- 著者
-
千葉 義郎
遠田 譲
海老原 至
福永 博
大平 晃司
山下 文男
会澤 彰
村田 実
倉岡 節夫
篠永 真弓
上原 彰史
- 出版者
- 公益財団法人 日本心臓財団
- 雑誌
- 心臓 (ISSN:05864488)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.7, pp.896-900, 2011 (Released:2012-11-15)
- 参考文献数
- 9
- 被引用文献数
-
2
2
症例は, 20歳代, 男性. 2日前に職場でロッカー移動などの作業を行った. その後, 左上肢に腫脹·疼痛を自覚するようになり, 当院に紹介受診. 血管エコーで左鎖骨下静脈から左腋窩静脈にかけての血栓閉塞を認め, パジェット·シュロッター症候群(Paget-Schroetter syndrome; PSS)と診断した. 抗凝固療法を開始するとともに, ただちに静脈造影を行い, 引き続きカテーテル血栓溶解療法(catheter directed thrombolysis; CDT)およびバルーン拡張術を行った. 2回のCDTで良好な左上肢血流の改善が得られ, 軽快退院となった. PSSに対して早期のCDTが奏功した症例を経験したので報告する.