著者
伊藤 直樹 ヨハン ライフ 徳弘 一路 西口 磯春 高澤 嘉光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.249, pp.1-6, 2002-07-19
参考文献数
14
被引用文献数
6

個人が所有する多数の楽曲データを自動的にジャンル分類することにより,楽曲データを管理可能なシステムはまだ存在しない.そこで,このようなシステムの開発のために,著者らが開発した楽曲からゆらぎ情報とスペクトル情報を抽出できるプログラムと多変量解析を用いてジャンル分類実験を行い,報告した.そして今回,これまでの成果を自動音楽ジャンル分類システムとしてまとめ,インストルメンタル,クラシック,ポップス,演歌の4ジャンル計443曲に対して正準判別分析を用いたジャンル分類実験を行い,73.8%の分類精度を得た.また,ここで求められた正準判別係数を用いて,分類が未知の楽曲20曲のジャンル分類実験を行い,75.0%の分類精度を得た.
著者
竹渕 瑛一 梶並 知記 徳弘 一路 速水 治夫
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.1840-1847, 2016-07-06

本論文では,ベース音を用いることで,Chroma-Vector 法で得られる音階情報を音程情報に変換することで,和音認識のパターンマッチを簡略化するための手法を提案する.本研究では,和音と倍音の調波構造に着目することで,音程情報をビットフラグと見立て,演奏情報と和音とのパターンマッチングを行った.評価実験では,著者の一人が試作システムとエレキギターを用いてコードを繰り返し弾弦することで実施した.評価実験の結果,完全一致では F 値が 19.1%,部分一致では F 値が 30.8% となったが,実験中の目視によってどのコードが弾弦されたのか理解できる結果となった.従って,提案手法と機械学習の組み合わせで認識率を向上させることが可能と考えられる.今後の課題として,演奏者がうまく弾けない状況やエレキギターの調波構造を考慮することである.先行研究のように音響信号から和音を認識するアプローチから,押弦位置を認識するアプローチで課題を解決できると考えられる.
著者
徳弘 一路 橋本 清
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.221-231, 1990-10-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
28

楽曲情報と情動値との関係を求めるために音楽の確率システム表現を考察した. まず, 区分的定常確率過程が連なって非定常過程となっている楽曲の階層的旋律モデルをつくり, 対数尤度比関数の傾きとDPマッチング法を用いてセグメンテーションを行った. 次に, 区分定常過程の旋律に対してARモデルを適用して得られた特徴量と, その楽曲の心理試聴実験により得られた情動値との関係を, 正準相関分析法を用いて求めた. AICを用いた最適モデル次数は, 4分音符単位で7個であり, 音楽合成の研究結果とほぼ一致した. また, 旋律と音程過程に対しスペクトル分析を行い, 情動値との関係を求めた結果,“安らぎ”と2分音符が深い関係にあることなどがわかった.
著者
徳弘 一路 浅野 誠 渡辺 久晃 津村 尚志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.97, no.179, pp.47-54, 1997-07-18
参考文献数
27

「3弦の鳴るギターは良いギターである.」 というギターの評価法はどのような原理に基づいているかを調べた. 1弦と3弦の位置を交換し, スペクトルの変化を調べ, ギター全弦に第3弦を張り, その弾弦音の時間波形, 減衰特性, スペクトルを比較した結果, 3弦の位置におけるスペクトルのエンベロープが滑らかでなく, 5kHz以上の周波数帯域において倍音成分が小さく, 1弦の場所と比較して良い音がでないことがわかった. また, 同じ製作者による鳴るギターと鳴らないギターを比較した結果, 鳴らないギターは音量が非常に小さく, さらに, エンベロープが滑らかでなく, 5kHz以上の周波数帯域において倍音成分が小さいことなどがわかった.
著者
徳弘 一路 高澤 嘉光 山家 清彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.115, pp.25-30, 2008-06-20

種々のギター奏法に対して弦振動がブリッジに与える力を計測できる2次元ピックアップを開発し,2次元ピックアップを6個搭載しだMIDIギターを製作し,ギタリストの弾弦情報を計測できることを以前に報告した.今回,人工指を用いて再現性のある2次元ピックアップを搭載したギター弾弦装置を製作した.そして,計測したギター弦がブリッジを押す力を用いて,裏板を取外して力木の自由な脱着が可能に改造したアコースティックギターのブリッジを直接駆動するギター演奏システムを製作した.さらに,残響時間変更可能な視聴実験室を製作し,ギター演奏システムの出力音を計測し,音響分析した.