著者
時田 澄男 時田 那珂子
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.A14-A20, 2019 (Released:2020-01-28)
参考文献数
23
被引用文献数
2

元素を特徴付ける原子軌道を電子雲的表示および等値曲面表示によって描き,周期表に配置した.元素の周期性は,列方向(族方向)に節面の数だけが異なる類似の軌道が規則的に並ぶことによって見事に表現できた.微妙に存在する規則性からの「ずれ」からも,元素の特性を見極めることが出来た.
著者
細矢 治夫 時田 澄男 浅本 紀子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

われわれはこれまでの研究で、n次元の水素原子のシュレーディンガー方程式の解の角度部分の縮重度の一般式を導出し、それがパスカルの三角形を若干修正した非対称パスカル三角形によって容易に表現できることも示した。これは、化学者の帰納的直観に基づいて得られた代数的な処方箋であるが、この波動関数に数学的に厳密な裏付けを行うこと、及び得られた波動関数を動的にグラフィック表示するという二つの目的をもっている。以下に、本研究で得られた結果を列記する。i)アニメーション技法の開発簡単な操作で、原子軌道のn次元のイメージを把握しやすくするアニメーション技術を、市販のQTVRというソフトウエアを利用して実現した。ii)3次元の原子軌道表示の見直し3次元のd軌道も、切断する面の方向と位置を変えることによって、s型、p型、d型等いろいろな対称性をもった断面を得ることができた。iii)4次元の原子軌道の多面的な可視化ii)で得られた可視化の手法を4次元の原子軌道に拡張して適用することによって、4次元の原子軌道関数の極座標表示を直交座標系に変換してから、様々な等値曲面表示を行う手法を開発した。iv)原子軌道の縮重度とパスカルの三角形n次元の原子軌道の縮重度が、変形した非対称パスカルの三角形によって容易に表されることは既に見出しているが、微分方程式の解の代数的な構造の解析から、その数理的意味についての考察を若干進めることができた。
著者
時田 澄男
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.A38-A41, 2015 (Released:2015-12-18)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

水素原子の波動方程式を解くと,無数の原子軌道が導出される.これらのうち,z軸方向に伸びる p, d, および,f軌道をガラスブロック内に実3次元で彫刻し,球殻状節面や円錐面節面の描かれ方を調べた.
著者
城石 英伸 鈴木 和久 瀬尾 美智子 時田 澄男 金子 正夫
出版者
Society of Computer Chemistry, Japan
雑誌
Journal of computer chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.37-46, 2002-03-15
参考文献数
14
被引用文献数
2

さまざまな消光剤濃度における減衰曲線を13種類のモデルで解析するため,減衰曲線の消光剤の濃度に対する関数を導出し,GAUSS-NEWTON法により解析するプログラム"Q-ChanG4(QuenCHingANalyzerG4)"を作成した。同時にStern-Volmer plotによる解析も行えるようにし,不均一系における消光機構の解析が容易にできるようにした。また、ポリエチレングリコール中でのRu(bpy)<SUB>3</SUB><SUP>2+</SUP>の発光のMV<SUP>2+</SUP>による消光反応を研究した結果、消光機構はModel 10によく一致し、ポアソン分布型の静的消光と、動的消光の複合型の消光機構であることが明らかとなった。また、この系においては二次消光速度定数が2×10<SUP>8</SUP>M<SUP>-1</SUP>s<SUP>-1</SUP>と水中と同程度に大きく、局部的な分子運動が水中と同程度おこっていることが明らかとなった。
著者
時田 澄男
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.A6-A10, 2015 (Released:2015-03-30)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

水素原子のなかの電子を描くいろいろな手法を比較した.電子の存在確率をガラスブロック内に実3次元で彫刻する方法における確率の雲(電子雲)の物理的意味を,確率密度の分布図を描くことにより説明した.
著者
時田 澄男
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.1129-1140, 1987-11-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
129
被引用文献数
1 1

It is becoming commonplace for organic chemists to have their own microcomputers. In this article, softwares for such users to carry out two or three dimentional input to a computer, graphic display of molecular structures, and molecular orbital calculations are reviewed (129 references).