著者
赤川 学 出口 剛司 宮本 直美 新島 典子 柄本 三代子
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

本研究は、猫に関する社会学的知見を共同研究のなかで蓄積し、「猫社会学」を創設することを目的とする。近年、猫と人間の関わりは他の動物やペットよりも深化している。本研究は、そうした関係の深化が、現代社会のマクロな社会構造の変容によって生起していると想定し、そのミクロなプロセスを、家族、感情、文化、社会運動などの諸側面に即して記述し、文明史的な社会理論によって解釈する。そのために、(A)猫を飼った経験がある人や保護猫活動当事者へのインタビュー調査、(B)猫好きな人の社会的・心理的特性や活動のアンケート調査、(C)猫ブームに関する言説のテキストマイニング、(D)上記データの理論的解釈を実施する。
著者
鈴木 英男 安岡 広志 圓岡 偉男 神野 建 新島 典子
出版者
東京情報大学
雑誌
東京情報大学研究論集 (ISSN:13432001)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.23-32, 2012-09-30

近年、Facebook、Twitter、mixi、GREE、Mobageの爆発的普及と、スマートフォンと呼ばれる携帯電話の登場により、掲示板、ブログ、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用者数が急増している。高校生の携帯電話所持率も高く(95.1%)、携帯電話による子どもたちの被害も急増している。その内容は、いじめ、詐欺、異性間トラブル(強姦、児童売春)などの深刻な被害である。他方で、利用者は、被害者になるだけでなく、ネットの匿名性により、容易に加害者にもなり得る。いったん加害者になれば、匿名性は失われ、犯罪者となることもある。携帯電話を使用することは、被害者や加害者になり得るリスクを含んでいる。筆者らは過去9年にわたり国内20校以上の高校において携帯電話の情報モラル教育を実施してきた。高校生にとって理解しやすい内容にするため、筆者らの情報モラル講演は、本人追跡性について詳説、さらにデモンストレーションも行っている。本稿は、携帯電話利用にともなって生じる社会問題の複雑さ・深刻さについて分類、解説した上で、これまでの高校教育現場での情報モラル教育の実践をふまえ、効果的な情報モラル教育の一つの考え方を示すことを目的としている。本稿が高校教育現場で日夜問題に直面している関係者各位の手助けになることを期待したい。
著者
鈴木 英男 安岡 広志 圓岡 偉男 神野 建 新島 典子 スズキ ヒデオ ヤスオカ ヒロシ ツブラオカ ヒデオ ジンノ ケン ニイジマ ノリコ Hideo Suzuki Hiroshi Yasuoka Hideo Tsuburaoka Ken Jinno Noriko Niijima
雑誌
東京情報大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.23-32, 2012-09-30

近年、Facebook、Twitter、mixi、GREE、Mobageの爆発的普及と、スマートフォンと呼ばれる携帯電話の登場により、掲示板、ブログ、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用者数が急増している。高校生の携帯電話所持率も高く(95.1%)、携帯電話による子どもたちの被害も急増している。その内容は、いじめ、詐欺、異性間トラブル(強姦、児童売春)などの深刻な被害である。他方で、利用者は、被害者になるだけでなく、ネットの匿名性により、容易に加害者にもなり得る。いったん加害者になれば、匿名性は失われ、犯罪者となることもある。携帯電話を使用することは、被害者や加害者になり得るリスクを含んでいる。筆者らは過去9年にわたり国内20校以上の高校において携帯電話の情報モラル教育を実施してきた。高校生にとって理解しやすい内容にするため、筆者らの情報モラル講演は、本人追跡性について詳説、さらにデモンストレーションも行っている。本稿は、携帯電話利用にともなって生じる社会問題の複雑さ・深刻さについて分類、解説した上で、これまでの高校教育現場での情報モラル教育の実践をふまえ、効果的な情報モラル教育の一つの考え方を示すことを目的としている。本稿が高校教育現場で日夜問題に直面している関係者各位の手助けになることを期待したい。In recent years, the number of users of the BBS, bulletin board system, the blog, and the SNS, social networking service, are increasing rapidly along with the explosive spread of Facebook, Twitter, mixi, GREE and Mobage, and with the appearance of" smart phone," a new type of the cellular phone. The more high school students possess cellular phones, the more serious damage the students suffer: bullying, fraud and even sexual assaults and troubles, such as rape and juvenile prostitution. On the other hand, by the anonymity of network, students can turn into not only victims but assailants easily. Once a student becomes an assailant, however, anonymity is lost and he/she can easily become a criminal. Thus, using cellular phones involves taking risks of becoming a victim and an assailant. We authors have performed the information morals education of cellular phones over the past nine years at over 20 Japanese senior high schools. Our lectures on the information morals education have been especially based on the user traceability for cellular phones, and are readily appealing to the students, including a demonstration of showing an IP address on PC/cellular phone's displays. In this paper, we first classify and explain the complexity and seriousness of the social problems which arise as a consequence of using cellular phones. Then we show principles for effective information morals education, based on authors' experiences of the lectures on information morals education so far. We will be happy if this paper could help to support high school teachers, facing these serious problems every day.