著者
桂 瑠以 松井 洋
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.013-016, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
13

本研究では,大学生を対象に2時点のパネル調査を行い,LINE 依存のメカニズム及びLINE 依存が精神的健康に及ぼす影響について検討を行った.その結果,1)LINE の使用量,LINE での自己演出が多いほどLINE 依存傾向が高まる一方,LINE での所属感が獲得されるほど依存傾向が低下すること,2)LINE 依存傾向が高いほど精神的健康が低下すること等が示された.
著者
桂 瑠以
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.32-40, 2018-01-08 (Released:2018-01-08)
参考文献数
30

本研究では,大学生 500 名を対象に,2時点のパネル調査を行い,LINE の使用が LINE での社会関係資本及びレジリエンスに及ぼす影響を検討することを目的とした.その結果,第 1 に,LINE の使用量が LINE での互酬性を高め,LINE の使用量,所属感が LINE での信頼感を高める効果が認められたことから,LINE の使用が LINE での社会関係資本を高める可能性があるといえる.第 2 に,LINE での互酬性がレジリエンスを高める効果が認められたことから,LINE での社会関係資本の一部はレジリエンスを高める可能性があるといえる.これらのことから,LINE の使用が LINE での社会関係資本を醸成し,LINE での社会関係資本が高いほど,使用者のレジリエンスが高まることが示唆された.
著者
坂元 章 桂 瑠以 木村 文香 田島 祥 松尾 由美
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

シャイネスの高さと初対面での行動の関係を調査した結果、顕在的にシャイな人は初対面でのスキルが不足していたり、あがったり落ち着かなくなったりするなどの反応がみられ、それにより質問をしたり会話を広げたりするような能動的な行動がみられないというプロセスがあることが示された。これを踏まえ、初対面場面での円滑なコミュニケーションを促進するスキルとしてSNS上での事前情報収集に着目し、その効果を実験によって検討した。分析の結果、対面前に相手の作成したブログを閲覧し、対面時の会話をシミュレーションしてみることで、初対面場面における緊張や過敏さ、自信のなさといったシャイネスの側面が改善されることが示された。
著者
桂 瑠以 杉山 明子
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.397-408, 2020-03-20 (Released:2020-03-30)
参考文献数
30
被引用文献数
1

本研究では,10代から70代までを対象に2時点のパネル調査を行い,インターネット(以下,ネット)の利用がオフラインの対人関係及び心理的引きこもりに及ぼす影響関係を,青年期,成人期,老年期の世代間で比較することを目的とした.その結果,世代により,ネットの利用,オフラインの対人関係,心理的引きこもりの各変数に差異が認められた.また,ネットの利用がオフラインの対人関係及び心理的引きこもりに及ぼす影響として,青年期で,一部のネットの利用がオフラインの対人関係を低下させ,心理的引きこもりにつながる可能性が示唆された.その他では,おおむね,ネットの利用が多いほどオフラインの対人関係が増加し,心理的引きこもりが低下することが認められ,ネットの利用が心理的引きこもりを低減する可能性が示唆された.
著者
桂 瑠以 橋本 和幸
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-12, 2019-05-10 (Released:2019-05-10)
参考文献数
25

本研究では,60代から80代の高齢者1000名を対象に調査を行い,高齢者のインターネット(以下,ネット)の使用状況を年代別に検討し,ネットの使用が社会的活動及び精神的健康に及ぼす影響関係を検討することを目的とした。その結果,使用状況として,年代によりネットの使用に差異がみられ,年代が高いほど通話を多く行う一方,年代が低いほどSNSや携帯電話でのネットの使用が多いこと等が認められた。また,ネットの使用が社会的活動及び精神的健康に及ぼす影響として,60代の一部のネットの使用を除き,おおむね,ネットの使用が多いほど社会的活動が促進すること,社会的活動の中で,外出頻度が多いほど精神的健康が高まること等が認められた。とりわけ70代,80代では,ネットの使用が多いほど,社会的活動を介して,精神的健康が向上することが示唆された。