著者
千葉 義郎 遠田 譲 海老原 至 福永 博 大平 晃司 山下 文男 会澤 彰 村田 実 倉岡 節夫 篠永 真弓 上原 彰史
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.896-900, 2011 (Released:2012-11-15)
参考文献数
9
被引用文献数
2 2

症例は, 20歳代, 男性. 2日前に職場でロッカー移動などの作業を行った. その後, 左上肢に腫脹·疼痛を自覚するようになり, 当院に紹介受診. 血管エコーで左鎖骨下静脈から左腋窩静脈にかけての血栓閉塞を認め, パジェット·シュロッター症候群(Paget-Schroetter syndrome; PSS)と診断した. 抗凝固療法を開始するとともに, ただちに静脈造影を行い, 引き続きカテーテル血栓溶解療法(catheter directed thrombolysis; CDT)およびバルーン拡張術を行った. 2回のCDTで良好な左上肢血流の改善が得られ, 軽快退院となった. PSSに対して早期のCDTが奏功した症例を経験したので報告する.
著者
坂本 祐一 柳井 武志 高橋 賢一郎 中野 正基 福永 博俊 小笠原 宏 掛橋 英典
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.43, pp.14, 2010

無電極放電ランプは,長寿命,高効率,比較的高い演色性,などの特徴を有しており次世代の光源として期待されている.無電極ランプの発光状態は,プラズマの状態に依存するため,プラズマ状態を把握することは,効率改善を検討する上で有効であると考えられる.本稿では,プラズマへの伝達電力に着目し,パナソニック電工社製の球状無電極放電ランプ(150 Wタイプ)内のパワーカプラに関する設計指針を検討した.プラズマ電力,Cu管およびAl土台で消費される電力に対するフェライトコアの位置依存性を検討したところ,フェライトコアの位置を市販のランプのコアの位置よりも上昇させることで,プラズマ電力が増加することがわかった.この原因は,フェライトコアを上昇させることにより,コア下端とアルミ土台の上端の距離が離れ,アルミ土台を流れるうず電流が減少するためであることがわかった.次に,パワーカプラ(コア+Cu管+Al土台)全体の位置を変化させて解析を行ったところ,パワーカプラの上昇に伴ってプラズマ電力が増加することが確認された.同様の実験を実機にて行い,光量を測定したところ,プラズマ電力と同様,パワーカプラの上昇に伴って光量が増加し,光束とプラズマ電力の増加の傾向は比較的良い一致を示した. 以上の結果より,パワーカプラの構造はプラズマ電力に影響を与え,プラズマ電力が増加すると光量が増加する傾向にあることがわかった.
著者
福永 博文 林 邦雄
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.1-15, 1976-12-15 (Released:2017-07-28)

本研究は、精神遅滞を伴う多動児に対してオペラント条件づけ法を適用し多動行動の減少と多動行動に伴う行動特徴の変容過程の分析を目的として試みられた。行動分析は、PEDO METERによる運動量の測定と観察される行動特徴の2つの側面からなされ、それはベースライン期間、条件づけ期間、フォローアップ期間を通して行なわれた。行動特徴は、4カテゴリー、20サブカテゴリー、77項目が観察された。治療は、第1ベースライン期、第1条件づけ期、第2ベースライン期、第2条件づけ期、フォーローアップ期からなっている。条件づけは、多動行動減少のために椅子に着席し4つの課題が与えられ、その課題への集中による静止時間の増大をはかる、という方法がとられた。着席による静止時間は、10秒から18分まで段階的目標をおき、その目標とする静止時間が2回連続して成功した時次の目標とする静止時間に移行された。強化因子は、目標とする静止時間が1回成功するごとに与えられ18分静止まで続けられた。第1ベースライン期間も含め第1条件づけ期間で18分の着席行動がとれるまでに54セッション、試行回数309回を要し、第2ベースライン期間を含め第2条件づけ期間では36セッション、試行回数85回を要した。そしてフォローアップ期間30セッション(約6週間)を含め120セッション、約7ヵ月を要した。条件づけの経過、PEDO METER測定、行動観察の結果から、およそ次のことが明らかとなった。1.本事例の場合には、多動行動に対しては遊戯療法よりオペラント条件づけ法が有効であった。2.対象児の示す多動行動は、多動という運動の量的側面のみならず行動異常の質的側面も含んでいる。しかし、質的側面は多動行動に関連したものが多く、多動行動の減少とともに大部分減少した。3.多動行動へのオペラント条件づけ法の適用は、運動量と行動異常の減少という症状の改善のみならず、治療者との関係、言語、コミュニケーション、遊具への関心、描画、環境認知、記憶の再生など全人格にかかわる好転的な変容の糸口をもたらした。4.本事例の場合、課題遂行を媒介として着席行動を段階的に条件づけていくことが有効であった、と考えられる。5.多動行動の治療は、対象児の行動変容の観察、測定と同時に、同一条件下での対象群児童との比較において進めることも、その治療をより厳密にするために必要ことと考えられる。
著者
福永 博俊
出版者
長崎大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

非晶質からの結晶化と超多周期人工積層構造創製技術を融合利用して,薄片(10~30μm厚程度)のL10Fe-Ni規則化合金の作製を試みた。その結果,薄片の表面2μm程度の部分に,高保磁力層を作製することができた。軟磁性層も含めた薄片全体の平均保磁力は15kA/m程度となった。作製した試料に対するX線回折では,L10規則相からの回折線と指数付けできるピークが観測された。今後,高保磁力層の厚さを増加させて行く必要がある。
著者
大城 昌平 藤本 栄子 小島 千枝子 中路 純子 池田 泰子 水池 千尋 飯嶋 重雄 福永 博文
出版者
聖隷クリストファー大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、ハイリスク児の出生早期からの発達と育児支援の方法を開発し、フォローアップシステムを構築することを目的とした。その結果、出生早期からの親子の関係性を視点とした"family centered care"によるディベロップメンタルケアの取り組みが、児の行動発達、両親の心理的安定、育児の自信につながることが示された。また、そのような取り組みには、関係専門職者に対する、ディベロップメンタルケアの理論的実践的な教育の機会を提供し、低出生体重児・早産児のケアの質を改善することが急務の課題であると考えられた。