著者
西村 直史 大田 直樹 櫻井 祐子 岩崎 敦 横尾 真
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

ある程度規模の大きい学会では,様々な制約条件や価値基準を満足する会議プログラムを手作業で作成することは困難であり,大きな労力が伴う.そのため著者らは,制約充足/最適化のテクニックを用いた会議プログラムの自動生成ツールを開発した.本論文では,開発したツールを用いて実際の2008年度人工知能学会全国大会のプログラムを作成した結果と,大会終了後に行なったツールの改良について報告する.
著者
伊藤 孝行 横尾 真 松原 繁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.602, pp.15-22, 2002-01-18

インターネット上のオークションでは, 不特定多数の人間が商品(財)を販売しており, 商品の質を正確に見極めるのは困難である.例えば, 骨董品が売られていたとしても, その骨董品が本物であるか偽物であるかを見極めることは難しい.もし買い手が, 偽物の骨董品を高い値段で購入してしまった場合, 買い手は, このオークションによって損害を被る.骨董品の質を見極めることができる専門家は, このオークションによって利益を得ることができてしまう.これは, オークションプロトコルが, 財の効率的な配分に失敗していることを意味する.そこで, 本論文では, 専門家に, 自然の選択に関する情報を正しく申告させることによって, パレート効率的な配分を実現し, かつ, 合理的な参加者が損害を被らないようなオークションプロトコルを設計する.本論文で提案するオークションプロトコルは以下の4つの特長を持つ.(1)専門家にとって真の申告をすることが支配戦略である.(2)専門家の人数に関する仮定の下で, 素人にとっても, 真の申告をすることが支配戦略となり, 反復支配戦略均衡を得られる.(3)反復支配戦略均衡のもとでパレート効率な割り当てを実現する.(4)非合理的なプレイヤが存在しても, その数がある閾値以下ならば, 合理的なプレイヤは損をしない.
著者
伊藤 孝行 横尾 真 松原 繁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.614, pp.11-16, 2003-01-23

インターネット上のオークションでは,不特定多数の人間が商品(財)を販売しており,商品の質を正確に見極めるのは困難である.例えば,骨董品が売られていたとしても,その骨董品が本物であるか偽物であるかを見極めることは難しい.そこで筆者らは過去に,買い手が財の質(例えば本物か偽物か)について正確に判断ができない場合,条件付きの入札が可能なオークションプロトコルを提案した.ここでは,専門家に,自然の選択に関する情報を正しく申告させることによって,合理的な参加者が損害を被らないようなオークションプロトコルの設計に成功した.本論文では,上のような状況において,複数財の組合せに対して入札が可能なオークションを設計する.ここで,専門家が単一の財に関して専門知識を持つ場合と複数の財に専門知識を持つ場合が考えられる.前者の場合でも複雑な問題であるが,後者はより複雑な問題になっている.そこで,本論文では,まず前者の場合のオークションプロトコルを設計する.すなわち,単一の財に関して専門知識と興味を持つ専門家に自然の選択に関する情報を正しく申告させ,素人にとって,真の申告をすることが最適反応戦略になるプロトコルを設計する.
著者
伊藤 孝行 横尾 真 松原 繁夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.8, pp.69-74, 2003-01-29

インターネット上のオークションでは,不特定多数の人間が商品(財)を販売しており,商品の質を正確に見極めることは困難である.例えば,骨董品が本物であるか偽者であるかを見極めることは難しい.そこで筆者らは過去に,買い手が財の質(例えば本物か偽者か)について正確に判断ができない場合,条件付きの入札が可能なオークションプロトコルを提案した.ここでは,専門家に,自然の選択に関する情報を正しく申告させることによって,合理的な参加者が損害を被らないようなオークションプロトコルの設計に成功した.本論文では,上のような状況において,複数財の組合せに対して入札が可能なオークションを設計する.ここで,専門家が単一の財に関して専門知識を持つ場合と複数の財に専門知識を持つ場合が考えられる.前者の場合でも複雑な問題であるが,後者はより複雑な問題となっている.そこで,本論文では,まず前者の場合のオークションプロトコルを設計する.すなわち,単一の財に関して専門知識と興味を持つ専門家に自然の選択に関する情報を正しく申告させ,素人にとって,真の申告をすることが最適反応戦略になるプロトコルを設計する.Auctions have recently commanded a great deal of attention in the field of multi-agent systems. Correctly judging the quality of auctioned goods is often difficult for amateurs, on the Internet auctions. We have formalized such a situation so that Nature selects the quality of the auctioned good. Experts can observe Nature's selection(i.e., the quality of the good) correctly, while amateurs, including the auctioneer, cannot. In often words, the information on Nature's selection is asymmetric between experts and amateurs. In this situation, it is difficult to attain an efficient allocation, since experts have a clear advantage over amateurs, and they would not reveal their valuable information without some reward. Thus, we have succeeded in developing a single unit auction protocol in which truth-telling is a dominant strategy for each expert. In this paper, we focus on a combinatorial auction protocol under asymmetric information on Nature's selection. Experts may have an interest in, and expert knowledge on, Nature's selection for several goods, i.e., experts are versatile. However, the case of versatile experts is very complicated. Thus, as a first step, we assume experts to have an interest in, and expert knowledge on, a single good. That is, experts are single-skilled. Under these assumptions, we develop an auction protocol in which the dominant strategy for experts is truth-telling. Also, for amateurs, truth-telling is the best response when experts tell the truth. By making experts to elicit their information on the quality of the goods, the protocol can achieve a socially desirable, i.e., Pareto efficient allocation, if certain assumptions are satisfied.
著者
伊藤 孝行 横尾 真 松原 繁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.87, no.10, pp.920-930, 2004-10-01
被引用文献数
2

インターネット上のオークションでは,不特定多数の人間が商品(財)を販売しており,商品の質を正確に見極めるのは困難である.例えば,骨董品が売られていたとしても,その骨董品が本物であるか偽物であるかを見極めることは難しい.商品の質が正確に見極められないことによって,商品の質に関する素人が,商品の質に見合わない価格で商品を購入してしまうという問題がある.そこで筆者らは過去に,買い手が財の質(例えば本物か偽物か)について正確に判断ができない場合に,条件付きの入札が可能なオークションプロトコルを提案した.ここでは,専門家に,自然の選択に関する情報を正しく申告させることによって,合理的なプレイヤが損害を被らないようなオークションプロトコルの設計した.本論文では,上記のような状況において,複数財の組合せに対して入札が可能なオークションを設計する.ここで,専門家が単一の財に関して専門知識をもつ場合と複数の財に専門知識をもつ場合が考えられる.前者の場合でも複雑な問題であるが,後者はより複雑な問題になっている.そこで,本論文では,まず単一の財に関して,専門知識と興味をもつ専門家に商品の質に関する情報を正しく申告させ,素人にとって,真の申告をすることが最適反応戦略になるプロトコルを設計する.本オークションプロトコルの特長は,以下の四つである.(1)専門家にとって,真の申告をすることが支配戦略である.(2)素人にとって,他の素人がどのような申告をするかにかかわらず,専門家が支配戦略をとると仮定した上で真の申告をすることが最良の戦略となる.(3)パレート効率的な割当を実現する.(4)非合理的なプレイヤが存在したとしても,その数が1人ならば,合理的なプレイヤの効用が負になることはない.
著者
横尾 真 ビンセントコニッツァー トゥオマスサンドホルム 大田 直樹 岩崎 敦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.1451-1462, 2006-05-15

提携を結ぶということは,自動化された利己的な主体(エージェント)の持つ重要な性質である.エージェント間の提携が成立した場合,我々は提携を結んだエージェントの集合が得た利得をどのように分配するかを考える必要がある.協力ゲーム理論はこの利得の分配法について研究してきており,(シャープレイ値やコア,最小コアや仁といった)様々な解概念が提案されてきた.本論文ではこれら既存の解概念が,インターネットのような匿名の開環境の下でエージェントが行える操作に対し,脆弱であることを示す.匿名の開環境ではエージェントは架空名義の利用,共謀,能力の隠蔽といった操作が可能となる.我々はこれらの操作に頑健な新しい解概念である匿名操作不可能コアを提案し,この解概念を特徴づけるいくつかの公理的な条件を示す.また匿名操作不可能コアの条件を緩和した解概念として匿名操作最小コアを提案し,この解概念がつねに非空であることを示す.Coalition formation is a key aspect of automated negotiation among self-interested agents. In order for coalition to be stable, a key question that must be answered is how the gains from cooperation are to be distributed. Various solution concepts (such as the Shapley value, core, least core, and nucleolus) have been proposed. In this paper, we demonstrate how these concepts are vulnerable to various kinds of manipulations in open anonymous environments such as the Internet. These manipulations include submitting false names (one acting as many), collusion (many acting as one), and the hiding of skills. To address these threats, we introduce a new solution concept called the anonymity-proof core, which is robust to these manipulations. We show that the anonymity-proof core is characterized by certain simple axiomatic conditions. Furthermore, we show that by relaxing these conditions, we obtain a concept called the least anonymity-proof core, which is guaranteed to be non-empty.