著者
山口 健治 櫻井 芳雄
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.203-212, 2013-12-31 (Released:2014-10-29)
参考文献数
12

本稿では,Arduinoマイコンを用いたリアルタイムでのオペラント箱制御方法およびデータロギングの方法について解説する。Arduinoマイコンは廉価で扱い易いマイコンであるが,神経科学の様々な行動実験で使用するためには十分な性能を持っている。本稿ではまずArduinoマイコンについて解説し,デジタル入出力装置としての使い方を説明する。加えて,Arduinoマイコンを用いた行動データのロギング方法を紹介する。この方法は外部記憶装置を用いる方法よりも優れた点を持っている。最後に,Arduinoマイコンを用いた行動神経科学の実験例として,我々の研究における方法を紹介する。
著者
櫻井 芳雄
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.084-087, 2010 (Released:2010-03-30)
参考文献数
19
被引用文献数
1

We introduce the original and present concepts of cell assembly in the working brain and discuss the problem of dynamic size of it. A local cell assembly consisting of closely neighboring neurons was especially difficult to be detected because of spike overlapping of neighboring neurons. We developed a unique technique of spike-sorting that employed independent component analysis and showed that most of closely neighboring neurons in the monkey prefrontal cortex had dynamic and sharp synchrony of firing reflecting local cell assemblies. We propose that real features of cell assemblies could contribute to development of brain-machine interfaces and neuro-rehabilitation.
著者
櫻井 芳雄 金子 武嗣 青柳 富誌生
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、多様な記憶情報の活用を担う機能的神経回路、すなわちセル・アセンブリの活動を神経科学的に実証することを目的とした。様々な記憶課題を考案し、それらを遂行中のラットからマルチニューロン活動を記録し解析した。その結果、時間弁別課題、報酬確率予測課題、順序弁別課題など多様な記憶課題の遂行中に、海馬、扁桃体、前頭前野などでニューロン活動が変化することがわかり、さらにそれらの部位間で同期的に活動するニューロン集団、つまりマクロなセル・アセンブリの活動を検出することができた。