著者
真鍋 宏幸 平岩 明 杉村 利明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.1909-1917, 2005-09-01
参考文献数
19
被引用文献数
12

本論文では, 声を出すことなく口パク動作を行うだけで発話内容を認識する無発声音声認識を提案し, その基礎実験の結果について報告する. 無発声音声認識により, 発声行為が周囲の人々に迷惑となるマナー的問題や, 雑音環境下において音声認識の認識率が低下する問題を解決することが可能となり, 携帯電話への応用が期待できる. 無発声音声認識の実現へ向け, 筋電信号を用いる方法について検討を行った. まず, 日本語5母音の無発声発話動作時の筋電信号を測定した. 指輪型電極を用いることで簡便な測定が可能である. 次に測定した筋電信号を, ニューラルネットワークを用いて認識し, 通常発声時における母音の持続時間よりも十分に短いフレーム長を用いた場合でも, 90%以上の精度で認識できることを明らかとし, 筋電信号には母音の特徴が見られることを示した.
著者
森 稔 倉掛 正治 杉村 利明 塩 昭夫 鈴木 章
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J83-D2, no.7, pp.1658-1666, 2000-07-25

映像から切り出されたテロップ文字の認識では,輪郭形状の鋸状劣化及び背景の残存ノイズが問題となる.本論文では,この問題に対処する(1)輪郭形状の劣化にロバストなWLDC特徴と(2)ノイズの影響を抑制する動的修正ユークリッド距離を用いたテロップ文字認識手法を提案する.(1)は,背景及び文字両領域の形状を記述・正規化することにより,輪郭形状の劣化に対するロバスト性を高めた特徴である.(2)は,局所領域ごとに画素の変動量を求め,画素の変動量に応じて距離値を修正することにより,ノイズの影響を動的に抑制する識別関数である.人工的に画質を劣化させた文字を用いた認識実験の結果,各提案手法は劣化文字に対して従来手法より大幅に認識率が向上することを確認した.また,実映像中のテロップ文字を用いた認識実験では,提案手法により識別率73%,第10位累積分類率90%の結果を得た.
著者
杉村 利明 岸田 克己
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1340-1341, 1989-10-16

ELIS-1の知能処理言語TAOは、マルチパラダイムとマルチプログラミングの機能が特徴である。そして、各種のプログラム開発を通して、マルチパラダイムの機能が開発効率の向上に有効であること、マルチプログラミングの機能が実用的なAPを実現するために不可欠であること、が確認されてきた。一方、Common LispによるLispの標準化が進み、多くのAPがCommon Lispで開発されている。そこで、新ELIS(ELIS 8200シリーズ)では、Common Lispをマルチパラダイム化する形でTAOの特徴を継承することとした(ELIS Common Lisp)。TAOとCommon Lispと相矛盾するところは、Common Lispを優先した。マルチプログラミングの機能については、Common Lispで書いたプログラムが、マルチプロセスによるマルチプログラミングの環境でも共有してそのまま使えること(上位互換)を前提に実現することとした。本稿では、このマルチプログラミングの機能と実現法について述べる。
著者
岸田 克己 杉村 利明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1342-1343, 1989-10-16

我々は、ELIS 8200シリーズハードウェア上に、単一Lisp空間での多重プロセスを可能とするCommon Lisp処理系の実装を行っている。ELIS Common Lisp処理系の設計にあって、コンパイルドコードの実行速度と、開発環境としてのインタプリタを重視した。本稿では、インタプリタでの実行速度向上を目的としたソースプログラムの前処理について述べる。
著者
杉村 利明 岸田 克己
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.95-96, 1991-02-25

AI技術は、実用化の時代を迎え適用領域の拡大が望まれている。最近では、監視システムや制御システムなどの実時間処理を伴う分野で、AI技術の応用(リアルタイムAI)に対する重要性が認識されている。従来から、AIシステムの多くが、プログラミングのしやすさからLisp言語を使っている。しかし、Lisp言語は、ガーベジコレクション(GC)のためにプログラムが停止してしまうことが重大な欠点であるとされてきた。特に、実時間処理を伴う処理では、致命的な欠点になる。そこで、この問題点に対処するため、GCによるプログラムの停止を抑止することができるGCフリーコーディングを提案し、このための支援機能を実現した。本機能は、ELIS-82O0のELIS Common Lispに搭載されている。本稿では、並列GCとGCフリーコーディングの違い、GCフリーコーディングの支援機能と実現法について述べる。
著者
真鍋 宏幸 平岩 明 杉村 利明
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J88-D2, no.9, pp.1909-1917, 2005-09-01

本論文では,声を出すことなく口パク動作を行うだけで発話内容を認識する無発声音声認識を提案し,その基礎実験の結果について報告する.無発声音声認識により,発声行為が周囲の人々に迷惑となるマナー的問題や,雑音環境下において音声認識の認識率が低下する問題を解決することが可能となり,携帯電話への応用が期待できる.無発声音声認識の実現へ向け,筋電信号を用いる方法について検討を行った.まず,日本語5母音の無発声発話動作時の筋電信号を測定した.指輪型電極を用いることで簡便な測定が可能である.次に測定した筋電信号を,ニューラルネットワークを用いて認識し,通常発声時における母音の持続時間よりも十分に短いフレーム長を用いた場合でも,90%以上の精度で認識できることを明らかとし,筋電信号には母音の特徴が見られることを示した.