著者
猪股 誠司 松本 英夫
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.83-89, 2010 (Released:2017-02-16)
参考文献数
51

自閉症を対象とした脳の形態学的画像研究と機能的画像研究について概説した。脳の形態・容量に関しては,小脳や大脳の形態学的な異常に加えて,大脳容積の増加と発達早期における脳の過形成(hyperplasia),また脳内ネットワークの異常について紹介した。脳機能に関する所見については,“心の理論(theory of mind)”,“表情認知タスク”,“感情処理タスク”を基にした研究結果を紹介しながら,彼らの認知の障害と脳内の機能障害の領域などとの関係について述べた。脳の機能的ネットワ ークの減少は自閉症者の共通な特徴であることが証明されつつあり,さらなる機能の解明が期待されている点について述べた。
著者
高橋 有記 大西 雄一 松本 英夫
出版者
公益財団法人 パブリックヘルスリサーチセンター
雑誌
ストレス科学研究 (ISSN:13419986)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.5-9, 2015 (Released:2016-01-15)
参考文献数
10
被引用文献数
1

Developmental Disorder includes, Pervasive Developmental Disorders, Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder and Learning Disorders listed in DSM-IV-TR. Moreover, Intellectual Disabilities are thought to be included in this criteria. Although Developmental Disorder was classified into a big category of “Disorders Usually First Diagnosed in Infancy, Childhood, or Adolescence” in DSM-IV-TR, it is classified into a big category of “Neurodevelopmental Disorders” due to DSM-5 in May, 2013. In this article, we explain the outline of the “Neurodevelopmental Disorders”, and the clinical characteristics of Autism Spectrum Disorder, Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder, and other disorders due to DSM-5.
著者
高橋 道宏 多喜田 保志 市川 宏伸 榎本 哲郎 岡田 俊 齊藤 万比古 澤田 将幸 丹羽 真一 根來 秀樹 松本 英夫 田中 康雄
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.23-34, 2011-01-15

抄録 海外で広く使用され,30項目の質問から構成されるConners成人期ADHD評価尺度screening version(CAARS®-SV)の日本語版を作成し,成人期ADHD患者18名および健康被験者21名を対象に信頼性・妥当性を検討した。各要約スコアの級内相関係数の点推定値はいずれも0.90以上であり,また因子分析の結果,ADHDの主症状である不注意と多動性-衝動性を表す因子構造が特定された。内部一貫性,健康成人との判別能力ともに良好であり,他のADHD評価尺度CGI-ADHD-SおよびADHD RS-Ⅳ-Jとの高い相関が認められた。以上により,CAARS-SV日本語版の信頼性および妥当性が確認された。
著者
松本 真理子 森田 美弥子 栗本 英和 青木 紀久代 松本 英夫 灰田 宗孝 坪井 裕子 鈴木 伸子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

子どものロールシャッハ法に関する多角的視点からの研究を包括することによって、現代に生きる日本人一般児童のパーソナリティの特徴が解明され、また日本における被虐待児の心理的特徴も明らかにされた。さらに脳画像と眼球運動という生理学的視点からも子どものロールシャッハ反応の意味するものについてアプローチした結果、国内外において初の知見が得られ、さらに発達障害児との比較などについて、現在、研究を継続中である(平成21年度~25年度科学研究費基盤研究(B)(課題番号21330159)にて継続)。これまでに得た知見は国内外の学会および論文として既に発表している。平成21年度中には図書として成果の一部を刊行する予定である(2009年9月刊行予定)。
著者
三上 克央 大屋 彰利 松本 英夫
出版者
科学評論社
雑誌
精神科 (ISSN:13474790)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.92-97, 2005-07
被引用文献数
2