著者
東海彰吾 安田 孝美 横井 茂樹 鳥脇 純一郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.801-809, 1994-05-15
被引用文献数
7

本論文はコンピュータ・グラフィクス(CG)における爬虫類皮革の表現手法について述べたものである。CGの分野では自然物の表現方法に対する関心が深まっており、さまざまな対象について研究が行われている。しかし、生物、特に爬虫類などの動物に関する研究は、これまでにほとんど行われていない。ヘビやトカゲ、あるいはワニなどの爬虫類の皮革はハンドバックなどの製品として利用される比較的身近な対象であり、その表現手法は皮革製晶のデザインや各種の映像制作などへの利用が考えられる、本論文では爬虫類皮革の最も顕著な特徴であるウロコの並びによる模様に注目し、特にワニの皮革の表現方法を中心に、ボロノイ分割などの幾何学的な手法を用いた爬虫類皮革の表現方法について述ぺる。具体的には、(1)シードの配置と移動とを工夫した2段階のボロノイ分割を用いてウロコの模様を多角形で表現し、(2)この多角形にベジェ曲線で設定した断面形状を用いて立体的な皮革データを生成し、(3)生成した皮革データを曲面にマッピングして表示を行うものである。本手法による皮革データを製品形状にマッビングして表示することにより、製品デザインヘの応用の可能性を確認した。
著者
東海 彰吾 安田 孝美 横井 茂樹 鳥脇 純一郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1305-1314, 1995-10-20
被引用文献数
5

近年の世界的な情報ネットワークの発達に伴い, 宇宙現象に関する最新の情報が提供されるようになったが, これらは様々な形式や内容のデータであり, これらを統合し, 理解しやすい形に加工・提供することが望まれている.我々は, 実際に目にすることが困難な宇宙現象に対し, インターネット上で時々刻々と更新されるデータを用い, CGアニメーションによる現象の可視化と, インタラクティブな操作による視点移動や, 時間経過制御による現象の様々な角度から観察可能なシステムを開発した.本システムにより, 世界中に散在する各種データに準拠したCG映像を生成可能であり, さらに, マウス等を用いた対話操作による視点変更などによる現象の多角的理解が期待される.また, 適用例として, 1994年7月の彗星の木星への衝突現象を取上げ, この彗星の挙動を可視化するCG映像を制作し, 本システムの有効性を検証した.
著者
丹羽 宏介 間瀬 健二 東海 彰吾 川本 哲也 藤井 俊彰 梶田 将司 平野 靖
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.3C41, 2010

<p>ものづくり技術の過程の訓練映像や、スポーツ映像において、多視点映像技術は有力視されているが、視聴者は 自由な視点から興味深い映像を探す事が困難である。本稿では、多視点視聴が可能なツール(Peg-Scope Viewer)上での利用者の視聴ログから、重要映像を抽出する手法を提案し、抽出した重要映像を繋いでビデオを作成した。それを、他の方法で抽出したビデオと比較し、評価する方法を検討する。</p>
著者
廣木智栄 東海彰吾 長谷博行
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.39-40, 2013-03-06

釘付け視聴方式による視点切り替え映像提示法は,シーン内にある対象物の中から特定の対象に着目させる注目点誘導の方法として期待されている.本研究は,その提示に立体視表示を組み合わせることで,3次元的な見え方も考慮した注視点制御の方法を提案する.具体的には,半円周状に配置した十数台のカメラで撮影された映像を用い,隣り合うカメラ対の映像の平行化を利用して視差を算出し,切り替え時に選択された単一視点の釘付け処理画像に対する,2眼立体視用の画像対を合成して提示する方法である.実状況の撮影映像例に対して適用し,その効果を検証した.
著者
嶋田恭兵 東海彰吾 長谷博行
雑誌
画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2011)論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.1715-1716, 2011-07-20

近年,様々な機能を有した携帯端末,スマートフォンが使用されるようになってきた.本システムでは複数のAndroid携帯端末を用いて時間と空間を共有した場の撮影を行うことで,様々な視点の映像を手軽に収集することが可能となる.構成は,1台のマスター端末からの開始・停止といった信号を複数のスレーブ端末に送信することにより同時刻での撮影を行い,命令やデータ保存はサーバで処理する.また,各端末の時計をNTPにより撮影前に合わせており,撮影映像利用の際にはフレーム同期の手間を軽減することできる.端末内には磁気・加速度センサが搭載されており,各端末の姿勢情報を得ることができる.将来的にこれら多視点の映像情報とセンサ情報を利用した映像統合処理を目指している.
著者
松山 隆司 東海 彰吾 杉本 晃宏 和田 俊和 波部 斉 川嶋 宏彰
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2001

3次元ビデオ映像の能動的実時間撮影・圧縮・編集・表示法の開発を目指して、平成13年度〜15年度の3年間の研究により以下の成果を得た。(1)Myrinet高速ネットワークでPC30台を結合し、IEEE1394首振りカメラ25台を持つ能動的実時間3次元ビデオ映像撮影用PCクラスタシステムを開発した。(2)首振りカメラを準視点固定型パン・チルト・ズームカメラとしてモデル化し、高精度にキャリブレーションを行う手法を開発した。(3)3平面視体積交差法およびPCクラスタを用いた並列パイプライン処理システムを開発し、毎秒10フレームを超える処理速度で人体動作の3次元ディジタル化を実現した。(4)より高精度な3次元形状復元、高精細テクスチャマッピングの実現を目指した、人体部位の分散協調的ズームアップ撮影のための多視点カメラワークの最適化法を考案した。(5)視体積交差法で得られた3次元形状の復元精度向上のため、弾性メッシュモデルの動的変形による高精度3次元形状復元アルゴリズムを開発した。(6)対象の観察視点・視線情報を利用した高品質テクスチャマッピングアルゴリズムを考案した。(7)複数のランバーシアン参照球を用いた光環境センシシグ法(複数光源の推定法)を考案した。(8)スケルトン・キューブ(枠のみからなる立方体)を用いたセルフシャドウに基づく光環境センシング法を考案した。(9)3次元ビデオと全方位パノラマ映像を素材として使った3次元ビデオ映像のインタラクティブ編集システムを開発した。(10)正多面体展開図を用いた全方位パノラマビデオ映像の符号化法を開発しMPEG会議へ標準化提案を行った。(11)3次元ビデオ映像の圧縮法を考案しMPEG会議へ標準化提案を行った。