著者
小林 憲一郎 矢澤 慈人
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.62, no.9, pp.705-708, 2009-09-20 (Released:2016-09-03)
参考文献数
15
被引用文献数
1

豚回虫卵,豚鞭虫卵,腸結節虫卵の検出状況を全国の養豚場で調査した.材料には2005年9月~2007年3月に全国150カ所の養豚場で採取した豚の糞便4,221検体をもちいた.虫卵検査はショ糖液浮遊法によって実施した.虫卵検出率は,豚回虫卵2.0%,豚鞭虫卵2.1%および腸結節虫卵2.5%であった.検出率を肥育豚,母豚,種雄豚で比較したところ,豚回虫卵は母豚と種雄豚が,豚鞭虫卵は肥育豚と種雄豚が,腸結節虫卵は母豚が有意に高かった(P <0.05).39.3%の農場ではこれら3種の虫卵のうち1種以上の虫卵が検出された.また,15.3%の農場では2種以上の虫卵が検出された.今回の調査から,国内の養豚場ではこれら3種の寄生が依然としてみられ,各農場での寄生状況を把握して適切な対策を実施することが重要であると考えられた.
著者
福井 正博 林 憲一
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.210-217, 2013-01-01 (Released:2013-01-01)
参考文献数
23

GPU(Graphics Processing Unit)はコア数を増加させることで集積度を増し,電力密度を増やすことなく年率1.7倍の集積度増を続けており, 今後しばらくその勢いを緩めることはない.数百~数千個のコアを1チップに集積し,大規模な並列処理が可能となっている.GPUメーカーもソフト開発環境を提供するなど,普及に力を入れていることもあり,GPUの計算能力を一般科学技術計算に適用する試みが注目を浴びるようになってきた.大規模な問題を扱うLSI設計や検証に対しても,その可能性が広がっている.本稿ではGPUを用いたLSI設計の高速化の動向について,以下の二つの観点でまとめる.まず,画像専用プロセッサGPUがいかに生まれ,それが,どのような経緯で一般科学計算に用いられるようになったかという点を解説する.次に,複雑なLSI設計の各種問題に,GPUの計算能力がどのように適用され,どれだけのパフォーマンスの改善が期待できるか,あるいは,今後のアルゴリズム開発がどのように変わっていくかという点について述べる.
著者
松山 惇 渡辺 学 林 憲一朗 江澤 真 清澤 功 長澤 太郎
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.24-29, 1993-03-30 (Released:2011-05-20)
参考文献数
20

80℃, 30分間殺菌した豆乳にLactobacillus bulgaricus, Streptococcus thermophilusおよびBifidobacterium longumを混合接種して調製した発酵豆乳および発酵植物油添加豆乳ならびに市販プレーンヨーグルトを10日間冷温保蔵 (5℃) し, 48時間ごとにpH, 酸度, 乳酸菌およびビフィズス菌の生菌数およびホエー量を測定した。発酵豆乳および発酵植物油添加豆乳では, 日数の経過とともにpHは低下し, 酸度が上昇した。乳酸菌数は, いずれも減少傾向を示したが, 10日間保蔵で生菌数107以上を確保することができた。また, B.longumは, 10日間保蔵で108の菌数を保持した。ホエー量は, 保蔵日数の経過とともに, いずれもわずかに増加したが, ヨーグルトより少なかった。次に, 殺菌温度 (80℃, 90℃, 100℃, 30分間および121℃, 15分間) の異なる豆乳を用いて, 発酵豆乳および発酵植物油添加豆乳を調製して冷温保蔵した。その結果, 90℃, 30分間加熱の発酵豆乳は, 0日目のpHが最も高く, 酸度が最も低かったが, 冷温保蔵時にはその変化が, 最も大きかった。生菌数は, いずれの殺菌温度で冷温保蔵によって減少傾向を示したが, 10日間冷温保蔵で107以上を保持した。ホエー量は, いずれの発酵豆乳も殺菌温度が低いほど多かったが, ヨーグルトより低値であった。なお, 植物油添加の有無による差異はとくに認められなかった。
著者
荒井 祐介 若林 憲一 吉川 雅英 奥 寛雅 石川 正俊
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.1028-1035, 2013 (Released:2014-01-15)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

Recently, flagella and cilia have gathered attension since their important role in mammal cells and relation to genetic diseases of human were revealed. Chlamydomonas is one of the model organism of flagella and phototaxis research. The purpose of our research is to track a freely swimming individual Chlamydomonas cell to observe its flagella and whole body movement with dark field microscopy to investigate the phototactic reaction of Chlamydomonas. In this paper, a method for three-dimensional tracking of Chlamydomonas using high-speed visual feedback in dark field microscopy is proposed. The method was implemented to an existing microscope tracking system. It demonstrated successful three-dimensional tracking of a swimimng Chlamydomonas for several tens of seconds. The precisions of the 3D position measurement were estimated as ±1[μm] (XY) and ±10[μm] (Z).
著者
福井 正博 林 憲一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.210-217, 2013

GPU(Graphics Processing Unit)はコア数を増加させることで集積度を増し,電力密度を増やすことなく年率1.7倍の集積度増を続けており, 今後しばらくその勢いを緩めることはない.数百~数千個のコアを1チップに集積し,大規模な並列処理が可能となっている.GPUメーカーもソフト開発環境を提供するなど,普及に力を入れていることもあり,GPUの計算能力を一般科学技術計算に適用する試みが注目を浴びるようになってきた.大規模な問題を扱うLSI設計や検証に対しても,その可能性が広がっている.本稿ではGPUを用いたLSI設計の高速化の動向について,以下の二つの観点でまとめる.まず,画像専用プロセッサGPUがいかに生まれ,それが,どのような経緯で一般科学計算に用いられるようになったかという点を解説する.次に,複雑なLSI設計の各種問題に,GPUの計算能力がどのように適用され,どれだけのパフォーマンスの改善が期待できるか,あるいは,今後のアルゴリズム開発がどのように変わっていくかという点について述べる.