著者
柳井 晴夫 椎名 久美子 石井 秀宗 前田 忠彦 池田 輝政 箱田 裕司 繁桝 算男 荒井 克弘 村上 隆 市川 伸一
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

研究期間は2003年4月から2006年3月までの3年間であった。まず、一年目の2OO3年12月に、全国国公私立の教員2,5000名を対象にした、大学生の学習意欲と学力低下に関する調査を実施した。この調査は、2002年に本研究の研究代表者が実施した学生調査(柳井、2003)との比較を可能にするよう調査項目が設計され、被験者となった教員も学生調査と同一の大学に所属する教員が選ばれた。調査回収数は11,481名でこの数は全国の大学の教員(教授・助教授に限定)数の11.6%に相当する。上記の調査結果を2004年6月までに分析し、その結果報告に関する研究会を2004年7月に開催した。2004年度には、上記の調査結果の分析の他、東北大学、九州大学、名城大学に所属する分担者が、それぞれの大学における大学生の学力低下を示すデータを分析し、2005年8月に開催された研究会において、九州大箱田裕司氏より、「卒業論文テーマ選択にみる自主性の経年変化」、名城大学池田輝政氏より、「大学初年次調査からみた学力問題」についての研究発表があった。2006年2月には、長崎県の教育センターで開催された「大学入学前に培うべき資質・学習意欲に関するシンポジウム」を共催し、研究代表者(柳井)と研究分担者(渡部・石井)が2004年に実施した全国教員に対する学習意欲・学力低下に関する調査結果を発表した。2006年2月下旬に、研究会を開催し、3年間の研究のまとめとなる報告書作成のための打ち合わせを行い、下記の目次による報告書(全部で258頁)を作成した。さらに、2004年の教員調査の際に自由記述欄に記載されていた内容を、大学の設置形態(国立、公立、私立)、学部別に並べて記載した小冊子「大学生の学習意欲と学力低下に関する実証的研究」を補足資料として作成した。報告書の内容は以下の通りである。第1部 大学生の学習意欲と学力低下に関する調査結果第1章 総合報告第2章 大学生の学習意欲と学力低下に関する調査結果の分析-第3章 教員所属専攻別の分析第4章 学力低下の内容分析一非対称多次元尺度構成法を用いた分析第5章 長崎教育センター「大学入学前に培うべき資質・学習意欲に関するシンポジウム」-入試改善の視点を踏まえて-第2部 実証データを用いた学力低下の分析第6章 日本語基礎能力の経年変化第7章 卒業論文テーマ選択にみる自主性の経年変化第3部 学力低下問題再考-今後の課題第8章 教育接続からみた日本の学力低下問題再考第9章 今後の大学教育の在り方をめぐって-終わりにかえて