著者
安冨 歩 深尾 葉子 脇田 晴子 長崎 暢子 中村 尚司 生田 美智子 千葉 泉 西川 英彦 中山 俊秀 葛城 政明 苅部 直 渡辺 己 星 泉 小寺 敦 上田 貴子 椎野 若菜 與那覇 潤 黒田 明伸
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

人間を含む生命の生きる力を「神秘」として捉え、その発揮を阻害する要因たる「暴力」を合理的に解明する研究戦略を「合理的な神秘主義」として見出した。こうして発揮される神秘的な力こそが秩序形成の原動力であり、それは個々人の魂の脱植民地化を通じて実現される。この側面を無視した秩序論は必然的に暴力を正当化することになる。
著者
岡田 庄生 西川 英彦
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.85-94, 2022-01-07 (Released:2022-01-07)
参考文献数
14

近年,クラウドソーシングを新製品開発に活用する企業は増えているが,十分な数のアイデアが集まらないなどの要因で,失敗に終わることも多い。こうした中,知名度がないにも関わらず,アイデア投稿数を継続的に増加させ,商品化を実現しているのが,百円均一商品に特化したモバイル向けのクラウドソーシング・プラットフォームの「みん100」である。本稿では,みん100の仕組みの変遷や,開発プロセス,ヒット商品の事例を確認しつつ,顧客志向をもとに仕組みを進化させてきたことを理解する。その上で,みん100の実現した,モバイル・クラウドシーシング・プラットフォームが持つ,3つの優れた点,すなわち,(1)モバイルファースト,(2)共通認識,(3)プロセスマネジメントについて述べる。
著者
米満 良平 西川 英彦
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.101-110, 2023-09-29 (Released:2023-09-29)
参考文献数
11

近年,顧客との共創を製品開発に活用する企業が増えている。しかし,製品化やプロジェクト運営の手間などから,一過性の取り組みに終わってしまうケースも多い。こうした中で,共創をブランドの提供価値の中心に掲げ,事業としても成長を続けているのがサッポロビール初のクラフトビールブランド「HOPPIN’ GARAGE」である。本ケースは,事業として共創に取り組んでいるだけでなく,顧客との共創に挑戦しながらも一度は自社コミュニティを終了し,再度新たに立ち上げるなど,試行錯誤の上に共創を続けてきた先進的なケースでもある。本稿では,どのような課題があり,ビジネスモデルを変更させてきたか,そのHOPPIN’ GARAGEの変遷を,1)自社顧客との共創,2)外部コミュニティとの共創,3)外部イノベーターとの共創,4)外部企業との共創,といった共創形態の変化に合わせて確認する。そこには,事業の状況や課題に合わせて,顧客との共創だけにとらわれず柔軟に共創相手を変えてく,HOPPIN’ GARAGEの巧みなマネジメントが見られる。その成長要因として,1)内部マネジメントの重要性,2)共創手法の最適化,3)共創体制の最適化という3点を提示する。
著者
比留川 ありさ 西川 英彦 米満 良平
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.83-91, 2023-06-30 (Released:2023-06-30)
参考文献数
15

ユーザーからアイデアを集め,製品開発に活用するクラウドソーシングが注目されている。しかし,クラウドソーシングを活用する企業の多くが,アイデア募集に苦労している。たとえユーザーからアイデアを集められたとしても,そのアイデアを上手く活用できず失敗する企業や,継続できていない企業も多い。その困難克服の好例が格安スマホのmineoである。mineoはこれまでに約9,100件のアイデアをユーザーから集め,約1,100件ものアイデアを実現している。本稿では,まずmineoのコミュニティサイト「マイネ王」にて,ユーザーからアイデアを集める場として中心的に機能している「アイデアファーム」について紹介する。次に,ユーザーのアイデアをもとにサービスの創造やアップデートが行われていることを確認する。最後に,ユーザーのアイデアを数多く実現し,魅力的なサービスへと進化しているmineoの優れている点,すなわち1.アイデアの量の確保2.アイデアの質の向上3.役職者による全アイデアの検討と実現化の促進について述べる。
著者
大久保 直也 西川 英彦
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.24-39, 2017-03-31 (Released:2020-03-17)
参考文献数
45

本研究の目的は,ユーザー・イノベーションが生まれるイノベーション・コミュニティ,なかでも共創しつつその成果を活用して競争するミニ四駆のコミュニティを対象に,共創・競争志向と,ユーザー・イノベーションとの関係を実証的に明らかにするものである。本研究の発見としては,両志向は,ユーザー・イノベーションの質・量・活用という成果に対して異なる影響を与えていたことである。競争志向は,ユーザー・イノベーション活用の成果(競技成績)に正の影響を与え,一方の共創志向は,ユーザー・イノベーションの質(機能性)に正の影響を与えていたが,ユーザー・イノベーションの量(回数および発生の有無)に影響を与えてはいなかった。競争志向が低い場合にのみ,共創志向はユーザー・イノベーションの量に正の影響を与えていた。さらに,先行研究の整理によって,イノベーション・コミュニティを,非競争・開発型,非競争・活用型,競争・開発型,競争・活用型と4類型化したことも本研究の成果である。
著者
清水 信年 西川 英彦 岸谷 和広 水越 康介 栗木 契
出版者
流通科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

電子書籍産業におけるイノベーション普及やビジネス成否に関して、マーケティングの観点から重要な要素として以下の3点を導出した。第一に、消費者が電子書籍を利用することを促進するために「インターネット・リテラシー」(操作能力や他者との交流能力、リスク理解能力など)を考慮したサービス設計が求められることである。第二に、関係性マーケティングの観点からのビジネス設計の必要性である。第三に、戦略の「計画」ではなく「実践」を重視する「エフェクチュエーション」の観点の重要性である。
著者
石井 淳蔵 嶋口 充輝 栗木 契 西川 英彦 松井 剛 村下 訓 水越 康介 岸谷 和広 清水 信年 宮内 美穂 金 雲鎬 棚橋 豪 小田部 正明 山本 奈央 吉田 満梨
出版者
流通科学大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、マーケティング競争下におけるデザイン戦略の重要性について、近年注目されつつある「ロバストデザイン」を核概念として、理論的・歴史的・実証的な研究が実施された。その主要な研究成果として、デザイン概念についての再構築が行われるとともに、競争優位性をもつデザイン戦略の現実と意義、そしてその背景としてのマーケティング競争のメカニズムが明らかにされた。