著者
水町 龍一 川添 充 西 誠 小松川 浩 五島 譲司 羽田野 袈裟義 椋本 洋 御園 真史 寺田 貢 高安 美智子 高木 悟 落合 洋文 青木 茂 矢島 彰 藤間 真 森 園子 船倉 武夫 上江洲 弘明 松田 修 森本 真理 井上 秀一 山口 誠一 萩尾 由貴子 西山 博正 堀口 智之 渡邊 信 近藤 恵介
出版者
湘南工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

研究に着手後9か月で国際研究集会を行い,当初の研究目標である学士力の基盤となる数学教育を,モデリングを軸にしたリテラシー教育として行うことの可否・可能性を議論した。結論は,解釈の多義性があるので「高水準の数学的リテラシー」とすること,モデリングではなく概念理解の困難を緩和する方向で近年の数学教育は発展してきたこと,しかしいくつかの留意事項を踏まえれば十分な可能性があるということであった。そこで「高水準の数学的リテラシー」とはコンピテンスであると定式化し,教育デザイン作成に際して価値,態度,文脈を意識する必要を明らかにした。微分積分,線形代数,統計等の諸科目で教材作成・科目開発を実践的に行った。
著者
足立 将太 御園 真史
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.111-116, 2018 (Released:2018-04-07)
参考文献数
6

本研究は,大学生を対象に数学の調査問題を行い,一週間後に数学の課題において誤概念のリバウンドが起こるかを調査した.少数ではあるが,一週間で 35 名中 2 名が誤概念のリバウンドを起こした.誤概念のリバウンド発生プロセスを調査するために,誤概念のリバウンドを起こした調査協力者にインタビューを行ったところ,誤概念の修正を図っても,誤概念は正しい情報と統合されない場合があり,統合されないと誤概念のリバウンドがおこる可能性があること,及び,誤概念は修正されたのではなく,正しい解法を単に記憶した場合に誤概念のリバウンドが起こる可能性があることの 2 つの可能性が示唆された.
著者
御園 真史
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45114, (Released:2021-12-10)
参考文献数
19

中学校・高等学校の数学の指導において,数学に関する知識及び技能等をプログラミングにより確実に身に付けさせる教材についての検討が十分でない.そこで,本研究では,数学科において「流れ図」や「アルゴリズム」について,戦後初めて扱うこととなった昭和45年告示の高等学校数学科学習指導要領に注目し,現代の数学科の学習でプログラミングを行うことができる題材を抽出すること,および,当時の環境の中での指導の工夫を検討することを目的とした.この目的を達成させるために,当時の12社の学校教科書で扱われていた教材を分析したところ,プログラミングを行うことができる題材は,中学校,数学I,数学A,数学B などさまざまな単元の中に広がっており,表を用いて変数の値の変化を追うなどの指導上の工夫がみられることが分かった.
著者
岩見 拓磨 御園 真史
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.133-138, 2015 (Released:2018-04-07)
参考文献数
10

本研究では,教職課程を履修している大学生に対して,数学に対する価値観を尋ねる質問紙調査を行った。4 つの因子について下位尺度得点の多重比較を行った結果,意識の高さは,意味理解・練習≒道具的目的>学問としての数学>モデル化/活用の順であることが分かった。このことから,将来数学は必要であるという意識は高いのにも関わらず,それを日常的なレベルで数学的モデル化を行ったり,数学を活用するといった実践行動に移せていないことが分かった。