著者
北野 勝則 北城 圭一 青柳 富誌生
出版者
立命館大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2015-06-29

・領域内A03班において、てんかん患者に対する治療の過程で計測された皮質脳波(ECoG)データに対し、情報理論的手法であるpermutation entropy(順列エントロピー)およびsymbolic transfer entropy(シンボリック移動エントロピー)を適用し、解析を行った。その結果、発作開始期には、電極間の相互作用より電極内部のダイナミクスの影響が大きいなど、発作期と発作間欠期における脳活動ダイナミクスの違いを特徴づけることに成功した。・様々な解析手法が非侵襲脳活動データに適用されているが、その結果が示すものについては不明な点が多い。脳活動に直接的な摂動を与えることが可能となる経頭蓋磁気刺激(TMS)による脳活動変化が検出可能かについて、permutation entropyおよびsymbolic transfer entropyを用いて解析した。その結果、上記手法はTMSの有無による脳活動の差を検出可能であること、後頭部に適用したTMSが前頭部に影響を与えることなどを明らかにした。・TMS-頭蓋脳波同時計測により、安静時には微弱な脳波の位相振幅ーカップリングが変調されるかを検証した。運動野、あるいは、視覚野に単発、あるいは、5 Hz、11 Hz、23 Hzでの5連発の反復刺激を行った。その結果、反復TMSの周波数での位相とガンマ波の振幅がカップルする位相ー振幅カップリングがTMSを印加しない場合に比べてより強くなる現象が見られた。過渡的な位相―振幅カップリングを効率よく検知する新規計測解析手法を提案した。
著者
椹木 哲夫 土屋 和雄 門内 輝行 冨田 直秀 横小路 泰義 尾形 哲也 青柳 富誌生 水山 元 中西 弘明 堀口 由貴男 青井 伸也 谷口 忠大
出版者
京都大学
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2007

複雑なシステムの中におかれたヒトや生体は,自らを取り巻くところの環境や社会を能動的に意味づけ,価値づけ,自らの棲む世界として秩序化していくことができる.本研究課題では,このような自律的主体の「多様性の生成と選択」の機構を「記号過程」に求め,記号の生成・利用のダイナミズムの観点から,生体細胞から環境適応機械(ロボット),社会組織に亘る様々なレベルにおける適応システムの同型性を見いだし,個々のシステム要素が外部・内部の物理的環境との相互作用を介して機能が形成される一般的過程について追究した. 5カ年の成果により,目的をもって生きる存在としての自律的な主体(人,ロボット,細胞)が, 他者主体を含む環境との相互作用を通して,意味の世界を創出して伝達する仕組み(記号過程)を解明し,システムが人を育て,人がシステムを育てる相互主導性を担保できるシステムの設計論を確立することができた。
著者
櫻井 芳雄 金子 武嗣 青柳 富誌生
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、多様な記憶情報の活用を担う機能的神経回路、すなわちセル・アセンブリの活動を神経科学的に実証することを目的とした。様々な記憶課題を考案し、それらを遂行中のラットからマルチニューロン活動を記録し解析した。その結果、時間弁別課題、報酬確率予測課題、順序弁別課題など多様な記憶課題の遂行中に、海馬、扁桃体、前頭前野などでニューロン活動が変化することがわかり、さらにそれらの部位間で同期的に活動するニューロン集団、つまりマクロなセル・アセンブリの活動を検出することができた。
著者
青柳 富誌生 深井 朋樹
出版者
京都大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2003

最近の生理学実験の結果から、神経ネットワークの発火の相関が視覚刺激の情報統合や注意の切り替え等の高次機能に重要な役割を果たしている可能性が示されている。本研究では、[1]神経ネットワークがどのように発火相関を制御するのか?[2]逆に、現時点で系統的な数理モデルの研究がほとんど無い、発火相関が神経ネットワークの機能を制御できるのか?という双方向の機構を理論的に検証し、最終的に両者の自律分散的な協調過程を通じて高度な機能が実現するメカニズムを探ることが目的である。現時点では、[1]に関して、大脳皮質に広く偏在している同種の抑制性ニューロン間のギャップ結合の存在意義について、多様な発火パターンの実現という観点から理論的に説明を試みた。結果として、抑制ニューロン間に通常の化学シナプス,結合とギャップ結合が共存することで、その結合強度比を生理学的に妥当な範囲で調整することにより、同期・非同期状態を多様に実現できることが解析により示された。[2]に関しては、例えば、カラム形成に重要な競合型神経回路網において、入力の発火タイミングの相関により機能を制御可能である点を理論的に示した。また、更に大脳皮質の回路構造を基礎に連想記憶モデルを構成し、想起パターンの切り替えが同期発火入力により制御可能である点を示した。これは、同期発火が神経活動の切り替わり(すなわち行動の切り替え等)の為のシグナルになり得る点を示した興味深い結果である。
著者
青柳 富誌生 野村 真樹
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.444-445, 1998

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
青柳 富誌生 北野 勝則
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, 1996

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。ポスター