著者
久保田 雅史 山村 修 神澤 朋子 五十嵐 千秋 松尾 英明 成瀬 廣亮 嶋田 誠一郎 加藤 龍 横井 浩史 内田 研造 馬場 久敏
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.13-20, 2014-02-20 (Released:2017-06-28)

【目的】本研究の目的は,急性期脳梗塞患者に対する歩行中の機能的電気刺激(functional electrical Stimulation:FES)が運動学的・運動力学的歩行パラメータおよび内側感覚運動皮質(medial sensorimotor cortices:mSMC)のヘモグロビン濃度に及ぼす即時的影響を検証することである。【方法】対象は発症後14日以内の脳梗塞患者8名とし,FESは遊脚期に前脛骨筋を,立脚後期に腓腹筋を刺激した。歩行パターンの変化は三次元動作解析システムを用い,mSMCのヘモグロビン濃度変化は近赤外線分光法を用いて計測した。【結果】FES実施前と比較してFES実施中に,歩行速度や,麻痺側立脚期の股関節屈曲モーメント,膝関節伸展モーメントおよび足関節底屈モーメントが有意に上昇し,FES終了後にも持続した。また,FES実施中の非損傷側mSMCの酸素化ヘモグロビン濃度は,FES非実施時と比較して加速期・定速期とも有意に低下していた。【結論】FESは麻痺側立脚期の支持性向上や麻痺側立脚後期のroll-off機能向上といった歩行パターンを変化させ,さらに非損傷側mSMCの過剰な脳活動を抑制している可能性が示された。
著者
久保田 雅史 小久保 安朗 佐々木 伸一 嶋田 誠一郎 北出 一平 松村 真裕美 亀井 健太 北野 真弓 野々山 忠芳 鯉江 祐介 松尾 英明 成瀬 廣亮 小林 茂 馬場 久敏
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.873-878, 2009 (Released:2010-01-28)
参考文献数
37

〔目的〕本研究の目的は,術後早期から股関節内外転筋力強化運動を重点的に行うことで,退院時の歩容に影響があるかを明らかにすることとした。〔方法〕対象は2005年1月から2007年12月までの期間で骨盤骨折を受傷し,当院にて骨接合術を施行した12例とした。術後2週目より骨折側の筋力強化を開始した6例を標準リハ群,術後2-3日後より筋力強化を開始した6例を早期リハ群とした。全荷重可能となった退院時に三次元動作解析装置を用いて歩行解析を行い,群間における歩行速度,歩幅,ケイデンス,股関節外転モーメントを比較した。〔結果〕歩行速度,歩幅,ケイデンスは群間に有意差は見られなかったが,早期リハ群の立脚期股関節外転モーメントは標準リハ群と比較して有意に高値を示していた。〔結語〕本研究の結果より,術後早期からの股関節内外転筋力強化運動によって退院時の歩行能力が改善される可能性が示された。
著者
今川 和幸 呂 山 猪木 誠二 松尾 英明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.8, pp.1787-1795, 1998-08-25
被引用文献数
22

手話動画像から両手を追跡するシステムにおいて, 手袋やマーカーを用いずに手を追跡する手法について述べる.素手の追跡の場合, 顔や首といった肌色領域の前では, 手が隠れて見えるという問題がある.そこで, 手話の場合, 手に比べ顔や首の動きが少ないことに着目し, 手話動画像から肌色領域(手・顔領域)を抜き出した画像と, その時間差分画像から求められる領域(ブロブ)をもとに, カルマンフィルタを用いて両手の位置を追跡する.更に, 肌色領域を抜き出す際に, 顔の前の手の動きが差分画像として安定的に得られることを目的とした色領域抽出手法を提案する.聴覚障害者の実際の手話動作による動画像に対して本手法を適用し, 肌色領域の前で動作する手の追跡に対して有効性を示し, その限界を明らかにする.