著者
木村 恵子 並河 良治 曽根 真理
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境工学研究論文集 (ISSN:13415115)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.205-214, 2006-11-17 (Released:2011-06-27)
参考文献数
23
被引用文献数
1

スパイクタイヤの禁止に伴い, 冬期の交通安全確保のために凍結防止剤を散布することは必要不可欠なものとなっている. 近年は凍結防止剤の散布量が増加し, その環境への影響を懸念する声が高まってきている. 本研究では, 凍結防止剤の飛散量に関する物質収支把握, 植物への凍結防止剤噴霧試験, 全国での土壌塩分調査等を行い, 凍結防止剤による植物への影響について検討した. この結果, 土壌から植物へは影響の可能性が低いこと, 植物の地上部への付着による影響は路肩端から3mから5m程度以内で影響を及ぼす可能性があることが確認された. 国総研では, 平成13年度から凍結防止剤による沿道植物への影響に関する研究を行ってきた. 本論文は, これまでの研究成果をとりまとめるものである.
著者
木村 恵子 西村 弘行 木村 いづみ 岩田 伊平 水谷 純也
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.343-347, 1984-08-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
18
被引用文献数
5 4

タマネギを油で炒めると非常に香ばしい風味を生じるが, タマネギをシリコーンオイルで炒めることによっても, よい香りが生じた。そこで, 種々の夾雑物を避けるために, タマネギをシリコーンオイルで炒め, 生じた香気成分をGC-MSによって同定した。そして, 生タマネギの香気成分と比較した。さらに, 炒めたタマネギの香気成分をカラムクロマトグラフィーで分画し, よい香りがどのフラクションに溶出されるかを検討した。1) シリコーンオイルを入れ, 140℃に調節した電気鍋の中に, みじん切りにしたタマネギを加え, 25分間炒めた。急冷後, エーテルを加え, ナイロンゴースで搾った。搾り汁はエーテルを除去し, 4時間水蒸気蒸留して, 炒めたタマネギの香気成分を調製した。収率は, シリコーンオイルの熱分解物も含めて4mg%であった。2) GC-MSから, 炒めたタマネギの主成分は, 2, 4-dimethylthiophene, methyl propyl trisulfide, propylpropenyl trisulfide (cisおよびtrans) であったが, これらの化合物はネギ臭がし, 香ばしい匂いではなかった。3) 生タマネギの香気成分 (エーテル抽出物) では, 2, 3-dimethylthiophene, propyl propenyl disulfide (cisおよびtrans), dipropyl disulfide, dipropyltrisulfideが主成分であった。生タマネギに比べると, 炒めた場合は, より安定なtrisulfide類が増加した。4) 炒めたタマネギの香気成分を, カラムクロマトグラフィーによって分画すると, 単独では香ばしい匂いのするフラクションは見あたらなかった。しかし, いくつかのフラクションを混ぜ合わせると, 香ばしい匂いに近づいた。
著者
木村 恵子
雑誌
学習院女子大学紀要 (ISSN:13447378)
巻号頁・発行日
no.16, pp.85-93, 2014-03

The movie Black Swan is directed by Darren Aronofsky. The title of this movie comes from the ballet performance, Swan Lake. The title refers to the third act of Swan Lake in which two swans, one black (Odile), and one white (Odette), feature. The black swan appears as a mysterious princess who betrays her Prince. In the story the audience is required to speculate as to whether the two swans are different, or they represent the divided selves of the same swan who was previously female. In the movie there are a number of recurring themes, among which are: mirrors;doubles; the colors; the mother-daughter relationship; the referential motif of fairytales; and fantasy and reality. These motifs are emphasized by their repetition. Afterbeing appointed as the principal dancer of a new production of Swan Lake by an artisticdirector of a ballet company in New York City, the heroine, Nina Sayers, meets a series of doubles many times, in a variety of real life situations and as reflected images inmirrors. As the title suggests, colors are also important motifs in the movie, especially,black, white, and red. Red symbolizes the color of blood. The mother-daughterrelationship is also explored, with this relationship having echoes of Snow White.Nina's mother has a conflicting and simultaneous love for and jealousy of her daughter.She has always supported and helped her daughter, but after Nina is chosen as the principal dancer of the company, her mother comes to envy her.
著者
清水 敦彦 板場 昌栄 兵藤 友妃子 石川 悦代 木村 恵子 石崎 優美 新井 真麻 藤原 五月 齋藤 美希 石原 寿美子 関口 久美子 阿部 奈美子
出版者
足利短期大学
雑誌
足利短期大学研究紀要 (ISSN:03893278)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.15-25, 2007-03-01

Fundamental life habits are five items, "eating", "sleeping", "excretion", "purity", "attach or detach" in the field of developmental psychology. We studied eating of children and infants for long years, and reported on No.27 of Memoirs of Ashikaga Junior College, 2006. In this paper, we studied on sleeping of children and infants. It is thought in general that sleeping training of infants starts with making infants recognizing of distinguishing day from night. After about 4 months after their birth, infants starts to sleep deeply in night. When infants are just born, they spend a day as repeating sleeping and waking many times. But about 4 weeks after their birth, they recognize day from night. Then, it is good to start sleeping training after about 4 months from their birth. We did questionnaires about sleeping training of infants of urban areas and compared our data to old data of sleeping training of infants.
著者
伊藤 葉子 木村 恵子
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要. I, 教育科学編 (ISSN:13427407)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.129-136, 1999-02-28
被引用文献数
1 1

本研究では,乳幼児を保育中の親を対象に,「『親になるための教育』として高校生にどんなことを学んでほしいと思うか」,また「特に男子高校生について何を学んでほしいか」についてアンケート調査をおこない,高校生にとっての「親になるための教育」についての議論を重ねていく上での一資料を提示することを目的とした。その結果,以上のことが明らかになった。(1)「『親になるための教育』として高校生にどんなことを学んでほしいと思うか」「特に男子高校生について何を学んでほしいか」の両設問共,父親の回収数が少なく,また,無回答率も高かった。この結果が,乳幼児の父親の高校の保育学習に対する関心の低さによるのかという点については,アンケート調査という評価用具などの検討により,明らかにしていく必要がある。(2)「男女のあり方と性」に関する記述が,両設問共最も多かった。この内容には,結婚する前から子どもをもった後のことまでの男女のあり方にかかわるものが含まれており,特に「命の尊さ」と「性教育・避妊・人工妊娠中絶」という言葉が多く書かれていた。また,母親の回答者数の1/3がこのカテゴリーに関する記述をしており,男女(夫婦)のあり方と性について学ぶことの重要性を感じていることが示された。男子高校生に対しても,母親からの「性教育・避妊・人工妊娠中絶」に関する学習の要望が高い傾向が見られた。(3)「親になる前に培っておくべき資質」「子どもを特つということの意味」に関する記述が多く,「育児に関する知識・技能」に関する記述が少なかったことから,高校生という発達段階を,いわゆる親となるための準備期間としての精神的な成熟を目指す時期と捉えていることが示唆された。同時に,文脈から,乳幼児の親が感じている現代の高校生(若者)の精神的な未熱さへの批判が読み取れた。(4)「子どもと接することに対する心得」「子どもの心身の発達に関する知識」に関する記述内容から,高校の保育学習に対する要望を記述する一方で,日頃,親たちが子育ての中で感じている悩みや不安を同時に表現していることが示された。「男女のあり方と性」に関する記述にも同様の傾向が見られ,特に,母親が父親に対して,子育てをめぐる夫婦のあり方に不満を特っている現状が表出されていた。(5)「子どもと社会」のカテゴリーに含まれる記述がそれ程多く見られなかったのは,本調査対象の母親の就業率の低さと関係していると考えられる。女性の社会進出が進む現在,男女共同参画社会の実現を目指すために,保育環境の整備や社会的支援に関する教育内容について,より検討が必要であると思われる。(6)「育児に関する知識・技能」に関する記述は少なく,「子どもの衣服」という記述は1人も見られなかった。乳幼児の親は,子どもの世話をする上での具体的な知識,例えば食事・衣服などについては,高校という発達段階ではそれ程必要性を感じていないことが示された。(7)具体的な学習方法を提示した記述もかなり多く見られ,保育学習を通して,子どもに触れ合うような機会を持つことへの要望が高いことが示された。また,社会福祉施設など,必ずしも「子ども」に限定せずに,さまざまな実習を通して視野を広げることも,親としての資質を培う一つの方法であることが提示された。
著者
木村 恵子 長田 斉 矢澤 正人 小松崎 理香 青山 旬 和田 聖一 伊谷 公男
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.204-212, 1997-04-30
参考文献数
19
被引用文献数
9

東京都における1歳6ヵ月児歯科健康診査の乳歯齲蝕罹患分類におけるO_1,O_2型(以下,O_1,O_2型)の判定基準について区市町村に対し質問紙による実態調査を行った。また,各区市町村のO_1,O_2型の判定状況,1歳6ヵ月児歯科健康診査の乳歯齲蝕罹患分類におけるO_2,型(以下O_2型)者率と1歳6ヵ月児歯科健康診査(以下,1歳6ヵ月児健診)および3歳児歯科健康診査(以下,3歳児健診)の齲蝕有病者率の差との関係について検討した。次いで,1歳6ヵ月見健診でO_1,O_2型と判定された東京都S区N保健所・北海道I保健所の平成7年度3歳児健診受診者を資料とし,新たなO_1,O_2型の判定基準を1歳6ヵ月から3歳までの齲蝕罹患に関与するリスク要因によって判定することを目的に「就寝時の授乳の習慣」・「甘味の摂取頻度]・「歯みがき状況」を要因と選定して相対危険度による検討を加えた。その結果, 1. 44区市町村(80.0%)から回答を得,そのうち19区市町村(43.2%)が国の示す1歳6ヵ月児歯科健康診査要領以外の独自の判定基準を持っていた。2. 平成5年度O_2型者率が80%以上の区市町村数は22(40.0%)であった。 3. O_2型者率と1歳6ヵ月児健診および3歳児健診の齲蝕有病者率の差との関係には有意な相関は認められなかった。 4. 齲蝕罹患に関与するリスク要因の相対危険度による検討では『甘いお菓子をほぼ毎日食べる習慣』・『就寝時の授乳の習慣』についてはN・I両保健所とも3歳時点での齲蝕有病状況に統計学的に有意な差が認められた。 5. 『甘い飲み物をほぼ毎日飲む習慣』もほぼこれに準じる成績であった。 6. 「歯みがき状況」を示す『保護者による歯みかき習慣』と『プラークスコア』はリスクとして認められなかった。以上の検討から,新たなO_1O_2型の判定基準としては「甘味の摂取頻度」・「就寝時の授乳の習慣」を要因としてとらえ,『甘いお菓子をほぼ毎日食べる習慣がある』・『甘い飲み物をほぼ毎日飲む習慣がある』・『就寝時の授乳の習慣がある』の3項目に1項目以上該当する者をO_2型と判定するのが適当ではないかと考えられた。