著者
阿部 匡伸 水野 秀之 中嶌 信弥
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.66, pp.67-72, 1997-07-18
被引用文献数
10

音声作成ツール (peech editor 9)を開発した。本システムは、グラフィカルユーザインタフェース (U) を用いて、音声合成のパラメータが操作できるものであり、その目的は、従来のTTSでは不可能であったきめ細かな制御を可能とし、多種多様な品質や表情で音声を合成することにある。操作法には、漢字かな混じり文、アクセント型等をテキストベースで修正するモードと、音声のパワー、基本周波数、継続時間をパラメータレベルで修正するモードとがある。UNIX上とWindows95上で動作している。Speed97で作成された音声は、音声信号と音素記号等との対応が明確になっているため、他のメディアとの同期が容易にとれる等のメリットがある。また、Speed97は、音声ガイダンスの作成等の音声メッセージの作成ばかりでなく、例えば、感情を込めてせりふを読ませるなどして演技させることも可能である。さらに、Speed97で作成された音声は、1kbit/s以下の高能率音声符合化音声として利用することも考えられる。We developed a tool (Speech editor 97) to create speech messages. Steed97 provides a graphical user interface to manipulate parameters of speech synthesis, and makes it possible to synthesize various types of speech. The manipulation is performed in text level such as to change Chinese characters and accent types, and in parameter level such as to modify speech power, fundamental frequency and duration. Speed97 runs on UNIX and Windows95. Speech messages created by Speed97 have several advantages. Examples include easy synchronization with other media such as moving picture, because the speech is associated with phoneme symbols, and a low bit rate; i.e., only phonetic symbols and prosodic parameters should be transmitted; approximately 1 kbit/sec or less.
著者
中嶋 秀治 水野 秀之 吉岡 理 高橋 敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.365, pp.173-178, 2011-12-12

表現豊かな音声において多様性を示す句末音調ラベルをテキストから予測する方法について述べる.本方法では,これまでの読み上げ口調の音声合成の言語解析の出力結果である単語の情報と,アクセント句およびイントネーション句の境界情報を用いる.そして,表現豊かな音声が発せられる場面,および,話者に依存したモデルを構築する.商品宣伝,電話応対の各場面のデータを用いて,句末音調ラベル予測評価実験を行なったところ,数個の特徴量を用いる提案法が,多量の特徴量に基づく従来法に比べて同等以上の一致率(Cohen's kappa)を得ることを確認した.
著者
赤羽 誠 水野 秀之 平沢 純一 中嶌 信弥 田中 和世
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.94, no.12, pp.1060-1066, 2011-12-01
参考文献数
12

JEITA規格IT-4006「日本語テキスト音声合成用記号」は,テキスト音声合成技術の利用拡大を目的として(社)電子情報技術産業協会(JEITA)音声入出力方式標準化専門委員会において,特定のハードウェアやプラットホームに依存せず,様々なアプリケーションやサービスで汎用的に利用可能な日本語テキスト音声合成用記号として規格化されたものである.本稿では,本規格策定の経緯と位置付けについて概説するとともに,テキスト音声合成用記号の構成とその記述方法について解説する.また,国内外におけるテキスト音声合成技術に関連する規格の動向についても解説する.