著者
吉岡 京子 笠 真由美 神保 宏子 鎌倉 由起 齋藤 夕子 野村 理恵 大熊 陽子 大屋 成子 平林 義弘 黒田 眞理子
出版者
日本ヘルスサポート学会
雑誌
日本ヘルスサポート学会年報 (ISSN:21882924)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-10, 2016 (Released:2016-09-05)
参考文献数
23
被引用文献数
1

本研究の目的は、特定妊婦のうち精神疾患を有する者の特徴とその関連要因を解明することである。平成25年に特定妊婦として登録された55人のうち、精神疾患なし群は31人(59.6%)、精神疾患あり群は21人(40.4%)であった。二群比較の結果、精神疾患あり群の方が精神疾患なし群に比して、母子世帯である者、近隣の相談相手がいない者および妊婦健診の受診状況が不定期な者が有意に多かった。また、抑うつ状態や不眠、不安といった症状を精神疾患あり群の方が精神疾患なし群に比して有意に多く有していた。保健師が予測した支援でも、産後の病状悪化や医療機関への受診支援、母親の睡眠確保の必要性が精神疾患あり群の方が精神疾患なし群に比して有意に多く、治療継続支援を行った者の割合も有意に高かった。本結果から、精神疾患を有する特定妊婦に対して、妊婦健診の受診状況の確認や困り事について相談にのることと、妊娠期から精神科や産科と緊密に連携しながら支援していくことの必要性が示唆された。
著者
岡林 義弘 清水 武 安藤 芳之 西田 正方 北村 純 太田 正隆 佐々木 俊哉
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.927-932, 1990

最近の高令化に伴い, 大腸癌の増加が謂われており, われわれは農村地域における大腸癌の実態を知るため調査を行なった。<BR>昭和48年より15年間の大腸癌症例は, 338例で性差はなく, 60才代がもっとも多く, 次いで70才代と60才以上の患者が62%を占めた。<BR>部位に関しては, 直腸が140例41%ともっとも多く次いでS状結腸であった。切除率は94.3%, 治癒切除は68.3%に可能で, 治療切除例の累積5年生存率は77%, 10年生存65.9%であった。<BR>大腸早期癌は24例と小数で, ほとんどが進行癌であり, 糞便潜血スクリーニング検査による大腸癌集検もようやく普及の段階になり, 今後は検診数を増して早期発見, 治療に努めねばならない。このほかpm癌, 腸閉塞をきたした癌などについても検討を加えた。
著者
多田 順一郎 加藤 和明 立崎 英夫 林 義弘
出版者
一般社団法人 日本医学物理学会
雑誌
放射線医学物理 (ISSN:09188010)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.127-131, 1993 (Released:2012-09-24)
参考文献数
5

Proton Medical Research Center of Tsukuba University employs a scattering method to obtain approoriate prooriate (almost flat dose distribution of 16cm in diameter on the treatment table) irradiation field for the proton beam therapy. A simple estimation shows that only 10% of protons impinging into the scatterer can reach the irradiation field. Collimators as well as other devices placed along course of the beam port interrupt the rest of protons. As is well known, energetic protons generate neutrons when they interact with matters. Some portions of these strongly penetrating neutrons cause an unexpected whole body irradiation of patients during the proton therapy. In this report, the neutron dose per unit proton target dose is estimated about 0.006 Sv/Gy for a typical treatment planning (the specific fluence and average energy of protons at the surface of the patient are about 1.1 x 109cm-2/Gy and 135 MeV respectively), and a strategy for reducing them is proposed.