著者
水谷 純也 松本 啓吾 鳴海 拓志 廣瀬 通孝
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.76-86, 2022-03-31 (Released:2022-05-25)
参考文献数
21

A method called redirected walking has been proposed to enable users to walk in a real space of limited size in a vast virtual space by manipulating the user’s direction and amount of movement. Three viewpoint manipulation methods, namely translation gain, rotation gain, and curvature gain, are mainly used in redirected walking. The rotation gain manipulates the user’s direction of travel by manipulating the rotation around the user’s head. However, when the rotation gain is applied to a user walking around a turn, the user’s walking path may deviate from the target. This deviation of the user’s walking path would be a serious problem, especially when interacting with real objects. To solve this problem, we propose a novel turning gain and correction method, which can control the user’s walking path even when the user turns without stopping.
著者
木村 恵子 西村 弘行 木村 いづみ 岩田 伊平 水谷 純也
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.343-347, 1984-08-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
18
被引用文献数
5 4

タマネギを油で炒めると非常に香ばしい風味を生じるが, タマネギをシリコーンオイルで炒めることによっても, よい香りが生じた。そこで, 種々の夾雑物を避けるために, タマネギをシリコーンオイルで炒め, 生じた香気成分をGC-MSによって同定した。そして, 生タマネギの香気成分と比較した。さらに, 炒めたタマネギの香気成分をカラムクロマトグラフィーで分画し, よい香りがどのフラクションに溶出されるかを検討した。1) シリコーンオイルを入れ, 140℃に調節した電気鍋の中に, みじん切りにしたタマネギを加え, 25分間炒めた。急冷後, エーテルを加え, ナイロンゴースで搾った。搾り汁はエーテルを除去し, 4時間水蒸気蒸留して, 炒めたタマネギの香気成分を調製した。収率は, シリコーンオイルの熱分解物も含めて4mg%であった。2) GC-MSから, 炒めたタマネギの主成分は, 2, 4-dimethylthiophene, methyl propyl trisulfide, propylpropenyl trisulfide (cisおよびtrans) であったが, これらの化合物はネギ臭がし, 香ばしい匂いではなかった。3) 生タマネギの香気成分 (エーテル抽出物) では, 2, 3-dimethylthiophene, propyl propenyl disulfide (cisおよびtrans), dipropyl disulfide, dipropyltrisulfideが主成分であった。生タマネギに比べると, 炒めた場合は, より安定なtrisulfide類が増加した。4) 炒めたタマネギの香気成分を, カラムクロマトグラフィーによって分画すると, 単独では香ばしい匂いのするフラクションは見あたらなかった。しかし, いくつかのフラクションを混ぜ合わせると, 香ばしい匂いに近づいた。
著者
李 海航 浦島 三真子 天野 みどり ラシデ ラブンミ 西村 弘行 長谷川 宏司 水谷 純也
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.p146-152, 1992-07

ヒエの旺盛は繁殖力と成長は,農業生産に多大の影響を与え,そのために現在では世界の十大強害草にランクされるに至っている。本研究ではこの植物の一種であるイヌビエの植物間相互作用に関係するアレロパシーを調べた。StevensとTangの培養液循環装置を用いて温室内でのバイオアッセイを行った結果,植物培養液中にイヌビエの根から排出された物質がレタスおよびマングビーンの幼植物の成長に対して強い阻害活性を示した(Fig.2)。また,培養液から抽出した物質はレタスの種子発芽と幼植物の成長に対して強い抑制を示した(Fig.3とTable1)。HPLCおよび^1H-NMRを用いて分析を行った結果,培養液からp-hydroxybenzaldehyde, p-hydroxybenzoic acid, 3,4,-dihydroxybenzoic acid, vanillic acidおよび一種の未同定の成長抑制物質を単離した(Fig.4)。これらの物質の中でp-hydroxybenzaldehydeとp-hydroxybenzoic acidは培養液中に量的に多く,イヌビエの植物対内にもp-hydroxybenzaldehydeの含量が高いことから,この二つの物質はイヌビエの根から排出される主要なアレロケミカルズと思われる。