著者
稲場 圭信 櫻井 義秀 濱田 陽 金子 昭 関 嘉寛
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、環太平洋のアジアの国々(具体的には、日本、台湾、韓国、タイ、シンガポール、インドネシア、オーストラリア)を調査地域とし、宗教NGOの社会的活動、弱者救済活動、災害支援活動を実地調査した。様々なネットワークが交錯するグローバルな地域間連携が存在する環太平洋において、宗教NGOはローカルからトランスナショナルの様々なレベルで他の市民セクターと連携するネットワーク型へと変容し、市民社会を作る社会的アクターとして機能している実態が明らかになった。
著者
櫻井 義秀
出版者
聖教新聞社
雑誌
聖教新聞
巻号頁・発行日
2004-09-14
著者
櫻井 義秀
出版者
日本タイ学会
雑誌
年報タイ研究 (ISSN:18832121)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.89-106, 2011

This paper reviews research in rural sociology, sociology of regions and communities, and Thai studies which study the transition and reformation of rural-urban relations in Thailand, and then illustrates the agenda of modern Thai society from the perspective of social exclusion and inclusion. This concept has been widely used in Europe to integrate socially excluded people such as ethnic minorities, jobless persons, and disabled people into civil society through workfare rather than welfare. Even developing countries have recently begun to use this idea which has displaced the concept of poverty and underdevelopment and focused on inequality and unbalanced industrialization. As a society attains more developed country status with the maturation of democracy and communications media, people tend to feel relative deprivation rather than absolute deprivation and then demand social equity and social inclusion policy from the government through social and political movements. When we apply this social system methodology to Thai society, the relations between rural and urban areas could be considered not as a dichotomy but as a continuum. Migration from rural to urban areas strengthens their politico-economic relations and standardizes the consumerism of the urban lifestyle in rural areas. Moreover, progress in regional development by governments as well as NGOs/NPOs and the influx of foreign labor into the bottom layer of Thai society undermines rural communal and reciprocal human relations where class differentiation in rural areas and lack of social support occurs. Theories of social exclusion and inclusion policy are analytical and normative so that the scope of agenda and degree of responsiveness varies as a function of civil society and citizenship. How can we weigh the agenda of rural-urban relations in social science in Thailand? We should consider geographical space, the multicultural dimension, and mode value of socially excluded people from family and community who are human-trafficked laborers from neighboring countries, abandoned street children from dysfunctional families and child exploitation rings, and distressed people in society’s ultra bottom layer.
著者
櫻井 義秀 土屋 博 櫻井 治男 稲場 圭信 黒崎 浩行 濱田 陽 石川 明人
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

社会貢献活動を行う宗教団体・宗教文化の特徴を比較宗教・比較社会論的視点から明らかにする調査活動を実施し、共生・思いやり・社会的互恵性・公共性の諸理念を形成することに宗教の果たす役割があることを明らかにした。その成果の一部は稲場圭信・櫻井義秀編『社会貢献する宗教』世界思想社、2009年で明らかにされ、分担・協力研究者たちの研究により、宗教と社会貢献の関連を研究する研究分野を宗教社会学に確立した。
著者
稲場 圭信 櫻井 義秀 大谷 栄一 濱田 陽 ランジャナ ムコパディヤーヤ
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、海外との比較により、ソーシャル・キャピタルとして日本の宗教が担う社会的な役割の特徴を明らかにした。3割以下と宗教人口の少ない日本においても宗教の社会貢献活動が活発化している。その内容は、災害時救援活動、発展途上国支援活動、平和運動、環境への取り組み、地域での奉仕活動、医療・福祉活動、教育・文化振興など非常に多岐にわたり、日本の宗教がソーシャル・キャピタルとして機能する可能性が示唆された。
著者
櫻井 義秀 土屋 博 田島 忠篤
出版者
北海道大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

研究代表者の櫻井は、2008年8月1日、2日の両日、韓国釜山において開催された東アジア宗教文化学会創設大会において、韓国の共同研究者と研究打ち合わせを行い、成果報告書の方向付けについて検討した。この成果を研究報告書及び、科学研究費研究成果公開促進費の出版図書に助成申請を行い刊行する計画を進行させている。なお、研究分担者及び、協力者と共同で行った研究は下記の通りである。1)櫻井、李賢京は札幌市内の外来宗教の宣教活動を概観する調査票調査を学生・大学院生と共に実施した。また、李は韓国系教会について事例研究を実施した。2)中西尋子はオンヌリ教会の機関調査、及び統一教会渡韓日本人女性信者の現地調査を行った。3)猪瀬優理、田島は、札幌市の在日コリアン社会を、札幌の朝鮮学校から調査に入り、調査協力可能な世帯を紹介してもらい、信仰継承と家族の役割、日常的な教団活動におけるジェンダーの規制に関して調査を行い、調査対象過程を東京・大阪の在日コリアン社会に拡大して成果を収めた。4)土屋は、日本のキリスト教宣教史のなかで宣教活動の問題を考察する作業を行った。5)韓国におけるキリスト教宣教史については、基本的な韓国語文献を日本語に抄訳する作業を韓国人留学生に依頼するなどして、前年度に引き続き、基本文献の読解に務めた。日本・韓国の宗教研究者による宗教文化研究の協働作業は、2009年に研究代表者の北海道大学における研究集会へと引き継がれた。