著者
末澤 恵美
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.34-44, 2016 (Released:2019-12-01)
参考文献数
15

2014年3月16日,ウクライナのクリミア自治共和国で,ロシアの一部となるかウクライナに残るかを問うレファレンダムが実施された。ウクライナ政府はレファレンダムを無効としたが,クリミアは9割以上がロシアへの編入に賛成したとして独立決議を採択,ロシアと同国の一部となる条約を締結した。クリミアでは1991年と1994年にもレファレンダムを行っており,ウクライナからの分離運動を展開していったが,その特徴は,ロシアとの「再合同」を最終的な目標としていたこと,ソ連という特殊な国家の負の遺産が介在していたこと,自決権の行使をめぐる問題が「入れ子」のように重層的な構造であること,そして対外的な要因が影響していたことなどである。本論では,これらの点を明らかにすることによって,2014年のクリミア・レファレンダムがもつ意味を考える。
著者
六鹿 茂夫 廣瀬 陽子 黛 秋津 佐藤 真千子 小窪 千早 梅本 哲也 吉川 元 上垣 彰 大西 富士夫 西山 克典 小久保 康之 吉村 貴之 中島 崇文 末澤 恵美 服部 倫卓 木村 真
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

黒海地域の国際関係を歴史、経済、域内国際関係、域外国際関係の4次元から分析し、国際会議をボアジチ大学(イスタンブール)と静岡県立大学にて開催して学際的総合化に努めた。その結果、1.黒海としての地域性、2.地政学的重要性、3.黒海地域の特殊性と地域特有のイシュー(エネルギー、民主化、凍結された紛争)、4.黒海地域の構造とその変動、5.黒海地域と広域ヨーロッパおよび世界政治との相互連関性が明らかにされた。