著者
新田 秀樹
出版者
法学新報編集委員会
雑誌
法学新報 (ISSN:00096296)
巻号頁・発行日
vol.122, no.11, pp.1-30, 2016-03

本稿は、障がい者制度改革推進会議総合福祉部会が取りまとめた骨格提言(障害者総合福祉法)と実際に成立した障害者総合支援法の異同を確認・評価した上で、法の目的・理念に係る規定が障害者自立支援法から総合支援法に至る改正経緯の中でどのような変遷を辿ったかを明らかにすることを通じて、今後の障害者福祉領域の立法政策の在り方を検討するに当たっての示唆を得ることを目的とする。得られた示唆は次のとおりである。 第一に、総合福祉部会が骨格提言を取りまとめるまでのプロセスは、当事者たる障害者の代表も参加した議論を経ての意見の積み上げ・集約方式による法改正の手法として、今後目指すべき望ましい法改正の一つの在り方の先例になり得る。 第二に、今回の総合支援法の制定プロセスにおいても、国は、給付の「権利化」には、そのことにより財源的保障を求められやすくなることを恐れて、極めて慎重であることが、改めて確認できた。 第三に、在るべき障害者福祉法制を目指して、二〇一二年改正の成果である目的規定の深化や基本理念の明示を、今後の障害者福祉施策の展開や次の法改正の方向性を領導するための指針として活用することを考える必要がある。
著者
菊池 馨実 福島 豪 中川 純 上山 泰 菅 冨美枝 小西 啓文 尾形 健 川島 聡 今川 奈緒 永野 仁美 新田 秀樹 長谷川 珠子 長谷川 聡
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

研究者各自による研究論文の発表に加えて、4度にわたる公開シンポジウムの開催、3度に及ぶ学術雑誌での特集論文の掲載、さらに刊行が確定している論文集と教科書の出版などを通じて、日本における障害者法学の構築に向けた基盤をつくることができた。
著者
加藤 智章 新田 秀樹 西田 和弘 石田 道彦 稲森 公嘉 田中 伸至 石畝 剛士 国京 則幸 関 ふ佐子 原田 啓一郎 水島 郁子 石畝 剛士 片桐 由喜
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の研究成果として、各国の診療報酬体系は原価計算に基づく報酬設定というスタイルを取っていない点で共通であるという知見を得た。ここで日本の診療報酬体系は統一的で極めて精緻なシステムを構築していることが理解できたものの、医療保障を実現するための供給サイドに対しては、診療報酬に偏重しているため、医療施設等のスクラップアンドビルドに柔軟性を欠くとの仮説を獲得するに至った。このため、本研究はテーマを、医療施設をはじめとする医療保障体制全般にシフトチェンジし、基盤(A)の研究に転換することとした。
著者
新田 秀樹 里見 まり子 吉川 和夫 太田 直道 浅野 治志 桂 雅彦
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

教科横断的な表現教育を教員養成教育に導入するため、芸術家や民間芸術教育者を招き、ミュージアム等とも連携し、「美術」「音楽」「言語」「身体表現」などの複数分野を融合する授業の開発研究を下記のとおり行った。1.「表現教育の教育臨床的研究:五感アート・ラボ=共感覚の森」(大学サテライトギャラリー)視覚、聴覚、触覚を総合した描画の臨床心理学的研究、展覧会、ワークショップ。2.「響くことば、黙することば:能・パントマイム・即興ダンスの出会い」(大学サテライトシアター)金春流宗家他の芸能者、音楽家等とのコラボレーションによる授業開発。3.「遊具をデザインする:遊びながら学ぶために」遊具デザイナーを招いて遊具を創作するプロダクトデザインのカリキュラム開発。4.「身体と映像:身体表現演習」映像アーティストと作曲家との協同による、身体、映像、音が融合した表現教育のプログラムの開発。5.「映像・音・からだをつなぐ」(大学サテライトスタジオ)倉庫空間を活用し、映像インスタレーションと音響彫刻「音のかけら」を組み合わせた、からだの諸感覚を覚醒する授業モデルの構築。6.「音具をつくる、音を感じる、音で対話する」(大学サテライトスタジオ)土や竹を使った音具づくり、コントラバス奏者による即興演奏を組み合わせ、ことばを使わないコミュニケーションを創造する実践研究。7.能楽・パントマイム、即興ダンスの融合授業を大学で展開する「ステージアートとクラスルーム」の研究活動。8.国内、米国、ドイツ等の領域横断型芸術表現の教育プログラム事例調査と資料収集。表現教育に関する情報発信ができる仮想研究ラボ「五感アート・ラボ」ウエッブサイトの開設。