- 著者
-
村松 學
- 出版者
- 社団法人 におい・かおり環境協会
- 雑誌
- におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.4, pp.242-250, 2006 (Released:2007-02-20)
- 参考文献数
- 11
室内空気汚染の対策として,「学校環境衛生の基準」が平成16年に全面改訂された.このほか飲料水の衛生,排水,プール,衛生害虫などの項目も,さまざまな社会的な指摘を受けて改訂されたものである.社会的に問題となっているシックハウス症候群については,学校建築も同様であり,児童生徒の健康に影響を及ぼす影響が大きく,教室などに使われている建材や,空気質の低下と換気量の著しい不足が問題とされた. 特に学校での汚染源,悪臭原因物質としては,新築時や増改築で使われている新建材や塗料からの化学物質の発生があり,その他,教材として使用されるフェルトペン,ワックスや洗剤など学校で日常的に使われている用品などがある.ここでは,ホルムアルデヒドなど揮発性有機化合物(VOC)と二酸化窒素(NO2)濃度の基準の追加など基準の解説と教室の換気の重要性とアスベスト(石綿)について述べる.