著者
小曽根 真 平瀬 勝典 飯塚 和久 平松 達夫 木村 晋二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.225, pp.35-40, 2007-09-13
被引用文献数
4

カーチューナLSIでは,受信処理のソフトウェア化が望まれており,カーチューナ処理に適したプロセッサが求められている.本稿では,カーチューナ向けプロセッサとして独自開発したALUアレイベースのリコンフィギュラブルプロセッサのアーキテクチャとコンパイラについて明らかにするとともに,本プロセッサを用いて試作した放送受信機について述べる.本プロセッサは,ALUをアレイ状に配置しており,ALU間の接続に独自の制限を加えている.本プロセッサの処理内容はC言語で記述し,本コンパイラはデータフローグラフを介した独自のコンパイル手法を用いて処理する.本放送受信試作機では,本プロセッサ上に地上波デジタルテレビ「ワンセグ」とFMラジオの復調処理を実装し、実放送波によるそれらのリアルタイム復調とソフトウェアの変更による復調処理の切り替えを実現した.これは,カーチューナ向けプロセッサとしての本プロセッサの有用性を実証するものである.
著者
朱 強 松永 裕介 木村 晋二 渡邉 勝正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術
巻号頁・発行日
vol.99, no.317, pp.31-37, 1999-09-21

組合せ回路の実現では多段論理回路の簡単化技術が非常に重要である。多段論理回路の簡単化ではネットワークの接続関係によるドントケアを抽出し、二段最小化アルゴリズムを用いて簡単化を行う。しかし、多くの場合にドントケアのサイズが大きくなり、膨大な計算コストがかかる。本研究では回路を簡単化するための新しいローカルドントケアの抽出法を提案し、それをISCAS89ベンチマーク回路に適用した。実験により、SISのsimplifyコマンドより優れた結果を確認した。
著者
木村 晋二
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

ハードウェアの高位レベルの等価検証手法の確立を目的とし、類似度を考慮した等価論理に基づく等価検証システムの研究を行った。等価論理は、変数の等価性のみに着目した論理体系で、他の論理との組合せで高い検証機能を持つことが知られている。まず、Verilog記述から等価論理の式を生成するシステムと、C言語記述から等価論理の式を生成するシステム、およびこれらの変換された等価論理式を時間展開するシステムのプロトタイプの構築を行った。生成された時間展開後の等価論理式に対し、公開されている等価論理判定システムであるCVCLやYICESを適用し、本手法の正当性と有効性の確認を行った。また現状の等価論理判定手法が時間展開に対して指数的な計算量を必要とすることが実験的に確認できたため、等価論理式をSATの問題に帰着して解く手法について研究を行い、変数間の等価性の推移的閉方を効率化する手法の検討を行った。類似度については、等価論理式の枠内での導入を行い、絶対値の差に基づく手法、現在の変数値との差に基づく手法の検討を行った。またハードウェア設計における浮動小数点数の固定小数点数への変換時の誤差と類似度の関係についても研究を行い、固定小数点数のビット数の最適化手法を提案した。さらに具体的なハードウェアへの適用として、マルチスレッディングプロセッサの等価性検証、加算のプレフィックスグラフの最適化と等価性検証、プロトタイピングを用いた等価検証の高速化とプロトタイピング検証におけるアサーション検証手法の高速化について研究を行った。
著者
土井 伸洋 堀山 貴史 中西 正樹 木村 晋二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムLSI設計技術(SLDM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.56, pp.41-46, 2004-05-28

Cプログラムからのハードウェア合成においてはビット長最適化をはじめとするさまざまなハードウェア向け最適化が必要である.このためにはプログラム中の変数がとりうる値やデータフローを推測することが必要で,静的解析手法が使われることが多いが,精度などの点で不十分な点がある.本稿ではソフトウエア検証の分野で注目されている抽象解釈(Abstract Interpretation)手法に基づくプログラムの解析と,データパス最適化への応用について述べる.Various optimization techniques such as bit-length optimization are required for hardware generation from C programs. The value range analysis and dataflow analysis are effective for such optimization and static pro gram analysis methods have been used. The static methods, however, have several problems such as the preciseness, the overestimation, etc. In this paper, we describe a program analysis method based on abstract interpretation and its application for datapath optimization.