16 0 0 0 OA 植民地都市

著者
永井 良和
出版者
日本都市社会学会
雑誌
日本都市社会学会年報 (ISSN:13414585)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.16, pp.73-88, 1998-07-25 (Released:2011-02-07)
参考文献数
37
著者
永井 良和
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.203-279, 2021-09-30

1920年代から1930年代にかけて、わが国の都市ではモダン文化が開花した。なかでも、ジャズ音楽と社交ダンスの大衆化は、その象徴的現象である。しかしながら、当時の史実を再構成するために必要な基礎資料の整備は、いまだじゅうぶんとはいえない状況にある。この資料では、昭和戦前期に大阪・尼崎で刊行されていた雑誌のうち、『ダンサー』・『ダンスフアン』・『ダンス時代』の3誌について、未発見の号や欠号などがあるものの、関西に存在したタクシーダンス・ホールの詳細を知る手がかりとして、目次を復刻し、重要な記事の一部を翻刻する。なお、この作業は、1995年から1996年にかけて連載した、東京で発行されていた雑誌の目次総覧についての資料の続編にあたるものである。In the 1920s and 30s, Modernism was the distinctive feature of Japanese urban culture. To understand that period, an appreciation of jazz music and ballroom dancing are particularly important. Relevant information for reconstructing these phenomena is, however, lacking. This time, three magazines from this period published in Osaka and Amagasaki, Dansâ (The Dancer), Dansu-Fan (The Dance Fan), and Dansu-Jidai (The Dance Time) have been studied with the help of several informants and public libraries. Although there may be many missing numbers, the found issues contain a lot of valuable information that detail the taxi-dance halls that existed in Osaka, Amagasaki, and the Kansai area. Therefore, as a result of the study, I created a log of all the issues that I could find, and reprinted several important articles.
著者
永井 良和
出版者
関西大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1999

本年度の研究では、計画時よりも作業課題を限定し、(1)明治後期から昭和初期にかけての警察における犯罪捜査・風俗統制に関する諸資料を収集・整理するとともに、(2)これらの資料から再構成できるかぎりの範囲において、当時の警察の活動を記述・分析した。明治末に、警察は犯罪捜査のありかたを一新した。そのおもな方途は、法医学・理化学鑑識などの導入による捜査の科学化、幹部教育の徹底・教科書の発刊などによる捜査技術の体系化、調査要員としていた掏摸・博徒らとの訣別による組織の近代化といった点に集約できる。このような理念が示す方向性は大正期から昭和戦前期までに全国の警察で実現していき、社会統制を支える力となった。医学や化学のみならず、法律学や心理学などの学術も、警察のあり方に大いに影響をあたえた。また他方、警察の近代化は、大衆文化のなかの探偵ブームとも緊密な関連をもった。それは、警察の捜査技術が小説や映画に反映するといった流れにとどまらない。むしろ、大衆が抱く猟奇的趣味や、市民生活を守るための知恵が、警察のもつノウハウを洗練させていった側面に注意が向けられるべきである。以上のような歴史的経緯について研究の成果をまとめ、別記のとおり単著『探偵の社会史1 尾行者たちの街角』(世織書房)を上梓した。