著者
柏崎 礼生 北口 善明 近堂 徹 楠田 友彦 大沼 善朗 中川 郁夫 阿部 俊二 横山 重俊 下條 真司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.1140-1150, 2014-03-15

大規模災害による危機意識の高まりから災害回復(Disaster Recover: DR)を実現するための技術として遠隔地データセンタでのバックアップや分散ストレージに注目が集まっている.現在我々は金沢大学,広島大学,国立情報学研究所を中心として広域分散型のストレージ環境の構築を進めている.この環境は,ランダムアクセス性能の高さに特徴があり,かつ各拠点から同じデータにアクセスできるため,ライブマイグレーションにより他拠点においてサービスを継続することが可能となる.本稿では本環境におけるI/O性能を評価し,広域分散ストレージを用いたライブマイグレーション実験について述べ,有用性を示す.
著者
谷沢 智史 中川 晋吾 金指 文明 西村 一彦 長久 勝 横山 重俊 吉岡 信和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.492, pp.161-165, 2014-03-13

国立情報学研究所では仮想マシン貸し出し型のプライベートクラウドedubase Cloudや,物理マシン貸し出し型のプラィベートクラウドの開発,運用を行なっており,さらに,新たにインタークラウド基盤プロトタイプの開発を行い,試験運用を開始している.我々はクラウド運用を効率化するため,編集可能な広大な「マップ」アプローチを提案し,実運用に適用した.この適用事例について報告し,よりよいマップを作るための支援機構について提案する.
著者
浜元 信州 井田 寿朗 齋藤 貴英 小田切 貴志 綿貫 明広 横山 重俊
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-50, no.8, pp.1-8, 2020-07-03

群馬大学では,2020 年 4 月に全学無線 LAN システムの更新を行なった.本更新で無線 LAN アクセスポイントを全学的に増設したが,教室や会議室などの無線 LAN 導入の際には,アクセスポイント当たりの接続台数を算定することが必要となる.このため,本学の教育用端末を利用し,アクセスポイントに同時接続を行い評価試験を行なった.評価試験の結果,平均速度は,端末数 N の関数として,IEEE802.11n で 2.4GHz の場合には 60.261/N[Mbps],5GHz の場合には 148.26/N[Mbps],IEEE802.11ac の場合 181.64/N[Mbps] となった.また,1 アクセスポイントあたりの接続台数は,平均速度分布の歪度が正になることを条件とした結果,IEEE802.11n で 2.4GHz 接続で 12 台程度,5GHz の接続で端末数 30 台程度,IEEE802.11ac の場合は端末数 36 台程度と考えられることがわかった.
著者
横山 重俊 桑田 喜隆 吉岡 信和
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.688-698, 2013-02-15

クラウドコンピューティング技術は運用性,高信頼性,計算効率,柔軟性の高さにより,大学や研究機関など学術界でも活用が期待されている.本稿では教育および研究用途に特化したアカデミッククラウドのアーキテクチャについて提案する.従来技術と異なり,この研究の新規性である提案アーキテクチャの特徴は,研究グループや教育プログラムごとに,オンデマンドで物理マシンクラスタのセキュアに分離した形で構築し,その上にそれぞれの目的に合ったクラウド基盤(IaaS/PaaS/SaaS)を高速自動構築できるクラスタ提供をサービス化したCluster as a Service(CaaS)と,地理的に分散するそれらクラスタから統一的に利用可能なインタークラウドストレージサービスを学認認証により統合し,今後の地域分散型のアカデミックコミュニティクラウド構築に活用することを考慮したことである.本アーキテクチャの適用により,地域分散型のアカデミックコミュニティクラウドがヘテロなクラウド基盤で構成された場合でも物理マシンレベルから動的にクラウド基盤を構成することで,たとえば,災害時にはCaaSを用い,迅速に非常用クラスタを用意し,その上に通常時に使っているクラウド基盤を構築した後,インタークラウドストレージサービス内に保存している管理情報やマシンイメージをリストアすることで教育および研究活動の継続が可能となる.また,平常時においても,不足しているコンピュートリソースをCaaSによりオンデマンドで既存のクラスタに組み込むことができる.このことで,アカデミックコミュニティ全体でのリソース使用効率の向上に寄与する.
著者
横山 重俊 浜元 信州 長久 勝 藤原 一毅 政谷 好伸 竹房 あつ子 合田 憲人
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-51, no.8, pp.1-7, 2020-08-27

データ駆動型科学研究分野で研究データの再利用を進めるためには,研究データの公開だけではなく,論文成果につながる実験結果にたどり着くまでの実験プロセス(実験手順や実験環境構築手順)を公開し共有する必要がある.これらが揃うことで,第三者である別の研究者がいつでも研究データを再利用し,研究の再現検証が可能となる.さらに,そのオリジナル研究に加えて自らの研究を派生させることがスムーズにできるようになる.本稿では,その実験プロセスをコミュニティで共有する方式に関する検討内容と今回提案する方式について述べ,その実装例および研究再現例についても報告する.
著者
横山 重俊 浜元 信州 政谷 好伸 合田 憲人
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2016-IOT-34, no.11, pp.1-6, 2016-06-18

群馬大学では,授業などで利用する Linux サーバ専用に準備して運用している.このサーバに教育用端末 (Thin-Client) や学内から ssh クライアントを用いて利用できるし,教育用端末からはXウィンドウ接続できる環境を持っている.授業の際には一斉にアクセスがあるための用意しているマシンは比較的大規模なものとなっている.しかし授業が無い多くの期間は部分的にしか使われていない状態になっておりリソースの有効活用の観点から課題がある.さらに,この環境をいくつかの講義で共用しているため,それぞれの講義に合わせたカスタマイズに手間がかかり,その管理・運用が難しくなっている.また,学生間でも環境を共有しているために思い切った実験ができないことも解決したい課題である.加えて構築した講義・演習環境を他の教員との間で流通させることも難しく,それぞれが個別に対応しなければならないことも課題である.本研究では,これらの課題を解決するためにクラウド基盤間の可搬性を持つクラウドアーキテクチャー Overlay Cloud を活用し,その仮想クラウド上に Linux 講義・演習環境を構築する手順書を Jupyter notebook で記述するという手法を提案する.くわえて群馬大学での講義に適用して実施している実験についても現状を報告する.
著者
横山 重俊 松本 敦嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SC, サービスコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.50, pp.5-9, 2014-05-16

コンテナ技術を活用したDistributed Cloudアーキテクチャを提案する.Distributed Cloudを実現する上の課題の一つは,分散したリソースの上にどう効率的にソフトウェアを配備するか,と言うことである.筆者らのソリューションは,既存のクラウド基盤を使ってその上にリソースを配置し,その上にコンテナ基盤を構築し,それら分散したコンテナ基盤群をL2トンネルで接続することで,分散アプリケーションが効率的に配備できるVirtual Cloud Providerを実現する方式である.本論文では,提案するアーキテクチャについて述べ,そのアーキテクチャに沿ったプロトタイプについて紹介する.