- 著者
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中川 裕
高田 明
松平 勇二
- 出版者
- 東京外国語大学
- 雑誌
- 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
- 巻号頁・発行日
- 2018-10-09
2021年度の主要実績は次のように要約できる:(1)過去に記録されたブッシュマン音楽のアーカイブ編纂を継続・拡大し、その派生的な成果を進展させた;(2)グイ語の言語的韻律とグイの歌の音楽的律動の比較分析を行った;(3)グイの歌の類型・リズム・楽器の側面を取り上げた小論を刊行した;(4)グイの治療ダンス音楽のリズム分析を行い、その結果の一部を学会発表した。(1)に関しては、昨年度に引き続き、1990年代までに収録した音楽を対象に資料目録の整備を実施した。また、中川が、歌を含む原文のテキスト表記の監修を担当した田中二郎(2020)『ブッシュマンの民話』(京都大学学術出版会)英訳刊行プロジェクトが最終段階に入った(現在は校正プロセス)。(2)の成果を一部反映した(3)については、研究代表者(中川)と研究分担者(松平)とが、それぞれ言語リズムと音楽リズムを分担して、これまでの考察結果を持ち寄りアンソロジー『地球の音楽』(東京外国語大学出版会)に「カラハリ狩猟採集民グイ人の歌」を執筆し、刊行した。(4)については、松平が日本アフリカ学会第58回学術大会で「グイ・ヒーリングダンスのリズム」を報告した。それら以外にも、本研究課題に関連する実績として、高田が日本発達心理学会第33回大会で「音楽性の学際的探究からの提言: 「音楽的な子どもたち」に導かれる発達観へ」を発表し、また、中川が日本音声学会第35回大会特別講演として「多数のクリック子音をもつ言語は音韻体系をどう組織化するか:“コイサン”諸語の子音・母音・音素配列」を発表した。