- 著者
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雨越 康子
森下 正修
- 出版者
- 一般社団法人 日本教育工学会
- 雑誌
- 日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.4, pp.339-350, 2020-03-20 (Released:2020-03-30)
- 参考文献数
- 44
本研究では,集団での絵本の読み聞かせ方法を工夫し長期間(約100日)実施することで,幼児の語彙力やワーキングメモリ(WM)等の認知能力に向上が見られるか否かを検討した.実験群では,保育園で子どもたちに同一絵本を3,4日反復して読み聞かせし(文中の言葉の記銘,想起を求める群と求めない群があった),統制群では保育園で通常通り毎日異なる絵本を読み聞かせした.読み聞かせの前後で言語性・視空間性WM,短期記憶,語彙力を測定し2群の変化を比較した結果,同一絵本を反復読み聞かせした2つの実験群は統制群よりも語彙力が有意に上昇していた.また,家庭での読み聞かせ頻度は,読み聞かせによる言語性WM や語彙力の伸びやす さに関連する可能性が示唆された.