著者
加藤 智章 新田 秀樹 西田 和弘 石田 道彦 稲森 公嘉 田中 伸至 石畝 剛士 国京 則幸 関 ふ佐子 原田 啓一郎 水島 郁子 石畝 剛士 片桐 由喜
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の研究成果として、各国の診療報酬体系は原価計算に基づく報酬設定というスタイルを取っていない点で共通であるという知見を得た。ここで日本の診療報酬体系は統一的で極めて精緻なシステムを構築していることが理解できたものの、医療保障を実現するための供給サイドに対しては、診療報酬に偏重しているため、医療施設等のスクラップアンドビルドに柔軟性を欠くとの仮説を獲得するに至った。このため、本研究はテーマを、医療施設をはじめとする医療保障体制全般にシフトチェンジし、基盤(A)の研究に転換することとした。
著者
水島 郁子 山下 眞弘 原 弘明 地神 亮佑
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究は、労働法と会社法の総合的理論的検討を行うことにより、両者の間隙を埋め、労働法と会社法の連携調和を図ることを目的とする。労働法も会社法も実務に近い学問であり、理論的検討の際には法実務と乖離しないことが必要である。大企業実務では法務、人事労務、経営管理を、それぞれ別のセクションが取り扱うのに対し、中小企業では経営者や幹部役員がそれらすべてを担うことが少なくない。労働法と会社法の連携調和を図り、法理論と法実務の連携を模索するには、中小企業法実務に着目することが有用である。本研究は学界の成果とするだけでなく、実務家や経営者に役立つ情報を提供し、ひいては中小企業労働者を守ることをねらいとする。「比較法を含めた理論的検討」は、主として文献調査の方法で行った。後述の研究会で、研究分担者が「労働保険における労働者の「従前業務」に対する法的評価-アメリカ法を参考に」の題目で報告を行った。「実務との対話」は、研究会を6回開催した(5月13日、8月5日、9月30日、11月11日、12月23日、2月3日)。研究分担者および研究代表者が報告したほか、研究者(教員)や実務家に報告を依頼し、それぞれの立場から検討を行い、多角的に意見交換をした。研究分担者および研究代表者の報告タイトルは、前述のほか、以下のとおり:「企業再編と労働者の処遇-会社法と労働法の交錯」「障害に対する配慮の合意と会社分割による承継」「障害者雇用-障害労働者に対する合理的配慮をめぐる最近の事例」。
著者
水島 郁子 山下 眞弘 木村 敦子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

中小企業が事業承継をする際には、当該企業、その経営者や親族の利益であったり、税制上の利得が、優先されがちである。しかし、事業承継を円滑に行うには、創業者によって築かれた中小企業秩序を尊重し労使双方の利益に配慮することも必要である。本研究では労働法、会社法、家族法の観点から、法人格否認の法理、詐害行為取消権、会社分割など、法交錯領域のテーマの検討を行った。研究会を14回開催し、実務家との積極的な意見交換も行った。
著者
村中 孝史 西村 健一郎 水島 郁子 荒山 裕行 皆川 宏之 高畠 淳子 岩永 昌晃 木南 直之
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

労働法や社会保障法の分野においては、労働者又は国民の生活利益に着目した法規制が数多く見られ、そこでは労働者等が「家族」の一員であることから生じる様々な利益が考慮される。そのような考慮は社会保障法において顕著であるが、労働法においても近年は拡大傾向にある。しかしながら、家族の多様化は、そのような考慮に対し様々な問題を投げかけており、それに対して法が対応すべき分野が増加している。
著者
三成 賢次 松川 正毅 高橋 明男 高田 篤 茶園 成樹 松本 和彦 中山 竜一 養老 真一 福井 康太 仁木 恒夫 水島 郁子 佐藤 岩夫 佐藤 岩夫
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、法曹の新職域として注目が集まっている弁護士業務の調査研究を行い、これに法領域横断的な理論的検討を加えることを通じて、近未来における法曹新職域のグランドデザインを提示することを目的とする研究プロジェクトであった。本研究では、諸外国の法曹とその養成課程に関する現状と課題を明らかにするとともに、主として最先端の企業法務を対象とする聞き取りおよびアンケート調査を実施し、法曹の職域の今後に関する模索的な研究を行った。本研究で特に力を入れたのは、全国2000社を対象とする「企業における弁護士ニーズに関する調査」、大阪弁護士会会員の約半数にあたる1500名を対象とする「弁護士業務に関するアンケート調査」、そして全国の企業内弁護士259人を対象とする「組織内弁護士の業務に関するアンケート調査」という3つのアンケート調査であった。それゆえ、本研究では、主として企業関連の弁護士の新しい職域の動向を明らかにすることとなった。