著者
櫻井 義秀
出版者
中外日報社
雑誌
中外日報
巻号頁・発行日
2009-09-08

中外日報2009年9月8日掲載
著者
櫻井 義秀
出版者
北海道社会学会
雑誌
現代社会学研究 (ISSN:09151214)
巻号頁・発行日
no.9, pp.74-101, 1996
被引用文献数
1

本稿では、第一に、現代の情報化社会で言説がいかに生成されるか、その過程をオウム真理教事件に関わる言説に則して見ていぎ、現在流通している様々な言説を共通の概念枠組みで記述した。第二に、オウム真理教がなぜかくも急速に信者を獲得・動員して犯罪を行い得たのかという疑問への説明として最も流布し、しかも社会的影響力を持ったマインド・コントロール論を取り上げ、オウム真理教現象の構成のされ方、論者の視点の問題点を社会学的に吟味した。<BR>マインド・コントロールの一般的定義は、(一)破壊的カルト教団による信者の利用、(二)社会心理学的技術の応用、(三)他律的行動支配、の三つの部分から構成されている。(二)は宗教上の入信行為の説明として不十分であること、(三)は社会的行為において論理的な命題を構成できないこと、(一)こそマインド・コントロールの核心であったが、これは価値中立的な認識ではないこと、信教の自由という問題に抵触すること、結局の所、人間の宗教的行為、宗教集団の多面性を理解する上で力がないことを明らかにした。
著者
櫻井 義秀
出版者
「宗教と社会」学会
雑誌
宗教と社会 (ISSN:13424726)
巻号頁・発行日
no.13, pp.255-274, 2007-06-09
著者
櫻井 義秀
出版者
至文堂
雑誌
現代のエスプリ
巻号頁・発行日
vol.490, pp.150-159, 2008-05

カルト―心理臨床の視点から
著者
櫻井 義秀
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.315-342, 2014-09-30

日本社会は人口減少とグローバリゼーションによって今後数十年のうちに大きく変わることが予想される。地域社会や家族において個人化が進み、労働や福祉の領域では個人化を前提に社会制度の再構築が進められていく。そうして人生の様々なリスクを回避する仕組みが国家に吸収されたり、財政難のために個人の自己責任に帰されたりすることで、人々の不安は増幅され、生活満足度としての幸福感は低下する。こうした状況において宗教のみが安泰ということはない。日本の伝統宗教が根ざしてきた地域や家族の共同性は浸食され、人々の切実な求めに応じられない教団は衰退を余儀なくされるだろう。本稿では近年の幸福研究を参照しながら、幸福とソーシャル・キャピタルの関係を論じる。互いに承認される人間関係や前向きな人生観を提供できる場においてこそ、人々はしあわせや希望を感じることができる。現代宗教は人々の要求に応えられるだろうか。