著者
荒井 克弘 佐藤 直由 猪股 歳之 大迫 章史 渡部 芳栄 羽田 貴史 米澤 彰純
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

少子化にともなって大学進学者数の伸びは鈍化しつつある。しかし他方で、大学の数は漸増を続けており、この市場競争の厳しい時代を大学はどのような経営で生き抜こうとしているのか、私立学校、大学の設置者である学校法人に焦点を合わせ、法人が採っている経営戦略を(1)学校法人内部での調整、(2)学校法人外部との連携・統合、(3)設置形態の変更の3つに類型に分け、それぞれについて訪問調査およびアンケート調査を行った。その結果、拡大に加えて縮小や廃止などを同時進行で行ってきた学校法人の存在や、地域との連携を重視して生き残りを図る学校法人などの各種の実態が事例として明らかになり、学校法人の経営行動の多様性が明らかになった。
著者
石岡 恒憲 峯 恒憲 宮澤 芳光 須鎗 弘樹
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

センター試験など大学入試試験レベルの短答式記述試験の自動採点および人間による採点を支援する実用可能なシステムを試作・実装する。採点は設問ごとに作題者が用意した「模範解答」と「採点基準」に従いシステムがある程度の精度をもった採点計算(自動採点)を行うことを基本とし、その結果を人間が確認・修正できるものとする。このシステムの最大の特徴は「(予め用意された)模範解答」と「(被験者の実際の)記述解答」との意味的同一性や含意性の判定に採点済みの教師データを使わないことにある。予め別に用意された新聞や教科書、Wikipediaなど別のコーパスなどから自動構築した言語モデルによって判定を行う。
著者
大久保 智哉
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では,大学入試センター試験などの大規模試験において新しい試験運用方式を検討するために,タブレット端末と統計理論を利用したテスト・システムの実験的運用がおこなわれた.本研究の成果として,情報端末を用いることで広がる新たな出題形式について成果を得た.さらには,試験問題を作成し問題データベースを構築した上で,実際にタブレット端末を用いて試験実施がおこなわれた.タブレット端末を試験用に管理するためのシステムについても検討が重ねられ,大規模試験における情報端末の効率的運用のために多くの知見が得られた.
著者
石岡 恒憲 峯 恒憲 宮澤 芳光 橋本 貴充
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

昨年度は国立情報学研究所が主催するタスク競争型の国際研究集会NTCIR-13のうち質問応答のサブタスク(QALab-3タスク)に我々の研究グループ(大学入試センター・九州大学合同チーム)で参加し、国内外11の研究機関が参加する中、横浜国立大学と並んでトップの成績を収めた。この回のコンペの課題は東大2次試験の世界史(過去5年分)における500字論述試験の自動採点であり、難しいタイプの記述問題を対象としている。ここでは指定された8つのキーワードを入れて解答する。今年は研究パートナーである九州大学システム情報科学院との連携をより強め、優秀な九州大学の学生とも協力し、システム性能の向上を目指した。人工知能隆盛の現在にあって、自然言語処理分野でよい成果を上げているリカレントニューラルネットワーク(RNN)やロングショートタームメモリ(LSTM)といったストーム型の言語モデルを使って採点を行う方法が有望であることがわかりつつあり、我々もその研究に追随している。またそのための環境を整備した。世界史などに比べ、より高度な判断による寄与の大きい現代国語などの自動採点を視野に入れて研究を進めている。成果については手書き文字認識の第一人者である中川正樹教授(東京農工大学)の招きによりカナダ・モントリオールで開催された国際会議ICPRAI2018で口頭発表した。また9月には日本テスト学会で、エッセイおよび論述解答試験採点に関する最近の話題と自動採点にむけた現在の技術水準について講演を行った。
著者
岩坪 秀一 木下 冨雄 四方 義啓 内田 達弘 伊藤 圭
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

理工系分野の早期教育の真の在り方を探るために、かつてわが国において実施された「飛び級」制度(小学校五年から中学校に進学する「五修」と中学校四年から高等学校に進学する「四修」を導入することによって、普通課程と比較して二年早く教育課程を終了するもの)、及び終戦前後(昭和20年1月〜昭和23年3月)に実施された「特別科学教育」制度(小学校四年から六年、中学校一年から三年までの六学級から理数系の学力に特に秀でた児童・生徒を選抜して英才教育を施したもの。東京高等師範学校、東京女子高等師範学校、広島高等師範学校、金沢高等師範学校、京都帝国大学が中心となって教育に当たった。学級数は実施機関によって異なった。)を取り上げた。これらの教育制度の経験者からの情報収集及び追跡調査から教育の実態を明らかにし、その得失を十分に検討することによって、わが国の理数系早期教育の発展に資することを目的とした。具体的活動としては、経験者から経験談及び資料提供を受けるために11回の研究集会を開催し、さらに面接聴き取り調査を行った。また、中国における早期教育のための教員養成についての講演会を開催した。アンケート調査も計画したが、個人情報に深く関わる内容であるために質問項目について慎重に吟味して実施へと繋げることができた。主要な研究成果の概要は以下の通りである。(1)飛び級については、その経験者の協力を得て、京都府師範学校附属小学校第二教室の教育の実態が明らかになった。また、兵庫県立神戸第一中学校の四修修了者の特徴について統計的な検討を行った。(2)京都府立第一中学校において実施された特別科学教育(京都帝国大学が協力)の経験者諸氏の協力が得られ、従来余り知られていなかった事実が明らかにされた。(3)理数分野の早期教育の実をあげるためには、理数分野と人文社会分野の教育のバランスが必要不可欠であることが明らかになった。理数系分野だけに特化して効率を図ることは、優れた人材養成に繋がらない。(4)早期教育のための教員養成、上級学校との接続の確保、中途からの転向の保障など、制度面での支援が重要であることが明らかになった。
著者
内田 照久 大津 起夫 伊藤 圭 内田 千春
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

近年,世界的なグローバル化が進む社会情勢の中で,直接的な対話のためのコミュニケーション能力が問われるようになってきた。そこで,対話場面で必要とされる能力を検証し,音声コミュニケーション能力の教育測定のためのテスト開発に係わる研究を行った。本研究期間中は,(1)大学入試センター試験へのリスニングテストの導入に至る歴史的経緯と評価,(2)音声の韻律的特徴と話し方の評価・話者の性格印象の関係性の定量的モデル化,(3)声質変換音声を用いた英語リスニングテストの評価実験,を行った。
著者
内田 照久 石塚 智一 杉澤 武俊 伊藤 圭 内田 千春
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

新しいコミュニケーション能力テストの可能性を検討した。従来からの論理的思考能力や表現応答能力といった言語能力の側面に加え,対人的な認知推論能力までを測定の対象とすることを目指した。1)音声の韻律的な特徴量と話者の性格印象の関係を明らかにするために聴覚実験を行ない,その関係性のモデルを提案した。それと並行して,2)リスニングテストと他教科の学力間の関係の布置とその推移を検証した。
著者
大津 起夫 宮埜 壽夫
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

心理学をはじめとする行動諸科学の研究においては,多変量統計データの統計的分析が,研究を進める上で重要であり,適用領域の拡大とともに分析対象となるデータの規模も急速に大型化してきている。本研究においては,近年進展の著しいコンピュータの並列処理機能(マルチコア化)を前提に,これまで心理統計および心理測定分野で開発されてきた統計モデル(特に,大規模な非線形の潜在変数モデル)の推定法の高速化をおこなった。また,大規模なテストデータを対象としてモデルの推定を行い,特に試験問題の潜在構造と難易度比較についての分析例をした。非線形因子分析モデルの推定においては,6コアPC上で,3倍超の高速化を実現した。
著者
伊藤 圭
出版者
独立行政法人大学入試センター
巻号頁・発行日
2005

近年の大学入学志願者の社会的および教育的背景の多様化により,大学入学者選抜方法として,教科・科目別の知識や学習到達度を評価する学科試験だけでなく,受験生の多様な能力,資質,適性などを多面的に評価する総合的な試験を利用すること,およびその有効性の検証が重要な課題となってきている。特に現行のセンター試験では対象としてこなかったような,より幅広い大学志願者層にも対応した基礎的な学力を図るための新たな試験の必要性についても議論が行われている。このような状況に鑑み,総合試験の開発および導入に際しての諸課題のうち,特に総合問題の内容およびその特性を明らかにすることが必要である。本年度は,典型的な学科試験である大学入試センター試験の成績および高校履修科目の得意度と総合試験成績に対して因子分析を行い,総合試験固有の因子を特定した。さらに,この因子と課題遂行および問題解決に必要な能力・資質の習得度との相関を分析し,教科科目フリー型総合試験が測定している能力を調べた。また,センター試験成績および科目得意度を共変量として,受験者の専門分野や性別等の属性別の総合試験成績の比較を行うとともに,課題遂行および問題解決に必要な能力・資質の習得度に関する因子分析を行い,受験者の能力タイプ別の総合試験成績および解答行動について分析を行った。言語テストに関しては,大学入試センター試験英語(筆記およびリスニング)得点と受容的言語能力(聴解力および読解力)の関係を分析した。
著者
橋本 貴充
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

大学入試センター試験は大規模データの分析に注目されがちであるが、受験者の少ない科目のための分析が必要である。そこで、事前情報を活用できる「ベイズ統計」を利用し、より適切な分析を行うことを試みた。まず、通常のモデルにベイズ統計を適用することに限界があることを明らかにした。次に、より適したモデルで分析を行うためのソフトウェアを開発した。最後に、受験者が少ないときの、そのモデルの振る舞いについて明らかにした。
著者
柳井 晴夫 椎名 久美子 石井 秀宗 前田 忠彦 池田 輝政 箱田 裕司 繁桝 算男 荒井 克弘 村上 隆 市川 伸一
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

研究期間は2003年4月から2006年3月までの3年間であった。まず、一年目の2OO3年12月に、全国国公私立の教員2,5000名を対象にした、大学生の学習意欲と学力低下に関する調査を実施した。この調査は、2002年に本研究の研究代表者が実施した学生調査(柳井、2003)との比較を可能にするよう調査項目が設計され、被験者となった教員も学生調査と同一の大学に所属する教員が選ばれた。調査回収数は11,481名でこの数は全国の大学の教員(教授・助教授に限定)数の11.6%に相当する。上記の調査結果を2004年6月までに分析し、その結果報告に関する研究会を2004年7月に開催した。2004年度には、上記の調査結果の分析の他、東北大学、九州大学、名城大学に所属する分担者が、それぞれの大学における大学生の学力低下を示すデータを分析し、2005年8月に開催された研究会において、九州大箱田裕司氏より、「卒業論文テーマ選択にみる自主性の経年変化」、名城大学池田輝政氏より、「大学初年次調査からみた学力問題」についての研究発表があった。2006年2月には、長崎県の教育センターで開催された「大学入学前に培うべき資質・学習意欲に関するシンポジウム」を共催し、研究代表者(柳井)と研究分担者(渡部・石井)が2004年に実施した全国教員に対する学習意欲・学力低下に関する調査結果を発表した。2006年2月下旬に、研究会を開催し、3年間の研究のまとめとなる報告書作成のための打ち合わせを行い、下記の目次による報告書(全部で258頁)を作成した。さらに、2004年の教員調査の際に自由記述欄に記載されていた内容を、大学の設置形態(国立、公立、私立)、学部別に並べて記載した小冊子「大学生の学習意欲と学力低下に関する実証的研究」を補足資料として作成した。報告書の内容は以下の通りである。第1部 大学生の学習意欲と学力低下に関する調査結果第1章 総合報告第2章 大学生の学習意欲と学力低下に関する調査結果の分析-第3章 教員所属専攻別の分析第4章 学力低下の内容分析一非対称多次元尺度構成法を用いた分析第5章 長崎教育センター「大学入学前に培うべき資質・学習意欲に関するシンポジウム」-入試改善の視点を踏まえて-第2部 実証データを用いた学力低下の分析第6章 日本語基礎能力の経年変化第7章 卒業論文テーマ選択にみる自主性の経年変化第3部 学力低下問題再考-今後の課題第8章 教育接続からみた日本の学力低下問題再考第9章 今後の大学教育の在り方をめぐって-終わりにかえて