著者
櫻井 義秀
出版者
消費者法ニュース発行会議
雑誌
消費者法ニュース
巻号頁・発行日
vol.77, pp.246-248, 2008-10
著者
櫻井 義秀
出版者
北海道大学
雑誌
北海道大学文学研究科紀要 (ISSN:13460277)
巻号頁・発行日
vol.128, pp.33-94, 2009-07-10
著者
櫻井 義秀
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

本研究では、第一に、現代の情報化社会で言説がいかに生成されるか、その過程をオウム真理教事件に関わる言説に則して見ていき、現在流通している様々な言説を共通の概念枠組みで記述した。第二に、オウム真理教がなぜかくも急速に信者を獲得・動員して犯罪を行い得たのかという疑問への説明として最も流布し、しかも社会的影響力を持ったマインド・コントロール論を取り上げ、オウム真理教現象の構成のされ方、論者の視点の問題点を社会学的に吟味した。また、川瀬カヨ氏によって設立された天地正教が、1995年に十勝清水町御影地区において教団の宿泊施設を建設しようとしたが、地域住民の反対運動が起き、町議会も建設中止の陳情を採択するに至った。天地正教は1988年の宗教法人化以来、霊感商法との関係が弁護士会等で問題にされていたが、1996年の弥勒祭、浄火祈願祭において二代目教母が下生した弥勒として統一教会の創始者文鮮明夫妻を迎えると宣言した。本事例は、新宗教教団が地域社会にいかに定着していくかという問題を示していたが、天地正教はこれに失敗した。本論文集には、上記の2論文以外に、新宗教教団の形成過程と地域社会変動の当初の研究対象教団であった、天照教調査の経過報告と、猪瀬優理「宗教とジェンダー -創価学会を事例に-」、大倉大介「情報受容に関する一考察-オカルトに関する情報を中心に-」、蔭山茂樹「新宗教教団における入信・回心・献身-統一教会・原理研究会を事例に-」の4論文を加えて、現代宗教を考察する視角を多方面から検討してある。
著者
櫻井 義秀
出版者
宗教と社会学会
雑誌
宗教と社会 (ISSN:13424726)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.97-109, 2006-06

「カルト」を問題化する社会とは―第1回ICSA(国際カルト研究学会)マドリッド大会報告―

3 0 0 0 IR 傾聴する仏教

著者
櫻井 義秀 サクライ ヨシヒデ Sakurai Yoshihide
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.29-53, 2015-04

This paper considers social exclusion in modern society through the lens of child poverty, arguing that exclusion should be addressed through provision of mental support as well as livelihood security. In particular, the practice of active listening, which aims to respond to modern people's needs for recognition and self-esteem, is examined. The case studies considered here show that self-recognition and recognition by others are important elements of care. Moreover, clinical religion guided by religious scholars and Buddhist monks should not be limited to unidirectional active listening between care-givers and care receivers, but should be the basis for constructing reciprocal relations in community. This point is illustrated through the case of a Buddhist priest in Fujisato-cho, Akita prefecture, who became the key person in creating collaboration between the local administration and social welfare providers.本稿では、子どもの貧困を糸口として現代社会における社会的排除の問題と考え、社会支援には生活基盤を確保するためのアプローチと精神的支援のアプローチがあることを確認する。その上で、現代人が求める承認欲求に応えようという傾聴の実践をさまざまな角度から捉え、自己承認や他者からの承認がケアにとって重要であることを論じる。宗教者や宗教学者によって提案された臨床宗教にとって課題となることは、傾聴の実践を一方的なケアの提供者・享受者の関係にとどめることなく、互酬的なケアのコミュニティ作りに関わっていくことだろう。その点で秋田県藤里町の事例は、僧侶がキーパーソンとなり、行政や社会福祉協議会と連携して地域福祉を実現する格好のケースとして参照されるものとなる。

3 0 0 0 OA 家と祖先崇拝

著者
櫻井 義秀
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.119-136,227, 1988-09-30 (Released:2009-11-11)
参考文献数
34

祖先崇拝は直系家族における家長-跡取りの権威主義的な互恵関係を正当化する「孝」を儀礼化したものであり、家父長的家族結合を維持・強化する機能を果す。本稿の目的は、フォーテスらにより提唱されたこの理論を以下の二点に関して考察することにある。 (一) 家長-跡取りの世代間の構造的結合を死者供養の儀礼の中に確認すること、 (二) 祖先崇拝と家の構造連関を測定すること、である。この問題を農業村落である山形県村山郡黒澤のムカサリ絵馬習俗と祖先崇拝の実態調査から分析し、次の結論を得た。(一) 婚姻の絵馬習俗に認められた家長-長子のダイアッドは、祖先崇拝における世代間関係の主・客を逆転させたものである。未婚の死者が先祖になれないというのは、家を創設、又は継承させるための前提条件である子孫を残さなかったからである。婚姻が、家格維持・嫡子獲得の制度であった地域において、天逝者に対する婚姻儀礼は、家の象徴的実体である祖霊に彼らを加えることを意味した。家長は、とりわけ長子に対しこの儀礼を行った。(二) 祖先崇拝の祭儀の実施は、生業形態・家族類型・家格・家父長的父子関係・世代深度の、家の構造を示す諸変数と関連を持つ。黒澤のような農村部で行なわれる現在の祖先崇拝は家と密接な関係を維持していると考えられる。
著者
櫻井 義秀
出版者
「宗教と社会」学会
雑誌
宗教と社会 (ISSN:13424726)
巻号頁・発行日
no.9, pp.43-65, 2003-06-14

本稿では、統一教会信者の入信・教化過程をジェンダー論の視点から考察する。ジェンダー秩序の形成が女性信者の宗教実践、教団戦略とどのように関連しているのかを明らかにすることで、従来「マインド・コントロール」として告発されている心理的・社会的影響力行使の中身と意味が明らかになるのではないかと考えている。以下の知見を得た。未婚・既婚を問わず、女性信者の入信・教化の過程において、統一教会は自己啓発・運勢鑑定の装いの下に、統一教会独特の家族観を問題解決の方法として提示する。信者はこのようなイデオロギーを宗教実践において内面化し、最終的な救済財である祝福を目指す。信者が活動に熱心になればなるほど、現実の家族と教団が提示する「真の家庭」という理想の家族像に乖離、葛藤が生じる。教団はその克服を信者に促し、信者はそこに信仰の意義を見いだした。なお、本稿では世界基督教統一神霊協会の略称「統一教会」を用いる。
著者
櫻井 義秀
出版者
日本脱カルト協会(JSCPR)
雑誌
JSCPR
巻号頁・発行日
vol.9, pp.20-34, 2005
著者
櫻井 義秀
出版者
日中社会学会
雑誌
21世紀東アジア社会学 (ISSN:18830862)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.11, pp.22-39, 2021-12-15 (Released:2021-12-17)
参考文献数
30

This paper discusses two issues in Japanese society in response to the new coronavirus infection. First Japan has a unique public health policy for dealing with infectious diseases compared to other countries. We managed to get through the second wave of the epidemic with this approach, but after the third wave, the limitations of the restrained use of PCR testing, cluster control, and self-restraint became apparent. As a result, Japan became the country in East Asia that failed the most in containment of infectious diseases. Second infection control measures have been considered only in the medical and economic spheres, neglecting the issues that arise in the social and cultural spheres. Despite the potential of ICT technology as a new channel of communication, due to economic disparity and generational division, the use of ICT technology has not yet become a tool that everyone can use. These two problems did not arise suddenly as a result of the Corona disaster but have become apparent as Japanese society has shifted to a steady-state economy and is still seeking further economic growth. In the coming decades, Japan will have to deal with massive earthquakes, torrential rains, climate change, global economic fluctuations, and geopolitical tensions in East Asia. At that time, we must consider the sustainability of Japanese society by ensuring intergenerational justice by incorporating the perceptions of future generations.
著者
櫻井 義秀
巻号頁・発行日
2008-08

第4回日韓宗教研究フォーラム. 平成19年8月20日~平成19年8月21日. 浅口市
著者
櫻井 義秀
出版者
北海道印度哲学仏教学会
雑誌
印度哲学仏教学 (ISSN:09128816)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.245-275, 2004-10

本稿では、東北タイの開発僧と呼ばれる僧侶の社会開発実践を紹介する。その際、宗教が社会制度や社会運動として、社会形成に貢献する条件を一般的な開発論と、タイの社会史的コンテキストの中で考察する。一章では20世紀後半のグローバリゼーションと反グローバリゼーションの運動をテロリズムの背景を探るという形で、社会階層論から説明を試みる。二章において、宗教が社会形成に果たす機能を考察するために、社会開発論における文化的な社会資本論について言及し、宗教制度が社会資本になりうる可能性を論じる。三章は、タイの上座仏教全体について説明し、開発僧に関わる先行研究の議論を紹介した上で、本稿のハイライトである開発僧の事例を筆者の調査研究の知見から説明する。
著者
櫻井 義秀
出版者
北海道大学アイヌ・先住民研究センター
雑誌
北海道アイヌ民族生活実態調査報告 : Ainu Report
巻号頁・発行日
vol.1, pp.97-104, 2012-01

現代アイヌの生活と意識 : 2008年北海道アイヌ民族生活実態調査報告書. 小山透編著