著者
杉田 早苗 小林 宣洸 土肥 真人
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.751-756, 2010-10-25
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

本研究では、ホームレスにとって重要な場所である寝場所の移動を把握し、またその移動と様々な形態をとる排除との関係を考察することを目的とする。川崎市のホームレス支援NPOが所有するデータを個人別データベース化し、寝場所の移動の実態と傾向を把握するとともに、ヒアリング調査と資料調査からホームレスの排除事例と排除された場所の現在の利用状況を検証し、移動と排除の関係を分析した。結論は以下の3点である。1.川崎市のホームレス支援NPOから提供を受けたデータを個人別データベースとして構築し、寝場所の移動の実態を明らかにした。2.寝場所を移動している人は全体の60%程度であり、また河川では一定の場所で野宿を継続する人が、公園や道路、駅では移動を繰り返しながら野宿する人が多いことがわかった。3.排除行為の発生は公園、道路、駅にある寝場所で起こることが多く、河川では少ない。このことが結論2の移動と固定と関係あることが推測される。
著者
中澤 知己 杉田 早苗 土肥 真人
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.962-967, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
13

日本国内では2016年のヘイトスピーチ解消法後も、年間300を超えるヘイトスピーチが行われている。本研究では国内で初めてヘイトスピーチに対して罰則刑を定めた川崎市の条例の成立背景を明らかにすることを目的とする。 分析方法としては、川崎市の革新的な取組の背景を明らかにするために、市議会の議論に注目し、議事録からヘイトスピーチに関する発言、全1313件を抽出し、6つの論点に分類し、分析・考察した。また、条例に対する2万6千を超えるパブリックコメントを整理し、市民の意見を概観し、市議会での議論と比較し考察した。結論として、川崎市には外国人市民の抱える問題に対し、市民、市議会が協働して支援を拡充し、全国で初めての試みを行うなど、都市の中に多文化共生の意識が育っていること、止まらないヘイトスピーチに対して市民の訴えに市議会が応えたことで、全国で初めてのガイドラインや、条例などの対策が講じられたこと。都市の中に多文化共生の共通認識があったからこそ、全国初となる対策や支援を何度も実行できたこと、都市のビジョンを共有することは都市の態度を決め、都市問題に立ち向かう力になるということがわかった。
著者
杉田 早苗 堀 繁
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.145-148, 1996-03-29 (Released:2011-07-19)
参考文献数
4
被引用文献数
1

都市公園設計におけるデザイン目標とデザイン手法の基礎的知見を得るために, 日比谷公園を対象に内部空間の分節状況と分節装置の形態の現状を調査した。その結果, 以下のことがわかった。1) 空間は9タイプ, 27ケ所に整理でき, 休養空間が数も多く面積も大きい。2) 分節装置の素材は植物が中心だが, 石積みや柵も場所によっては使われていた。3) 分節装置の効果は, 独立性, 借景性, 誘引性, 印象緩和性, 景観資源性の5つが確認された。4) 分節装置のデザイン目標とデザイン手法の関係を明らかにし, 13のデザインの型を抽出した。
著者
堀口 沙記子 杉田 早苗 土肥 真人
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.763-768, 2001-10-25 (Released:2017-12-01)
参考文献数
3

The purpose of this article is to grasp people's sitting behavior on streets spaces. Design survey of the spatial apparatus for sitting, observatory survey of the sitting people and interview research for sitting peoples' psychological situation are conducted at the Harajuku area Shibuya-word. Tokyo pref. the conclusions are as follows. 1. Spatial apparatus for sitting on streets spaces are grouped into 18 types using form and function category. 2. Sitting people have preference for choosing the sitting apparatus, which is depending on spatial apparatus type, surroundings atmosphere and purpose of sitting behavior. 3. Peoples who sit on spatial apparatus essentially not for sitting tend to relax and to sit longer than who use spatial apparatus for sitting.
著者
杉田 早苗 土肥 真人 松井 啓之
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.621-626, 1998-03-30
参考文献数
15
被引用文献数
2 4

本研究は,利用者の行動によって生起すると考えられる空間の分節を,公共空間を対象として考察することを目的とする。対象地を日比谷公園噴水広場に設定し,利用者の行動観察を行なった。観察の結果明らかになった事象に関して,従来の行動観察で用いられている定性的な分析を行ない,特に移動者と滞留者それぞれに見られる空間分節の特徴を明らかにした。次に,定性的な分析の結果について,GISを用いた定量的な分析方法による検証と考察を加え,移動者,滞留者それぞれのパーソナルスペースを数値として示し,その特性を明らかにした。また,人間の行動による空間の分節の定量的な分析方法についても,検討を加えた。