著者
城戸 健一 鈴木 英男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.186, pp.25-30, 2007-08-02

本文では瞬時周波数を波形の瞬時位相の時間微分として,その性質について考察する。瞬時位相を求めるためには,その波形と直交する(位相がπ/2遅れる)波形が必要であるが,それはスペクトルの正の周波数範囲に-jを,負の周波数範囲にjを乗じてフーリエ逆変換することでつくられる。これは波形から解析信号をつくることと同じである。数列で波形が表されているときには,時間による微分の代わりに差分を用いるので,サンプリング周波数を十分に高くすることと,偏りが生じないように両側差分を用いることが必要である。波形が高調波を含むときには,それによって瞬時周波数が負になることもある。本文ではその理由をベクトル図によってわかりやすく説明する。振幅変調波形あるいはFM波形の瞬時周波数について興味深い現象が生じることを述べ、最後に,正弦波の瞬時周波数は時間にかかわらず一定であるのに,ある時点で急に始まる正弦波の瞬時周波数がその時点で2倍になることを計算例によって示す。
著者
鈴木 英男 安岡 広志 圓岡 偉男 神野 建 新島 典子
出版者
東京情報大学
雑誌
東京情報大学研究論集 (ISSN:13432001)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.23-32, 2012-09-30

近年、Facebook、Twitter、mixi、GREE、Mobageの爆発的普及と、スマートフォンと呼ばれる携帯電話の登場により、掲示板、ブログ、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用者数が急増している。高校生の携帯電話所持率も高く(95.1%)、携帯電話による子どもたちの被害も急増している。その内容は、いじめ、詐欺、異性間トラブル(強姦、児童売春)などの深刻な被害である。他方で、利用者は、被害者になるだけでなく、ネットの匿名性により、容易に加害者にもなり得る。いったん加害者になれば、匿名性は失われ、犯罪者となることもある。携帯電話を使用することは、被害者や加害者になり得るリスクを含んでいる。筆者らは過去9年にわたり国内20校以上の高校において携帯電話の情報モラル教育を実施してきた。高校生にとって理解しやすい内容にするため、筆者らの情報モラル講演は、本人追跡性について詳説、さらにデモンストレーションも行っている。本稿は、携帯電話利用にともなって生じる社会問題の複雑さ・深刻さについて分類、解説した上で、これまでの高校教育現場での情報モラル教育の実践をふまえ、効果的な情報モラル教育の一つの考え方を示すことを目的としている。本稿が高校教育現場で日夜問題に直面している関係者各位の手助けになることを期待したい。
著者
小野 隆彦 片山 広之 鈴木 英男
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.91-95, 1988-02-01 (Released:2017-06-02)

本論文では、雑音に埋もれた周期信号の周期とパワースペクトルを検出する新しい方法として、クロススペクトルを用いた同期加算の方法を提案し、理論及び実験的検討を加えた。具体的には、本方法は雑音に埋もれた周期信号から、一定の時間遅れを持って2回信号をサンプリングし、この間のクロススペクトルを計算し、これを多数回同期加算するものである。また、本方法は、従来のトリガパルスを用いたパワースペクトル法と異なり、トリガパルスが不要である点にも一つの特徴を有している。理論的考察から、上述の方法で得たクロススペクトルは、周期信号のパワースペクトルに時間差と周波数の積に比例する位相の回転を与えたものと等しいことを導いた。次に、白色雑音に埋もれた2種の正弦波及び白色雑音に埋もれた短い周期のM系列信号から作成した周期雑音信号を対象として、実験的検証を行った。その結果、本方法は、雑音に埋もれた周期信号の周期及びパワースペクトルの精度よい検出に有効であることが分かった。
著者
鈴木 英男 安岡 広志 圓岡 偉男 神野 建 新島 典子 スズキ ヒデオ ヤスオカ ヒロシ ツブラオカ ヒデオ ジンノ ケン ニイジマ ノリコ Hideo Suzuki Hiroshi Yasuoka Hideo Tsuburaoka Ken Jinno Noriko Niijima
雑誌
東京情報大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.23-32, 2012-09-30

近年、Facebook、Twitter、mixi、GREE、Mobageの爆発的普及と、スマートフォンと呼ばれる携帯電話の登場により、掲示板、ブログ、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用者数が急増している。高校生の携帯電話所持率も高く(95.1%)、携帯電話による子どもたちの被害も急増している。その内容は、いじめ、詐欺、異性間トラブル(強姦、児童売春)などの深刻な被害である。他方で、利用者は、被害者になるだけでなく、ネットの匿名性により、容易に加害者にもなり得る。いったん加害者になれば、匿名性は失われ、犯罪者となることもある。携帯電話を使用することは、被害者や加害者になり得るリスクを含んでいる。筆者らは過去9年にわたり国内20校以上の高校において携帯電話の情報モラル教育を実施してきた。高校生にとって理解しやすい内容にするため、筆者らの情報モラル講演は、本人追跡性について詳説、さらにデモンストレーションも行っている。本稿は、携帯電話利用にともなって生じる社会問題の複雑さ・深刻さについて分類、解説した上で、これまでの高校教育現場での情報モラル教育の実践をふまえ、効果的な情報モラル教育の一つの考え方を示すことを目的としている。本稿が高校教育現場で日夜問題に直面している関係者各位の手助けになることを期待したい。In recent years, the number of users of the BBS, bulletin board system, the blog, and the SNS, social networking service, are increasing rapidly along with the explosive spread of Facebook, Twitter, mixi, GREE and Mobage, and with the appearance of" smart phone," a new type of the cellular phone. The more high school students possess cellular phones, the more serious damage the students suffer: bullying, fraud and even sexual assaults and troubles, such as rape and juvenile prostitution. On the other hand, by the anonymity of network, students can turn into not only victims but assailants easily. Once a student becomes an assailant, however, anonymity is lost and he/she can easily become a criminal. Thus, using cellular phones involves taking risks of becoming a victim and an assailant. We authors have performed the information morals education of cellular phones over the past nine years at over 20 Japanese senior high schools. Our lectures on the information morals education have been especially based on the user traceability for cellular phones, and are readily appealing to the students, including a demonstration of showing an IP address on PC/cellular phone's displays. In this paper, we first classify and explain the complexity and seriousness of the social problems which arise as a consequence of using cellular phones. Then we show principles for effective information morals education, based on authors' experiences of the lectures on information morals education so far. We will be happy if this paper could help to support high school teachers, facing these serious problems every day.