著者
四井 恵介 関野 樹 原 正一郎 桶谷 猪久夫 柴山 守
雑誌
じんもんこん2010論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.15, pp.211-216, 2010-12-04

近年,Google Mapsをはじめとして地理情報を扱うことが当たり前となり,様々な地理データも整備されつつある.しかしながら歴史的な地理データとしては,江戸時代はもとより明治・大正期の地理データについては,ほとんど整備されていない.本稿では明治・大正期に陸軍陸地測量部によって作成された旧5万分の1地形図をベースとして,日本全国を対象とした地名辞書および地理データの作成を行い,その作成方法,問題点等を報告する.
著者
桶谷 猪久夫 Delmer Brown 藤本 雅彦 大久保祐子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.107, pp.33-40, 2003-10-24
被引用文献数
1

歴史史料を対象に、その文書構造や歴史的記述方法に着目し設計された英日全文連携検索システムを開発し、インターネット上に公開することにより、歴史学研究を援用し、さらに、国際的なコラボレーションを促進する。直接対象とする文献は、日本の記紀である「古事記」、「日本書紀」や「続日本紀」、神祗関係の法令である「延喜式」、特定の地方誌的文書である「出雲国風土記」、日本初の解釈歴史書である「愚管抄」等であり、さらに、日本古典文献25巻のディジタル化を目標にしている。本システムの開発と研究の目的は、英語を話す研究者や学生の日本史・国文学の研究に貢献することであり、また、日本の研究者との共同研究を促進することで研究の相乗的な効果を追求することである。そのためWeb上で英語と日本語(または、両言語)を利用した文献内検索と文献間連携検索機能と閲覧機能を実現した。また、外字属性データベースを作成し、それを利用した歴史史料検索システムでの外字検索機能(入力法含む)、外字表示・転送機能を開発・実現した。This project develops the interactive retrieval system English and Japanese texts designed with a focus on language structures and historically descriptive methods. Furthermore, it promotes international collaboration by making these interactive retrieval system available to the public through the Internet, and by giving assistance to historical research. The literature we are dealing with is as follows: 1) Japanese ancient chronologies such as Kojiki, Nihon Shoki, and Shoku Nihongi, 2) Engishiki, a collection of laws and regulations on shrines, 3) Izumo Fudoki, a local document of a certain area, 4) Gukansho, the first interpretive history text in Japan, 5) Manyoshu, an anthology, and so on. Our goal is to digitize twenty-five volumes of Japanese classic literature. The goals of the development of this system and this research are two-fold: 1) to contribute to the research of Japanese history and literature conducted by English-speaking researchers and students, and 2) to pursue the synergistic effect of research by promoting collaboration between the English-speaking researchers and Japanese researchers. With these goals, we constructed 1) a search program within texts using English and/or Japanese, 2) functions connecting and displaying different texts on the website. We also created 3) an attribute database of gaiji (non-standard kanji characters), and 4) a search function for gaiji (including input methods) for historical materials using the former database, and developed 5) functions to display and forward gaiji on the Internet.
著者
桶谷 猪久夫 前川 武 オケタニ イクオ マエカワ タケシ Ikuo Oketani Takeshi Maekawa
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.49-62, 2007-01-31

The Engishiki is a 50-volume code of regulations comprising 3,300 criminal laws ( ritsu )and administrative and others laws ( ryo )compiled by order of EmperorDaigo by Fujiwara no Tokihira from 905( Engi 5 )and mostly completed by 927 ( Encho 5 ). The ninth and tenth volumes are called Engishiki Jimmyocho and theshrines registered in these are called Shikinaisha , of which there are 2,861 nationwide, enshrining a total of 3,132 deities. A database was constructed linking the names of the shrines registered in theEngishiki , their current names, the names of the regions, provinces and counties, and other location information. The Shikinaisha are significant for understanding the origins of Japanese culture,the fromation of the state, and in the study of the Heian period.
著者
岩崎 宏之 仲地 哲夫 並木 美太郎 桶谷 猪久夫 柴山 守 勝村 哲也 星野 聰 石上 英一 高橋 延匡 梅原 郁 石田 晴久
出版者
筑波大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1994

かつて琉球は、東アジア世界における地域間交流の要、「万国之津梁」として繁栄した。この沖縄の地理的重要性は、今日においても変るところがない。沖縄は今も日本、中国、台湾、朝鮮半島、さらには東南アジアの諸地域を包む環東シナ海世界の要である。沖縄をそのような国際社会のなかに位置付けて地域間交流の具体的様相を歴史的に考察し、東シナ海を取り囲む諸民族、いわゆるアジアニーズの歴史的変貌を明らかにすることを課題として重点領域研究「沖縄の歴史情報研究」は平成6年度より同9年度までの4年間の研究期間をもって遂行された。本研究は、領域研究の成果を取りまとめて研究成果報告書を作成し、領域研究の成果である琉球・沖縄史と環東シナ海地域間交流史に関する各種歴史情報を、学界はもとより広くインターネット等を利用して一般に公開・利用に供することを課題とした。琉球・沖縄史と環東シナ海世界の地域間交流史に関する多種多様な歴史資料をいかにして情報化するか、本領域研究では、(1)各種研究文献の統合的把握のための歴史情報の集積と検索システムの開発、(2)古文献、古文書資料など琉球・沖縄に関する歴史資料が、どこに、どのようなものがあるか、各種歴史資料の所在に関する情報の集積と検索システムの開発に関する研究、(3)本領域研究で調査・収集した琉球・沖縄史と環東シナ海世界の地域間交流史に関する基本的史料の画像情報の検索システムの開発とこれら各種資料をインターネット上で広く公開・利用するためのシステムの開発、(4)琉球王朝期の外交文書集「歴代宝案」や琉球家譜、「明実録」「清実録」「島津家琉球外国関係文書」など、琉球・沖縄史研究にとっての基本的文献の全文テキスト・データベースや環シナ海地域間交流史に関する各種の文献史料の情報化、を進めた。計画研究・公募研究の各研究班によって行なわれたこれらの情報化資料はすべて総括班に集積された。本研究課題は、これらの情報化資料の統合、ならびにその検索システムの開発等に関する各種の研究成果の取りまとめを行ない、またこれら収集・集積した各種歴史情報を筑波大学付属図書館の電子図書館サーバーからインターネットに公開・提供するための整備作業を進めた。平成10年8月には、本領域研究の全体を総括した総括班研究成果報告書「沖縄の歴史情報研究」を刊行した。また、本領域研究で収集されたマイクロフィルム等各種歴史情報は、東京大学史料編纂所、筑波大学附属図書館、大阪市立大学学術情報総合センター、沖縄国際大学南島文化研究所等に寄贈し、ひろく学界の利用に提供することにした。
著者
桶谷 猪久夫
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.3, pp.1-8, 2009-07-18
参考文献数
14

歴史的なデジタル地名辞典は人文科学分野で地理情報システムでの解析に不可欠のツールになってきている.デジタル地名辞書の基礎となる「大日本地名辞書」は,吉田東吾が 13 年間で書き上げ,1907 年に完成した全国の地誌で,5,580 頁以上,1,200 万字の地名辞書であり,その構築とデータベース化を実現した.また,延喜式に記載された神社 (式内社) 2,861 社と 78,588 の寺院のデータベース化とそれらの位置情報等との統合も実現した.さらに,日本で最初に測量された全国地図である仮製図 (近畿地方) と迅速図 (関東地方) をスキャンし,行政界 (市町村界まで) をオーバーレイ処理し,水部 (川,湖など),道路などをポリゴンデータやラインデータとして取り込んでいる.また,地形図から地名データ (郡,町,村,字,神社,寺院,川など) を読み取り (19,328件) 緯度経度を付与した.地名データ (郡,町,村,神社,寺院,川など) は地名辞書に格納した.地形図データベースは,ソフト Zoomify で,大きな画像を拡大,縮小,移動等を可能にし,インターネット上のブラウザから容易に閲覧可能にした.Historical digital gazetteer is essential tool for humanities GIS data or ganization. Therefore, we developed the database for the index of Dainihon Chimeijisho (The Dictionary of Place Names in Greater Japan) edited by Togo Yoshida in 1900 and completed in 1907. Also, we merged Shikinaisya (Shrines registered with Jinmyocho of Engishiki, 2,842 shrines) and Jiinn (Japanese Temple name, 78,588 temples ) with Dainihon Chimeijisho. Furthermore, we constructed the topographical maps database. Two topographical maps called Jinsoku-zu Maps (Kinki region) and Kasei-zu Maps (Kanto region) are part of the first measured maps which cover the entire country. We scanned these maps, overlying the administrative borders, and processed the water areas (rivers and lakes, etc.) and roads, etc. as polygon and line data. We also provided the place data (counties, towns, villages, shrines, temples, rivers, etc.) on these maps with their longitude of latitude. And then, we stored these place name data (19,328 place names)in the this digital gazetteer. And we made the visual data in the topographical maps database accessible and retrievable on the internet. They can be enlarged, reduced or transfered by Zoomify.