著者
福田 和子 金城 繁徳 尾和 博 貴家 仁志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, 1995-03-27

これまでいくつかの2次元適応フィルタ(ADF)が報告されてきたが、特に演算量が問題となっている。例えば、2次元LMS法を用いても、サンプル当りの演算量はO(N^2)である。演算量の問題を克服するためには、ADFの並列化が不可欠である。そこで本報告では、2次元DFT周波数サンプリングフィルタ(FSF)バンクを用いた並列ADFを提案する。提案する2次元ADFは、並列構造であるうえに、FFTを用いることで演算量も大幅に低減される特長を持つ。
著者
永井 正洋 上野 淳 貴家 仁志 北澤 武 渡邉 雄貴 加藤 浩 福本 徹
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

児童の表現の論理性を向上させるために,デジタルペンとマインドマップを用いる中でエキスパート参加の協調学習を行わせ意見文を書かせる授業実践を行い,その総合的な有効性を研究の前半で示した.しかし,どの足場掛けがより有効であるのかは不明確であった.そこで,児童に意識調査を実施した後,授業についての因果モデルを構築し共分散構造分析にて検証した.その結果「授業での理解度と満足度」には,「マインドマップの好感度」や「エキスパート参加の協調学習での理解度と好感度」が影響を与えること,また,デジタルペンについては,授業の総括的評価には影響を与えず,通常の文具のように学習の文脈に馴染んでいることが示唆された.
著者
渡邊 修 貴家 仁志
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会大会講演予稿集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.105, 2003

We propose a method for cross-fading of JPEG2000 encoded images. The main feature of the method is that memory usage with the cross-fading operation is lower than that of conventional methods. In this paper, firstly, problems on applying cross-fading operation to JPEG2000 compressed images are discussed. Then the method based on the code-block is proposed. The code-block is known as a coding unit of JPEG2000 coding system and it is defined as a rectangular region in DWT domain. Finally, we provide some simulations and also verify the effectiveness of the proposed method.
著者
宮本 春奈 塩田 さやか 貴家 仁志
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2019-MUS-123, no.28, pp.1-5, 2019-06-15

本論文では,x-vector に基づく話者照合システムにおいて帯域拡張法を用いて生成した広帯域音声によるデータ拡張に着目する.x-vector に基づく話者照合システムにおけるデータ拡張には,様々なノイズを加えるだけでなく,狭帯域音声をアップサンプリングしたデータ,またアップサンプリングしたデータと帯域拡張データとを混ぜ合わせて学習に用いるものがこれまでに報告されており,さらに DNN による帯域拡張を用いたデータ拡張についても報告されている.一方近年,帯域拡張法の一つとして非線形帯域拡張法 (N-BWE) が提案されている.N-BWE はモデル学習を行わず,計算量が非常に軽い手法として提案された.N-BWE は単純な非線形関数とフィルタのみで構成されているにも関わらず,話者照合の等価エラー率 (EER) と二乗平均平方根対数スペクトル歪みそれぞれにおいて高い性能を得られることが報告されている.そこで本論文では,x-vector に基づく話者照合システムを構築する際に,N-BWE を適用した音声を拡張データとして使用して実験を行った.実験結果より,アップサンプリングした音声と N-BWE で帯域拡張した音声を拡張データとして加えて学習を行った結果,アップサンプリングした音声のみを拡張データとして用いたシステムと比較して EER のエラー改善率は 24.5% を達成した.
著者
橘 高志 藤吉 正明 貴家 仁志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.850-859, 2004-03-01
被引用文献数
14

動画像へリアルタイムで透かしを埋め込むことを目的に,埋込みに伴う画質劣化を自動的に制限する画質保証型の電子透かし法を提案している.この提案法は,画像に依存せず常に所望の画質(PSNR)をもつ透かし画像の生成を可能とする.更に,透かし抽出時に原画像を必要としない非参照型電子透かし法の特徴も有する.従来の画質保証型電子透かし法では,透かし系列要素は実数値でありかつ正規分布に限定されるが,提案法ではこれらの制約は解除され,種々の統計分布をもつ透かし系列に適用可能である.また,提案法は,透かし系列を抽出することなく,埋め込んだ透かし系列の消去が可能であり,消去することによって画質を向上できる.シミュレーションでは,一様分布の2値系列を透かし系列として埋め込み,画質が保証されること,透かし系列の消去により画質が向上することを確認している.
著者
松波 紀幸 永井 正洋 貴家 仁志
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.111-123, 2012

児童にデジタルペンとマインドマップを用いて協調学習を行わせ,他者の意見と自身の意見を比較検討させた後,意見文を書かせることを通して,表現の論理性を高める授業を展開した.また,協調学習の後に,遠隔地と結んだエキスパートを授業に参加させることで,さらに児童の表現の論理性が向上すると考えた.実践の結果,児童の意識調査(回答選択)からは,エキスパートが意見文の推敲に最も影響を及ぼしていることが分かるとともに,授業の事後意見文を分析した結果からも,その影響を認めることができた.また,事後意見文の質的分析からは,「具体性」,「妥当性」,「明確さ」に改善が見られ表現の論理性が向上しており,エキスパートによる学習支援の有効性が示唆された.この他,マインドマップを利用した学習支援については,意識調査(自由記述)や意見文,教員評価から児童が表現の論理性を高めており,有効であったことが認められた.
著者
尾知 博 貴家 仁志 山田 洋士 高良 吉立 神林 紀嘉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.810-817, 1993-06-25
被引用文献数
14

最近,フィルタバンクを用いたサブバンド適応フィルタが研究されている.しかし,エリアジングをキャンセルして完全再構成を実現している通常のフィルタバンクを用いると,エリアジングやサブバンド間のクロス項の影響を回避できないという問題がある.この問題を回避するために,離散周波数点でエリアジングの影響を回避し,クロス成分をもたない周波数サンプリングフィルタ(FSF)バンクが提案されている.本論文では,最初にFSFバンクのDFT(discrete Fourier transform)による効率的な実現法を示す.次に提案した実現法によるフィルタバンクを用いた,周波数サンプリング定理に基づく適応フィルタを提案する.提案した適応フィルタは,サブバンド間のクロス成分およびエリアジングの影響を受けていない,離散周波数における周波数サンプル値による未知システムの同定を実現している.更に,周波数領域適応アルゴリズムと提案したアルゴリズムの比較を行い,離散周波数点における情報から未知システムを推定する本手法の有効性を示す.
著者
坂本 憲司 村松 正吾 貴家 仁志 山田 昭彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.108, pp.9-14, 1999-06-11

新たな動画像符号化規格であるMPEG4では,従来のMPEG1,2のマクロブロック(16×16画素)単位の動き補償(MC)に加えて8×8画素単位の動き補償モード,8×8ブロックモードが用意されている.そこで,本報告では,従来型のPEの内部構成を改良することにより,この8×8ブロックモードを含む動き検出器(ME)の新たな線形アレー構成を提案する。本提案は処理要素(PE)と比較器のみを改良し,入力は従来型と全く同じである.PEの内部構成に従来型の構成にマルチプレクサ,アキュムレータを加えることにより,MPEG4で必要とされる8×8ブロックモードでの差分絶対値和(SAD)の選択,アキュムレートを可能にしている.また,8×8ブロックモードのSAD出力タイミングは,16×16ブロックモードと異なるため,8×8ブロックモードのための2種類の比較器を提案する。さらに,提案するPEのVHDLモデルの論理合成結果より,VLSI実現への性能の見積もりを行う.