著者
日合 文雄
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.133-159, 2013-04-25 (Released:2016-12-22)
参考文献数
78

13 0 0 0 OA 書評

著者
日合 文雄 種村 秀紀 北詰 正顕 塩田 隆比呂
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.209-221, 2001-04-26 (Released:2008-12-25)
参考文献数
3
著者
梅垣 壽春 大矢 雅則 日合 文雄
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.241-252, 1980-03-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
23

数学という基盤に立って物事を体系付けようとする場合, まず定義を与えることから始められる. 定義は論理的な約束, 或いは規約に基づいた条件の組合せによって設定される. エントロピーという物理学上の概念が三つの条件からなる公理系によって定義付けられたことによって遂には情報理論という全く新しい数学が構築され, 古くからの数学の問題が解決されたり, 新たな数学の概念が発見され, それが数学の進歩を促し, その結果自然科学以外の他の領域にも重大な関わりをもたらしている. エントロピーとは非常に不可思議な数理形式をしている. それが必ずS(P)=Σpklogpk-1とかS(f)=∫flogf-1dXというように表わされる必然性は偶然を支配する神々のなす業なのであろうか. 最近では再び物理, 詳しくは数理物理学ともいわれる境界領域に, 情報理論的に構成された相対エントロピーなどが頻りに立場して来ている. まさに, これは数学と物理学との交流の接点とでもいうべきか. 今後も問題点がこの接点の近傍で探求されることが期待される.
著者
尾畑 伸明 齊藤 公明 浦川 肇 日合 文雄 田崎 秀一 有光 敏彦 青本 和彦 千代延 大造
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本研究では,古典確率解析において'素'過程の役割を担っているブラウン運動とポワソン過程を量子ホワイトノイズ解析の枠組みにおいて統一し,従来の伊藤解析を拡張した。具体的な項目は以下のとおりである。(1)正規積ホワイトノイズ方程式。ホワイトノイズ作用素論の根幹にあるシンボルの理論を深化させた。それによって,拡張された確率微分方程式のの解の存在・一意性・滑らかさを詳細に調べた。(2)ホワイトノイズの高次冪とレヴィラプラシアン。ホワイトノイズの2乗とレヴィラプラシアンの関連を明らかにし,レヴィラプラシアンに付随する確率過程を直積分によって構成した。(3)複素ホワイトノイズ。シーガル・バーグマン同型をホワイトノイズ作用素に対して通用する形に拡張し,核型性に依存しない作用素シンボルの特徴づけ定理を証明した。作用素のユニタリ性の判定条件を証明し,正規積ホワイトノイズ方程式の解がユニタリになるための必要十分条件を導いた。(4)物理への応用。散逸過程を記述する種々の方程式の相互関係を組織的に研究し,数理的諸問題を明らかにした。フォック空間系列に関連して,特異なボゴリューボフ変換が現れるのを確認した。(5)代数的確率論からの視点。「量子分解」によるグラフの隣接作用素の漸近的スペクトル解析を確立させた。新しい例を構成し,極限分布のみたす必要条件を導いた。この制限を乗り越えて,q-変形ガウス分布を議論するための予備的考察を行うとともに,別のタイプの極限定理も証明した。
著者
日合 文雄

平成23年度最終講義
著者
日合 文雄
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.377-394, 1999-10-28 (Released:2008-12-25)
参考文献数
104
著者
日合 文雄 中村 美浩
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

本研究は作用素環上の非可換確率論と非可換力学系を解明することを目的とした。非可換の確率論・積分論は通常Von Neumann環(以下、V.N.環)上で定式化され、確率測度または測度に相当するものとして正規な状態または荷重が用いられる。状態または荷重がトレースとなる場合は従来より盛んに研究されている。通常の古典的確率論はV.N.環が可換な場合として非可換確率論に包含される。以下に本研究で得られた主要な成果を述べる。1.行列論、作用素論において、固有値と特異値(s-number)の概念は重要であり、これらを用いて定義されるmajorizationと呼ばれる順序は作用素のノルム不等式や作用素から各種の空間の研究に有用である。これらのs-numberとmajorizationの理論はトレースをもつ一般のV.N.環上で定式化できる。日合はV.N.環上でmajorizationとstochastic写像の関係を解明した。行列の和と積のs-numberに関して基本的なmajorizationが知られているが、日合・中村はこれらをV.N.環に付随する可測作用素の場合に拡張して証明し、これからいくつかのノルム不等式を導いた。2.古典的確率論において重要な条件付期待値とマルチンゲールの理論は非可換確率論でも大きなテーマである。日合・塚田はV.N.環上の状態または荷重に関する非可換【L^p】空間において条件付期待を考察し、【L^p】ノルムでのマルチンゲール収束を確立した。3.作用素環の間の写像に対しては、完全正値性に基づく順序が最も自然である。これまで線形な完全正値写像が考察されていたが、安藤・ChoiおよびArvesonは非線形な完全正値写像の表現定理を最近与えた。これを発展させて、日合・中村は非線形完全正値写像の表現問題と拡張問題を解明した。
著者
日合 文雄
巻号頁・発行日
(Released:2012-03-02)

平成23年度最終講義