間 秀典 山本 美由紀
出版者
信州大学
雑誌
信州大学教育システム研究開発センター紀要 (ISSN:13419714)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.57-75, 2000-03

現代は共生・共存が多くの分野で共通課題であるが,現実は専門指向の分析科学的発想のため,社会現場と学問現場の関心が共有できてないことが多い。この問題意識を解決するため,本稿は従来の公衆衛生の基礎知識を踏まえながら,価値観の転換を教育的にどう計るか10年間の試行錯誤の経過と成果を報告する。共生の願いを生かすには,文化と科学技術を融合する文化規範を取り入れ,WHOの新しい健康の定義の試案を理論仮説とすると,住民参加の時代の保健政策の理念を形成できる。次に,それに見合った新しい経済観を作業仮説とすると,新しい保健経済の理論と事例研究の方法論を提案できることを討論する。この人間中心の現代ニーズを受け入れるには,講師と学生が前向きな対話による問題解決指向の教育形態が必要になり,その基本精神が社会現場での学際・職際・国際的な共同作業を可能にするので,これは二十一世紀的な価値転換の共通課題となるだろう。
著者
シャグダル オユーンチメグ 中川 健治 張 兵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.539-550, 2005-03-01
被引用文献数
3

無線アドホックネットワークは, 将来のモバイル通信の一形態として最も注目されており, IEEE 802.11準拠の無線LANデバイスの利用が一般的と考えられる.無線アドホックネットワークの広い実現のため, QoS(Quality of Service)制御の要求が高まっている.その中でも, フロー間の公平性は非常に重要な要素である.伝統的な有線ネットワークでは, フロー間における公平性の問題は, 主にリンク層によるものだが, 無線アドホックネットワークにおいては, MAC層にも大きく起因する.具体的には, IEEE 802.11MACは無線端末間に公平なチャネル割当を行っているが, フロー間の公平を実現するには, フロー数に応じてチャネル割当を行う方式が必要となる.そこで, 本研究では, 各フローに同等なチャネルアクセスを割り当てることで, MAC層でのフロー間の公平を実現する方式を提案する.提案方式は公平性の改善だけでなく, ネットワーク全体のパフォーマンス, チャネルユーティリティなども改善できる.また, ネットワークシミュレータによる特性評価を行い, 提案方式の有効性を確認した.
著者
張 兵 シラジ M.N. 蓮池 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.311, pp.37-42, 2002-09-12
被引用文献数
1

携帯端末の普及や無線通信技術の発達に伴い、無線環境に対応したTCPに関する研究は注目されている。従来のTCPは無線の高い誤り率によるパケットロスを輻輳によるロスと区別できないため、輻輳状態にないにも係らず不必要にデータの送信速度を抑制するという問題があった。この問題を解決するため、無線リンクロスを明示的に通知するEWLN(Explicit Wireless Loss Notification)が提案されている。しかし、本手法の実現にあたり、基地局を利用して、wireles-to-wiredの片側通信を対象にするのが殆どで、wired-to-wireless通信、特に物理層ならびにデータリンク層にエラー訂正技術や再送技術を適用した場合においてその実装方法が明確ではなかった。そこで、本研究ではリンク層の再送を終えてなおビット誤りにより破棄されたIPパケットに対して、そのパケット情報をTCP層に通知するEWLNの実現方式を提案する。本方式は基地局に余計な負荷を掛けないうえ、無線リンクロスを完全にTCP層に通知することにより、不必要な送信速度の抑制を解消するとともに、無線リンクエラーによるパケットロスを直ちに再送することを実現できる。それにより、無線環境におけるTCPの性能を大幅に向上することができ、基地局のない無線アドホックネットワークにおいても本方式を容易に適用することができる。さらに、提案方式の有効性を検証するため、無線電波環境において、特にSINRを指標として電波環境が変化している場合において、提案方式の性能評価を行った。
著者
門 洋一 張 兵 リム アズマン オスマン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.252, pp.13-16, 2008-10-15
被引用文献数
1

デジタルサイネージは、公共の場に置かれたディスプレイにおいて、その場にいる人に向けて適応的に提示する情報内容を更新することにより、より効果的に情報提供、宣伝広告、顧客誘導等を行おうとするものである。本稿では、デジタルサイネージの一つの実現方法として、携帯電話との連携性を高めることが有効であると考え、広く普及しているカメラ付き携帯電話を活用し、携帯電話でディスプレイ画面にタッチしてディスプレイ画面のブラウジングやディスプレイ画面に提示する情報の携帯電話への取り込みなどを実現する零次元コードシステムを提案する。